舞台となるのは吉祥寺!
駅周辺には大型商業施設をはじめ「サンロード」「ダイヤ街」など立派なアーケードの商店街が通り、路地に入るとノスタルジー漂う飲み屋街「ハモニカ横丁」。すこし歩けば閑静な住宅街やおおらかな自然に囲まれた井の頭公園がある。長い間「住んでみたい街ランキング」首位を独走してきた吉祥寺は、若き世代から家族、お年寄りまでを包み込む懐の深い街です。
さらに駅ごとに独創的な文化を育んできた中央線沿線に面し、喫茶店・本屋・ライブハウスなどと言ったサブカルチャーを発信する場としても知られています。吉祥寺を愛した著名人は数知れず。作家や音楽家たちの多くの作品に影響を与えてきた街と言っても過言ではないでしょう。
開催直前!吉祥寺最大のライブサーキット『MiMiNOKOROCK FES JAPAN』
吉祥寺の商店街周辺には“小バコ”と呼ばれる小さなライブハウスが点在し、日々、新しい音楽が生まれています。
そんな吉祥寺を舞台に生まれたライブサーキットイベントが「MiMiNOKOROCK FES JAPAN in 吉祥寺」。通称ミミノコと呼ばれ、吉祥寺開催は今年で4回目(2019年2月に大阪編を初開催)。毎回完全ソールドアウトの人気イベントであり、有名どころから無名の新人までが熱量たっぷりのライブを各会場7箇所で繰り広げます。今回は新たな試みとして「応援隊長」として人気ラジオDJ藤田琢己さんが加入し話題沸騰中。
2019年5月26日の開催を目前に控え、実行委員である小平雄希さんと奥出真一さん、応援隊長の藤田琢己さんにインタビューを敢行!
吉祥寺を愛するバンドマンが始めたライブサーキット
――今年で4回目の開催とのことですが、これまでの経緯を伺えますか?
小平 : 「生まれは愛知ですが、吉祥寺は上京してからの地元で、大好きな街。2015年までさかのぼりますが、当時『NUMBER VOGEL』というバンドで活動していました(ドラムを担当)。吉祥寺にはサーキットイベント自体があまりなく、次世代を担うバンドや仲間を集めたサーキットイベントを開催することになり、その後2年ほど空いて自社アートフルデイズを主体として再構築したのが2017年。2018年には会場も7つに拡大。吉祥寺開催は過去全てソールドアウトしています。そして、今年が4回目の開催となります」
――バンド主催で始まったサーキットフェスが、後に吉祥寺を代表するサーキットイベントへと規模を拡大していったという事ですね。奥出さんはどのような経緯でこのイベントに携わる流れとなったのでしょうか?
奥出 : 「当時から小平さんの会社とはよく別の仕事でご一緒することが多く、ミミノコロックフェスの拡大にあたり、ごく自然な流れでイベント出演者のブッキングを手伝うようになりました。そして2017年から自身の会社Code and Wise Companyとして正式に共同主催者として参加させて頂いています。」
バンド仲間の音楽を拡げたい。強い想いが詰まったミミノコ
――冠である「ミミノコロックフェス」のネーミングは「耳に残るロック」という意味だったんですね!
小平 : 「若いバンドや仲の良いバンドを集めたコンピレーションCDを、TSUTAYAのレンタル限定で企画したことがありまして。そのタイトルが「ミミノコロック」だったんです。“心踊るロック”とかいくつか候補はありましたけど、僕らオトナたちが堂々と言葉にできる名前であるところと、文字にしたときの存在感が良かったので最終的に“ミミノコ”に決めました」
吉祥寺だからこそ出来る“プラスワン”というコラボ企画
――東京でバンドが盛んな街と言えば、渋谷や下北沢のイメージが強いと思いますが、吉祥寺バンドシーンの特色とはどんなものだと感じていますか?
藤田 : 「ラジオのパーソナリティを長年やらせていただいている中で、多くのバンドをみてきましたが、渋谷や下北沢のバンドシーンにはビジネスというか少しお金の匂いを感じるというか。事務所にも所属していない無名のバンドがライブをする時に、いい意味で気張っていない空気が吉祥寺にはあると思います。『なにか自分達にも出来るのではないか?』とその気にさせてくれる街だと思いますね」
――部室から一歩出て挑戦してみたくなるような雰囲気、確かにある気がします。若い世代が頑張っていると言いますか。
藤田 : 「バンドの数も増え、大型フェスやサーキットイベントが混在している中、イベントにすら出る事が難しくなっている現状があるなと感じていて。ラインナップも売れているバンドが並んでいる印象が強いですよね。もちろん音楽で売れたいとは思っているでしょうけど、いい意味で肩に力が入っていないバンドが吉祥寺には多いと感じますね」
――バンドが生き生きと音楽をやっていますよね。正直に音楽と向き合っていると思います。ミミノコには、一夜限りのライブパフォーマンスをお届けする“プラスワン”と呼ばれる目玉枠が設けられているそうですが、「この試みは面白いかもしれない!」と手応えを感じたターニングポイントとなる企画が以前からあったのでしょうか?
小平 : 「過去開催時に他のフェスではやらない独自の企画として、活動休止してるバンドの1日限りの復活などがありました。これが自分たちの売りだよね、と奥出さんと話していたところ、これってプラスワンだよね!”という言葉が返ってきて、即採用しました(笑)。コラボレーション枠やリスペクトカバー、新曲披露など普段は見れないプラスワンを、これからも企画していきたいです。」
――出演バンドにとってもお客さんにとってもミミノコに来ないと見られないお得感があって良いですよね!
