アユニが作詞を手掛けた『zoozoosea』楽曲紹介
〈自律神経出張中〉
収録曲の中で唯一MVが作られている「自律神経出張中」はアルバムを引っ張る位置付けを担っています。自律神経が”失調“せずに”出張“しているという言葉遊び、アユニが今思っていること、感じていることがストレートに表現されている尖ったロックチューンです。
〈ゴミ屑ロンリネス〉
パンキッシュなボーカルが際立つ「ゴミ屑ロンリネス」は思うようにうまくいかない恋愛を歌った曲。このタイトルは岩崎宏美の代表曲「タッチ」の”星屑ロンリネス“をもじったもので、アユニが初めて挑んだ恋愛ソングです。
〈GALILEO〉
アルバムの中でもライブで盛り上がること間違いなしの裏打ちパンクロック。ロックキッズ達がモッシュやダイブをしているのが目に浮かびます。PEDROの全楽曲を手掛けるのはBiSHやBiSの音楽プロデューサー松隈ケンタ。英語の空耳のように聞こえる独特なワードセンスで仮歌に歌詞をつけるスタイルから生まれた言葉をアユニなりに噛み砕いて綴られた歌詞に中毒性を感じます。
一見浮きそうな言葉であっても“才能”というテーマにしっかりとハマっているのが面白い。
〈甘くないトーキョー〉
アユニ自身が北海道から1人で上京して、”東京は甘くない“という現実に直面したからこそ書ける心の葛藤を描いた内容がエモーショナルなPEDROにピッタリの爽やかな印象を持つ曲。同じような不安と戦う上京してきた人の心に刺さるのではないでしょうか。ひとりの少女が慣れ親しんだ土地、家族と離れ、孤独に負けそうになりながらも前向きに突き進んでいく歌詞にグッっときてしまいます。
〈MAD DANCE〉
タイトル、歌詞、サウンド総てに於いて所謂”踊れるロック”を形にした「MAD DANCE」。歌詞のみならずメロディの部分もアユニが手掛けている箇所があり、ラスサビを盛り上げる大きな役割を果たしています。
〈ハッピーに生きてくれ〉
聴いてくれた人が元気になるというより、アユニが元気を取り戻すためという裏テーマのもと、全く別人格になっているコンセプチュアルな曲。「関心・意欲・態度-100点」という歌詞の通り、「ハッピーに生きてくれ」を聴けば何があってもどんな困難が降りかかってもハッピーに行こう!と前向きにさせてくれることでしょう。
〈うた〉
アユニという主人公が投影された傷だらけの曲達を癒す「うた」はアルバムのフィナーレを飾るのに相応しいミディアムバラード。決して明るい歌詞では無いですが、孤独感漂う暗がりの部屋に一筋の光が差し込み、なんだか救われた気持ちになれる曲だと思います。
自分のことをうまく曝け出せなかったひとりの女の子が、音階しか弾けないベースに再度挑み、ステージでボーカルとして歌う姿を誰が思い描いたでしょうか。
“自分が持つ世界観、感性を表現できた”と意気込む最高傑作がここに誕生したのです。
男性ファンばかりが目立っていたBiSHに若い女の子のファンを引き寄せたと言っても過言ではないBiSHのアユニ・Dが次はロックファンをも惹きつけてくれることでしょう。
PEDROは今後も続いていくとのことなので、さらなる飛躍が楽しみです。
BiSHで得た経験値をPEDROとしても十二分に発揮して、今後の活動に生かして欲しいと思います。
“アイドルがベースを弾いている”という捉え方をされても仕方がないかもしれませんが、アユニ・Dがバンドと向き合おうとする姿勢、鳴らす音を聴けば“本当本気”なんだなぁと感じることができるのではないでしょうか。
筆者も目の前で演奏するアユニのステージをいつかは見てみたいなと思います!
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