山田宗太朗が選ぶ、Yuki Kawasakiの記事ベスト5
川崎さんは自分とはまったく違うタイプのライターで、ミーティアのなかでは対極に位置していると思う。モロ音楽ギークで、「えっと……川崎さんて、知らない曲あるんですか?」って感じ。映画も漫画も文学も詳しくて、常にカルチャーがそばにある人生を過ごしてきたんだと思う。ミーティアというメディアのなかではいちばん音楽ライターっぽくて、音楽に強いメディアとしては、ある種の信頼性が彼によって担保されていると思う。そんな川崎さんの記事のなかから、5本だけ厳選して選ばせていただきました。(ライター アヴァンギャルドでいこう編集部/山田宗太朗)
第5位 Warpaintとyahyelの邂逅に見る時代性
川崎さんのミーティアデビュー作。この記事を読んだとき、「あ、音楽にガチな人来た」と思って焦った。自分は音楽オタクではないしプレーヤーの経験もないので、こういう人とまともに戦うと足元をすくわれる。ミーティアというメディアのなかでどうやって生き残るかを真剣に考えるきっかけになった記事。
第4位 US経由のmade in JAPAN極彩色のTempalay
Tempalayが大好きなのでこの記事を。冒頭に、一見全然関係なさそうな映画の話を持ってきて、そこからTempalayにつなげる手つきが見事。UMO(Unknown Mortal Orchestra)との比較からTempalayの特徴をさりげなく引き出す流れも良い。Tempalay好きにとってフツーに面白くて勉強になる。
第3位 そこはあの世か現世か。チャペルで見たノベンバの現在地
ミーティアらしいライブレポ。なぜ教会でライブをやるのか? このバンドはどういったバンドで、どんな文脈でこのライブにたどりつき、その意義とは何なのか? そういった考察がちゃんと書いてある。
自分もライブレポはすごく好きで、かなりこだわりと問題意識を持っているので、同じような感覚でライブレポを書いているライターがいることが嬉しい。Fazerdazeのライブレポなども良かった。
第2位 国産ビートメイカー8選! 何となくアンダーグラウンド。
川崎さんの、音楽オタクとしてのポテンシャルがイイ具合に活かされた記事。
まとめ記事の魅力って、手間をかけなくても自分の好みのものを知れること。でも、そのチョイスがマニアックすぎたり、偏りすぎたり、逆にメジャーすぎたり、あるいはウィキペディアレベルのことしか書いてなかったりすると、単なるメディア側の自己満足になってしまう。この記事は、その塩梅がちょうどいいと思いました。タイトルも、なんとなく、良いっす◎
第1位 僕らとULTRA JAPAN。ダンスミュージックの祭典は、今。
仕事でULTRA JAPAN行けてうらやま! というのは第1位に選んだ理由でないです。
このレポート記事は、ライターが第一回開催から毎年参加しているからこそ書ける記事。かつ、幅広く奧深く音楽全般をギーク的に網羅しているからこそ書ける記事。ULTRA JAPANの初心者から上級者まで、広い読者層にアプローチできる。
あと、これは川崎さんの仕事じゃないんだけど(笑)、やっぱりこのイラスト。かわいい。トップ画像はごちゃごちゃさせないで、シンプルにイラストだけの方がよかったのでは? eryさんの絵で広く注目させて、川崎さんの記事で深掘りさせる。一度に二度、おトクな記事。ery×yuki kawasaki のコンビめちゃくちゃEね! 合わせ技で一本! ってことで第1位に選ばせていただきました。
今年も熱のこもった記事をどんどん掲載していきますので、2018年もミーティアどうぞご贔屓に。
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