奥出 : 「前回開催時には、『藍坊主』と『THE BACK HORN』の山田さんのコラボレーションが凄く盛り上がりました。もともとは藍坊主がTHE BACK HORNを凄くリスペクトしていたんです。我々主催者サイドが“こんなコラボレーションあったら見てみたい”と思う出演者にオファーするというのが企画の流れですが、憧れの人に限らず同じくらいのポジションで切磋琢磨している若手バンド同士を組み合わせることもあります。『プラスワン』でコラボしたバンド同士が、将来大型フェスで共演する姿が見れたら嬉しいですよね」
マスコットキャラクターだったかもしれない応援隊長誕生秘話。
――今回は“ 応援隊長” という他のフェスでは聞きなれないポジションが存在してますね。メジャーやインディーズを問わず、日本のバンドシーンを長年見てきた藤田琢己さんが応援隊長になった理由をお聞きしたいです。
奥出 : 「J–WAVEで放送されていた藤田琢己さんの『TOKYOREAL-EYES』という番組がもともと好きで、僕も当時担当していたバンドのマネージャーとして一度ご一緒したことがあったんです。その後年月も経ち、僕が携わっている音楽番組がリニューアルするにあたり「琢己さんを是非番組MCで起用してほしい!」とプロデューサーに熱烈オファーして決まったんですよ!それでお仕事をご一緒することとなりダメ元でミミノコの話を立ち話で話したところ興味を持って下さったんですよね(笑)」
小平 : 「当初はマスコットキャラクターを作ろうと思っていたんです。“ミミノコくん”という(笑)。2、3年前から模索してはいたんですけど、中々しっくりこなくて、、そこで奥出さんが琢己さんにオファーしてくださり、これだ!となりました!」
藤田 : 「ちょうど自分が担当していたラジオ番組が終わるタイミングでスケジュールも空いていたので、快く承諾させていただきました」
奥出 : 「ラジオのDJさんとライブサーキットが手を組む事ってあまりないことですよね」
――ラジオ局のイベント、とかラジオ番組主催のライブになってしまいますもんね。
奥出 : 「そうなんです。琢己さんには出演バンドのブッキングもやっていただいていて。でも琢己さんにどういう立ち位置で入っていただくかは悩みましたね」
小平 : 「最初の頃は『アンバサダー』はどうだろう、とか考えましたね」
奥出 : 「でもイベント自体D.I.Y.というかファミリーというか、あったかい感じもあるので、お堅いイメージよりも“応援隊長”ぐらいの響きが良いのかなと思いました」
――お客さんにも近寄りがたい存在にならないようにイメージしていたという事ですね。
藤田 : 「そうそう。そこから飛び出してしまうのも良くないと思いますし、名前だけ貸したみたいになるのもイヤだし(笑)。」
――奥出さんから応援隊長のオファーを受けた時、琢己さんはどう思われましたか?
藤田 : 「自分がラジオ番組で培ってきた繋がりや知識は、大げさですけど僕の資産だと思っています。それを生かせる場だなと思いました。ダメ元でオファーしたバンドマンでも、『琢己さんからのお誘いなら是非!』と出演を承諾してくれた方も居て。『androp』の内澤くんもまさにそれでした。中にはスケジュールの都合で出演出来なかった方も居ますけど、本人やマネージャーさんから長文のメールで丁寧にお返事をいただけたりしました」
――藤田さんならではのコネクションを生かせるということですね。
藤田 : 「運命の引き合わせと唱える方もいらっしゃいますが、長年担当してきた自分の番組が終わって、環境が変化したらしたなりに新たなチャンスがそこに芽生えるんだなと。思い切って外に飛び出した先に会いたかった人が居たりしてね。今までの環境を手放したことで寂しさもあったかもしれないけれど、新しく伸ばしてみた手には色々掴めるものがあるっていうことに、今回スタッフとしてイベントに携わったことで気づかされましたね」
――開催まで1週間を切りましたが、これからの展望も教えてください。
小平 : 「お客さんに楽しんでいただくことはもちろんですが、打ち上げが入場規制になればと思っています。毎回100人くらい集まるのですが、憧れのバンドマンへは挨拶の列ができていたり、今まで交流がなかったバンドと出会えたり、、そういったバンドマンへの場も、大切にしたイベントにできたらと思っています。」
奥出 : 「今年2月に初めて大阪でも開催したんですけど、今後は吉祥寺のみならず『ミミノコロックフェス』を広めていけたらいいですね。今回の開催から LINELIVEでの生配信など様々なアプローチを仕掛けています。もっと沢山のアーティストに出て欲しいという気持ちはありますが、程よくライブハウスが点在している吉祥寺で、小バコならではの空間で鳴る音を、多くの人に届けられたらと思います」
藤田 : 「応援隊長という立場なので、賑やかしとして存分に盛り上げていきたいですね。SNSに沢山投稿して“なんか面白そうなイベントやってるぞ!”と興味を持ってくれたらうれしいです」
――Twitterのタイムラインに「琢己さんのアカウントがやたらと流れるなあ」と思っていました。
ミミノコロックフェスでこれ聴きたい! – by 藤田琢己 https://t.co/BGh2UN3hOJ #LINEMUSIC
— 藤田たくみ5/26吉祥寺ミミノコ (@TakMe520) May 17, 2019
何回見てもおもろいし俺ポンコツwww
早く俺の罰ゲーム動画あげないとなぁ#ミミノコ https://t.co/xdS29IfZkA— 藤田たくみ5/26吉祥寺ミミノコ (@TakMe520) May 13, 2019
藤田 : 「そう思ってもらえたら狙い通りかなと。応援隊長と名乗っているのに”何もやっていないじゃないか!“とはなりたくはないですから(笑)」
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