12年越しに実現したヘッドライナー! AAAのライブに全オーディエンスが立ち上がる
a-nation初日のオオトリを飾るのは、初のヘッドライナーを務めるAAA。初めてa-nationに出たのはもう13年前だろうか、MCで宇野実彩子も言っていたが、デビュー前から毎年出演していたので、今回で13回目の出演になる。昨年、初のドームライブを成功させ、アーティスト高みにたどり着いたAAAが、ついにa-vexの看板を持ち、a-nationを締める立場になった。
AAAが登場する前から、会場はAAAのメンバーカラーに合わせたペンライトでカラフルに。『Eight Wonder』の音がかかると、オーディエンスは大歓声。6人が横並びで歌う姿に、早くも涙腺が緩みそうだ。「E・O・E・O」のコールでオーディエンスに声を出させ、一体化を進めるAAA。メンバーのソロパートも見せ場のようにすべてカッコよく決まり、1曲目で早くも会場はAAA色に染まっていった。
続く『PARTY IT UP』でも、AAAのa-nation一体化計画は終わらない。今度はクラップでオーディエンスが応戦。目まぐるしく入れ替わるソロパートもAAAが最終的にたどり着いたパフォーマンスのひとつ。メンバー各々がひとりのアーティストとして成立している今、このソロ回しは豪華としか言いようがない。
『NEW』では、宇野実彩子が振付をレクチャーし、会場はノリノリなダンスと一緒に盛り上がる。一方ステージでは、AAAのメンバーがステージ上を分散して遊び始めた。西島隆弘と日高光啓が與真司郎をいじったり、宇野実彩子と日高光弘が肩を組んで歌ったり、モニターに映るAAAの和気あいあい感にオーディエンスは盛り上がりっぱなし。
こういうカメラを使ったメンバー間の絡みもAAAが昔からライブで見せている魅力のひとつだ。
あっという間に3曲が終わりMCへ。「13回目にしてトリを飾れて嬉しい」と喜びを伝える中、西島隆弘がオネエ口調で「素敵!みんなのペンライト。ありがとう!」とニシ子にテンションチェンジをして、喜びのたけをオーディエンスに伝えていく。
日高光啓が「EXOを見に来た人ー?」と煽れば、EXOファンが反応し、会場からは和やかな笑いが。こういう風に自虐にも聞こえることを素直に聴けてしまうのも、酸いも甘いも経験してきたAAAならでは。「さっき、EXOが終わってバックステージに戻ってきたとき、秀太も一緒に戻ろうとしてた」と暴露を入れつつ、AAAらしさを出していたのが印象的。
MCが空けるとこの日唯一のバラード『恋音と雨空』を披露。西島隆弘と浦田直也のボーカルを筆頭に、6人は気持ちを乗せて歌う。2番のサビにある伊藤千晃のパートは末吉秀太と與真司郎が引き継ぎ、しっかり歌い上げた。バラードもAAAの真骨頂。オーディエンスは静かに耳を傾け、AAAの歌に聴き入っていた。
『MAGIC』を披露する頃には、オーディエンスもほぼ立ち上がってAAAに声援を送る。他のアーティストのファンもみんなAAAを一生懸命応援していた。これは、付き合いとかそういうものではなく、純粋にAAAのパフォーマンスに引き込まれ、一緒に盛り上がりたいと思ってくれたからではないだろうか。それほどAAAのライブは神がかっていたのだ。
ライブも後半戦に入り、最新曲『No Way Back』を披露。大人の夏の夜を歌った曲は、まさに夜のa-nationに最適な楽曲。グループというより、6人のアーティストがセッションしているような、ソロパート回しやユニゾンは見ていてワクワクさせるし、このクオリティはAAAにしか出せないだろう。たかうのコンビこと、西島隆弘と宇野実彩子が顔を接近させて歌うシーンも、デビューからメインボーカルをしてきた2人にしか出せないセクシー感があって、大人のアーティストになったと思わせるシーンも見せた。
『GAME OVER?』では、Aのロゴが入った2つのトロッコが現れ、メンバーが二手に別れて会場全体を移動。アリーナ席だけでなく、ステージから遠いスタンド席にいるオーディエンスにも会いに行く。その距離感の近さにスタンド席にいるオーディエンスは大盛り上がり。この特別感がたまらない。
トロッコが合流したところで『Yell』を熱唱。「どんな困難があっても、応援してくれたから、あきらめずに夢に向かっていけた」という曲の世界観は、まさに今のAAAにぴったりだ。與真司郎が普段「大切な誰かのこと」と歌うパートを「大切なみんなのこと」と歌詞を変えて歌ったことも、ここまで来れたのはみんなのおかげと伝えているようで、ファンにとって胸の熱くなる瞬間だったのではないだろうか。
楽しい時間は過ぎるのが早いもので、ラストの曲へ。AAAのライブに欠かせない曲『ハリケーン・リリ、ボストン・マリ』で最後の盛り上がりを見せる! この曲が生まれてからというもの、AAAのライブでずっと歌われ、ファンはタオルを回し続けた大切な曲。それは単独ライブだけでなく、a-nationでも行われてきた。
トロッコがステージに戻り始めると、この光景を焼き付けるかのように、AAAもオーディエンスも目線を合わせながら『ハリケーン・リリ、ボストン・マリ』でライブを共有していく! ラストサビ前のお決まりのフレーズ「ご一緒に!」を合図に、スタジアム上空にきれいな花火が舞い、a-nationの夜を彩った。
デビュー前の下積みからa-nationに出演していたAAA。今の人気と地位を得るまでに、決して順風満帆に進んだアーティスト人生ではなかった。a-nationでもいい思いだけじゃなく、悔しいこともたくさんあったと思う。
しかし、AAAは常に一歩一歩階段を上り、ヘッドライナーを務めるまでになった。そして、全アーティストのファンの心を掴んで、最高のエンターテイメントをオーディエンスに届けるまでになったのだ。
出演するアーティストの想いが、オーディエンスと強く交差するa-nation。初日はダンスボーカルグループが集結し、熱いライブで最高のエンターテイメントを届けてくれた。また来年もエンターテイメントな夏フェス・a-nationで夏の終わりを過ごしたい!
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