【H】星野源
日本のロックの最重要バンド“はっぴいえんど”、ソロアーティストとしての出発点となった「HOSONO HOUSE」、エレクトロ・ミュージックへの回帰を印象付けた「HOCHONO HOUSE」など、特筆すべきトピックがたくさんある“H”ですが、ここで紹介するのは星野源さん。いまや日本のエンターテインメント界を代表するスターとなった星野さんは、ご存知の通り、細野さんに多大な影響を受けています。2017年の「Continues」ツアーでは、YMOもカバーしたインスト曲「Firecracker」(マーティン・デニー)を1曲目で披露。アリーナ・ツアーの冒頭に自らのルーツをしっかり表現する構成は、ファンの間でも大きな話題を集めました。そのほか、ふたりの対談本「地平線の相談」の敢行や星野さんの番組「おげんさんといっしょ」、細野さんの番組「細野晴臣イエローマジックショー2」にお互いがゲスト出演するなど、音楽以外のフィールドでも濃密な交流が続いています。星野さんの音楽の根底に流れる独特のハイブリッド感、異質なものを組み合わせるセンスはまちがいなく、細野さんの音楽世界とつながっていると思います。
【I】インターナショナル
YMOの世界的ブレイクをきっかけにして、ワールドワイドな評価を獲得している細野さん。2017年にはアメリカ・シアトルのレーベル「Light In The Attic」が日本の名曲をテーマにした“Japan Archival Series”をスタートさせ(第1弾の『Even a Tree Can Shed Tears: Japanese Folk & Rock 1969-1973』には、金延幸子「あなたから遠くへ」、はっぴいえんど「夏なんです」、細野さんの「僕は一寸」などが収録)、細野さんのソロアルバム5作(『HOSONO HOUSE』『はらいそ』『CHOCHIN MOON』『フィルハーモニー』『オムニ・サイト・シーイング』)が再発されると、アメリカの音楽メディア「pitchfork」が特集記事を掲載。80年代初めに細野さんが提唱した“観光音楽”というコンセプトを中心に、その音楽性を詳細に紹介しました。
■参照記事■
Introducing Our Japan Archival Series!(Light In The Attic)
Haruomi Hosono Cochin Moon(pitchfork)
ヴァンパイア・ウィークエンドの新曲「2021」に「Talking」(無印良品の店内BGMとして提供した楽曲)がサンプリングされたり、今年の“コーチェラ・フェス”にも出演したマック・デマルコが「Honey Moon」をカバーしたりと、海外アーティストからの注目度も抜群。昨年のイギリス公演に続き、今年5月29日にはニューヨークのグラマシー・シアター、6月3日にロサンゼルスのザ・マヤンでライブが行われることもあって、細野さんの海外での人気はさらに高まることになりそうです。
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