東京・八丈島出身バンドMONO NO AWARE。聴き心地の良さと卓越した言語感覚で音楽ファンを魅了!
東京都でありながら雄大な大自然に囲まれた離島・八丈島出身のボーカル玉置周啓率いる男女混同4人組バンドMONO NO AWARE。1960年代に一大ムーブメントを巻き起こしたグループ・サウンズを彷彿とさせる耳馴染みのある音楽を、現代ポップスにアレンジした独特なセンスで注目を浴びています。
現時点でも人気フェスやサーキットイベントも続々と決まり、先日NHK初出演を果たしたMONO NO AWARE。2019年はさらなる飛躍を見せてくれるのでは?
MONO NO AWAREってどんなバンド?
4人が出会ったのは大学時代。地元から離れ、別々の大学に進学した玉置周啓(Vo./Gt.)と加藤成順(Gt.)が一緒にバンドを組む流れとなったのがことの始まりでした。玉置が作った音楽を気に入っていた加藤は、音楽サークルに入ってもバンド活動をしようとしない玉置に疑問を感じていたようで、離れて暮らしていたこともあり簡単に誘う事は出来なかったのですが、大学2年生の時に痺れを切らして誘ったそうです。その後、玉置と同じサークルに入っていた竹田綾子(Ba.)と柳澤豊(Dr.)に声をかけ、2016年にMONONOAWARE(本来はスペース表記あり)は現体制となります。
このバンドの存在が日本中に知れ渡ったのは2017年3月。P-VINEより初の全国流通盤リリースされた「人生、山おり谷おり」が各方面から評価されたこともあり、数々の国内フェスや海外アーティストのサポートアクトを務めるなど、盟友バンドTempalayやドミコと共に若手ロックシーンを引っ張る注目株として期待されています。
〈バンド名の由来〉
バンド名である“MONO NO AWARE”は、吉田兼好の『徒然草』で使う”もののあはれ”という言葉から取ったもの。玉置が作る曲は、コンセプトに縛られず毎回違うテイストのものが生まれる為、このバンドでは変化と新鮮さを味わえる音楽をやっていこうという思いが込められています。漢字やカタカナではなくローマ字表記である理由は、本人曰く“外国人ウケ”を加味したからだそうです。
〈MONO NO AWAREの独創的過ぎる音楽性について〉
MONO NO AWAREの真髄はオリジナリティ溢れる音楽性にあると思います。「〇〇というバンドと〇〇というバンドって似てる!」というコメントをSNS上ではよく見かけませんか?他のバンドと比べるのはいかがなものかといった意見がありますが、MONO NO AWAREの音楽はイメージするバンドの特徴的な要素が念密に組み込まれています。結局比べているのでは?と思われるかもしれませんが、不特定多数の音楽ファンが思わず反応してしまうフレーズを要所要所に取り入れているので、聴き馴染みのあるリズムやメロディが入っているだけで勝手に気になる対象になってしまうのです。筆者も最初は違和感がありましたが、何度も聴く内にMONO NO AWAREにしか表現出来ない独創的過ぎる音楽に魅了されていました。
MONO NO AWAREの曲はフロントマン玉置周啓の卓越した言語表現が光っている!
1st album『人生、山おり谷おり』
MONO NO AWAREの音楽性について述べてきましたが、もう一つ特徴的なのが言葉遊びが多く使われている歌詞やタイトル。ここでも“聞き覚えがある”のになんか違和感を感じる引っかかった表現が多く使われています。2017年3月2日にP-VINEよりリリースされた『人生、山おり谷おり』というアルバムのタイトルも“人生、山あり谷あり”という言葉に折り紙のニュアンスを掛け合わせており、一見似つかない言葉同士の組み合わせも絶妙なバランスで筋の通った言語表現にしてしまうところに玉置のユーモアセンスを感じさせます。歌詞を深読みするのが好きな人にはきっと堪らないのでは?
アルバムに収録されている全10曲の中から「マンマミーヤ!」と「イワンコッチャナイ」の歌詞をピックアップしたいと思います。
「マンマミーヤ!」の気になる言語表現
クックドゥードゥルドゥーと鳴く君の
そのむね肉に飛び込み泣くのさ
「あなたは私の中で生きてゆく」とカップヌードゥルドゥー
私たちの人生はお湯を入れたら最後
時間に追われる運命さ君の自慢のお料理を見る
https://www.uta-net.com/song/225357/
「イワンコッチャナイ」の気になる言語表現
ならば自販機の下に落ちたるエンを
拾いあつめて富豪になるのも恋慕
ところが上手くいかない
手を伸ばすがつかめない
勝手に動く腕がまくらを殴る!
言わんこっちゃない!
君の久しぶりの連絡にドキドキ
これから待ち受ける展開にゾクゾク
ところが何もない
君の瞳から離れない
自販機に腕を入れる彼の背中!言わんこっちゃない!
https://www.uta-net.com/song/225355/
2nd album『AHA』
MONO NO AWAREの世界観に磨きがかかった、2018年8月1日にSPACE SHOWER MUSICよりリリースされた2枚目のアルバム『AHA』。タイトルはアハ体験の“アハ”からヒントを得ており、ひとつに限らず様々な角度から見る事で視野が広がり、新しい発見に結びつく体験を音楽を通してできるバンドらしさが滲み出た新感覚ポップスを固定概念を取っ払って聴いてみれば、これが“アハ”か!と感じることができるかもしれません。
アルバムに収録されている全10曲の中から「東京」と「轟々雷音」の歌詞をピックアップしたいと思います。
「東京」の気になる言語表現
みんながみんな 暖かなエルドラドに暮らしたい
飛びだせば見つかるのに 見つけなきゃ飛びだせないだからみんながみんな 散り散りになれば
一度0になれば それよりたらればをやめねば
https://www.uta-net.com/song/253359/
「轟々雷音」の気になる言語表現
この曲は歌詞表記が全て漢字となっており、一見中国語に見えますが実は漢字を並べ音読みしているだけという斬新過ぎる曲なので説明を先にしておきます。ひらがなに置き換えても難解過ぎて全く意味がわかりません!(笑)しかし、もうお気づきの人も居るのではないでしょうか?漢字がそれぞれ持つ意味から読み取っていくとバックグラウンドが少しずつみえてきます。まさに“アハ”体験ですよね!音として口ずさんでも楽しくなる歌詞と言って良いでしょう。
因みに読み方は“ゴウゴウライオン“です。
凱旋門下鬼遊可
且雷門下鬼遊可
私願世界中旅行
私願嗅初嗅良香過去無物見付時
未来之花嫁抱時
信難程速度強大
閃光共其音襲来
https://www.uta-net.com/song/253355/
4月6日から公開されているドキュメンタリー映画「沈没家族 劇場版」の主題歌としても話題となっている配信限定シングル「A・I・A・O・U」が好評配信中のMONO NO AWARE。イベンターのみならずアーティストからも一目置かれる存在となっています。地元八丈島の後輩にあたるデザイナー沖山哲弥が手掛けるアートワークやグッズのデザインも非常に人気があるそうです。
MONO NO AWAREの音楽は色んなシチュエーションにもマッチすると思うので、小さなライブハウスでのライブも大きな野外のライブも最高のパフォーマンスをしてくれることでしょう。
東名阪自主企画ライブ【修学旅行】の開催も決まり、今後の活躍も楽しみです。チケット入手困難必須のこのバンドを今の内に刮目してみては?
MONO NO AWARE 公式HP
MONO NO AWARE Twitter
◆玉置周啓 Twitter
◆加藤成順 Twitter
◆竹田綾子 Twitter
◆柳澤豊 Twitter
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