12月12日(木)、次世代のボーカルグループCOLOR CREATION(以下、カラクリ)によるツアー「WINTER COLORS」のファイナル公演が東京・Mt.RAINIER HALL SHIBUYA PLEASURE PLEASUREにて行われた。RIOSKE、TAKUYA、JUNPEI、KAZ、YUUTOの5人からなるカラクリは、今冬に名古屋・大阪・東京を回る計4公演のライブを敢行。その「WINTER COLORS」千秋楽であり、2019年最後のワンマンライブということで、会場は超満員のキャンバス(カラクリのファンの総称)で埋め尽くされた。
Text_Akihiro Aoyama
Photography_鈴木恵
Edit_mine.k
冒頭から見せつけた圧倒的な歌唱力
客席の照明が落ち、ヘヴィなロック・ギターが鳴り響く中、黒一色の正装に身を包んだカラクリの5人が登場。オープニングに選ばれたのは、11月20日にリリースされたばかりの4thシングル「The Call」収録曲「Black Papilio」だ。スタンドマイク使用という新しいパフォーマンスで歌われた「Oh Oh Oh♪」という勇壮なコーラスに乗せて、TAKUYAが「OK、WINTER COLORSファイナル!」と会場を煽るやいなや、客席は一気に総立ちに。冒頭から五声のハーモニーが美しく絡み合い、カラクリ最大の武器=圧倒的な歌唱力を見せつけた。
次に歌われたのは、5月にリリースされた彼らの1stアルバム「FIRST PALETTE」の冒頭を飾った「Movin’on」。2ステップ風のダンスビートに合わせて、ステージ上の5人はフォーメーションを目まぐるしく変えながらそれぞれの美声を披露していく。TAKUYAが「ついに来たぜWINTER COLORSファイナル東京!二階席の奥までこっちに魂をぶつけてきて下さい!」とさらに会場を煽った後は、「Odds&Ends」へ。キャンバスの皆は息の合ったハンドクラップとコール&レスポンスでカラクリの熱演に応え、会場の熱気は早くも最高潮に達していた。
カラクリ初の試みとなったアコースティックセット
最初のMCでは、JUNPEIが「みんなにとって今日が2019年最高の日になるようにしますから、何も心配せずに僕らカラクリ、そしてカラクリの音楽に浸って、身を任せて、楽しんで帰ってください」と話し、キャンバスからは大きな拍手が送られた。続けてJUNPEIがサポートを務めるギタリストを紹介。カラクリにとって初の試みとなるアコースティックセットが始まった。
KAZが冬の別れの切なさを伝えるメッセージを綴った後、アコースティックセットは「Let it snow~会いたくて~」でスタート。今年2月にシングルリリースされた同曲は、今の季節にピッタリのエモーショナルなバラードだ。アコースティックギターの爪弾きだけをバックに歌われることで、5人の歌とハーモニーがさらに引き立ち、切なく胸をしめつける。
続いてステージ上にはKAZとJUNPEIが残り、2人での歌唱へ。歌われたのは、シンガーソングライターのみゆはんとコレサワのコラボで生まれた楽曲「恋人失格」のカバーだ。この曲は、2018年の冬ツアー「PALETTE TOUR Vol.1」でJUNPEIがカバーしていた、コレサワの楽曲「たばこ」へのアンサーソング。昨冬からのストーリー性を感じさせる選曲に、会場はしっとりと聴き入っていた。
KAZとJUNPEIの歌唱が終わると、入れ替わりにRIOSKEが登場。その手にはウクレレが握られている。RIOSKEは「今日、この日のために作ってきたオリジナル曲を聴いてください」と話して、初めて作ったというオリジナルの楽曲を披露。ウクレレの可愛らしく素朴な音色がギターの音と絡み合い、親密な空気を作る中、RIOSKEの情感豊かな歌声が美しいメロディを紡いでいく。初めてとは思えないほどに完成された楽曲に、キャンバスからは大きな拍手が送られた。
続くアコースティックセット4曲目は、YUUTOとTAKUYAによる「シンデレラじゃない僕でも」。ポジティブなメッセージには、切なさのつのる冬から、少しずつ雪解けと春の訪れに近付いていくような力強さが感じられる。アコースティックセットの最後は再び5人揃って「Blue Star」を披露。TAKUYAが作詞を担当した同曲は、温かみのあるアコースティックギターと共に観客のハンドクラップが演奏に加わり、5人の歌声を引き立てていた。最後は「Oh Oh Oh Oh Oh♪」というコーラスをキャンバスたちも一緒に歌い、会場全体が一体となった。
力強い自己肯定ソング「The Call」から怒涛の後半戦へ
アコースティックセットが終わると、KAZが「皆がこれからも自分らしく、ありのままの自分で前に向かって進んでいけるように、この曲を届けます」と話し、最新シングルの「The Call」を披露。KAZが作曲に参加した、力強く自分を肯定するメッセージソングだ。しっとりとしたアコースティックセットから一転、パワフルな5人の歌声に圧倒される。
ここで5人は一旦ステージから降り、スクリーンに「WINTER COLORS」ツアー用のメッセージボードを作成しているカラクリのプライベート映像が映し出された。メンバー自身の手によるカメラで今回のライブへの意気込みなどを語る内容からは、カラクリの仲の良さ、グループの気の置けない雰囲気が伝わってくる。メンバーの発言に、会場からは何度も笑い声が上がっていた。
映像が終わると、メンバーが再登場。ライブの後半戦は、アコースティックギターの音色にダンスビートが重なる爽やかな楽曲「Smile」でスタート。キャンバスは再び総立ちとなり、ハンドクラップで会場がまた一つとなっていく。
「最高の笑顔です、ありがとう!」とTAKUYAが客席に呼びかけた後、間髪入れずに「Magic!」へ。最後には、TAKUYAの煽りを受けて「ライブは最高!」「めちゃめちゃ最高!」「カラクリ最高!」「キャンバス最高!」とコール&レスポンスを連発。アッパーな楽曲の連打に、会場の温度は急上昇していった。
7/19豊洲PITへ向けて走り続けるカラクリの決意
「俺らは常に過去一を更新していきたい。みんなの人生の楽しかったランキング、感動したランキング、その過去一を更新していくことが、来年の7月19日にある過去最大の3000人規模ワンマンライブ(豊洲PITで開催予定の「PALETTE 2020」)に繋がっていると思ってます。俺らが常に先頭に立ってみんなを引っ張っていくから、皆ついてきてね!」とTAKUYAが話し、「ONE TEAMはラグビーだけじゃねぇぞ!」と煽ると、会場は大歓声で包まれた。
その熱気そのままに、セクシーなファンクチューン「Saturday Night」では一際息の合ったコールが送られ、続く「Crazy Cruising」でも「Oh Yeah Oh Yeah Oh Yeah♪」の大合唱。キャッチーな「Stand up!」では、それまでの息の合った高次元パフォーマンスとは打って変わって、カラクリの5人がステージ上でじゃれ合い、素の笑顔を見せてキャンバスたちを魅了した。
「これまでつらいこともあったけど、それでも乗り越えることができたのは、ここにいる皆、そして全国のキャンバスの皆と、もっともっと見たい景色があるからです。来年の7月、豊洲PITに向けて、まだまだたくさんの困難があると思うけど、絶対にこのメンバーとキャンバスという仲間と、最高の笑顔で迎えられるように走り続けるので、ついて来てください。」本編最後のMCでKAZがそう話し、ラストの楽曲「Friend」へ。強い絆を5人の力強いハーモニーで表現して、感謝の言葉と共にカラクリはステージを去った。
特大のコール&レスポンスにファンとの絆を再確認
その後、アンコールの声に応えて現れた5人は、ステージ中央に集まってアカペラメドレーを披露。「Butterfly」などの楽曲に加えて、King Gnuの「飛行艇」といったヒット曲のカバーもアカペラで歌い上げた。続いて、カラクリの5人は和気あいあいとした掛け合いを見せながら、今回のツアーグッズを紹介。会場全体と一緒に記念写真を撮った後は、いよいよ最後のパフォーマンスへ。大盛り上がりのキャンバスたちが次々に特大のコールを決めた「Sunshine」に続いて、ラストの「Happy Days!」は「Happy Days♪」の大合唱で締めくくられた。
ライブ中に何度もメンバーが話していたように、来年7月19日に行われる予定の豊洲PITでのライブ「PALETTE 2020」は、カラクリにとって過去最大規模の挑戦となる。メンバーも少なからずプレッシャーを感じているに違いない。ただ、メンバーそれぞれが作詞・作曲に参加し、アカペラの技術を磨き上げて、アコースティックセットという新しい試みを行うなど、カラクリの5人が着実に表現の幅を広げている事実は、ライブパフォーマンスを見れば明らかだろう。そんなカラクリの成長と、彼らを信じるキャンバスとの強い絆が垣間見えた、感動的な一夜だった。
COLOR CREATION
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