福岡が生んだ4人組ギターロックバンド・ユアネス。ROJACK優勝経験を持つ実力派!
KANA-BOONやサカナクションのマネージメントを担う音楽レーベルHIP LAND MUSICに所属する2019年大注目のバンド、ユアネス 。年末の年越しライブイベントや来年に開催される定番野外ロックフェスティバルへの出演が続々と決まる中、11月21日にリリースされた1st EP『Shift』を提げたレコ発ツアーは軒並みソールドアウト。音楽業界のみならず、音楽ファンからの関心も高くなってきています。
バンド活動の傍ら、ボーカルの黒川がTwitterに投稿している弾き語り動画も話題となっているユアネス。彼等が紡ぐセンチメンタリズムな物語へと導かれてみてはいかがでしょうか?
ユアネスとはどんなバンド?
2014年、福岡にて結成。
ユアネスのメンバーが知り会ったのは福岡の音楽専門学校【福岡スクールオブミュージック&ダンス専門学校(FSM)】です。もともと高校時代からコピーバンドを組んでいた古閑 翔平(Gt)と田中 雄大(Ba)が学内で知り合った当時のドラマーとボーカル候補を探す際に古閑が黒川 侑司(Vo&Gt)を誘い、ユアネスが結成されました。
“ユアネス”というバンド名は、メンバーが各自使いたいカタカナを出し合い、一番響きが良かった言葉を採用した造語。
山口県に住む黒川と熊本県に住む古閑は入学する前にSNSで交流をしていた仲で、事前に新入生の輪を広げる為にアカウントをフォローし合ったことがきっかけとなり出会います。互いを知る中で、黒川が高校の文化祭で一度だけボーカルをしたことがあると小耳に挟んだ古閑は、その動画を送るように依頼。黒川の透き通る歌声に感銘を受け、バンドのボーカルへと抜擢したのです。
歌うことが好きで楽器経験の無い黒川が専攻したのは、まさかのPAコースでしたが、勉強の傍でミュージシャンとしての才能が開花したのは言うまでもありません。PAとしてのスキルも音作りやスタジオワークに一役かっているのでは?
専門学校の卒業時期に初期メンバーであったドラマーが上京を機に脱退し、3人での活動を余儀なくされたユアネス。サポートメンバーを迎えてのライブ活動は行うものの、新たなドラマー候補を探そうということとなり、第1候補として抜擢されたのが小野 貴寛(Dr)です。専門学校のオリエンテーションでの自己紹介でいきなり絡んできたヤバい奴という印象が強かったものの、その明るいキャラクターとズバ抜けたドラムセンスの持ち主である小野を誘い、ユアネスは4人で新たな夢へと歩き出しました。
メジャーデビューと言い切る情報を書かれたものは見受けられませんでしたが、メジャーレーベルからリリースされている点から、ある種それに限りなく近いバンドだということは言えます。
ユアネスの略年表
※音源情報除く。
〈2014年〉ユアネス結成。
〈2016年〉 ドラマー脱退。小野 貴寛が正式加入。
〈2017年〉 RO JACK for ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2017 優勝
〈2018年〉
HIP LAND MUSICによる新人発掘プロジェクト”xsprout.”より初の全国流通作品をリリース。
活動拠点を福岡から東京へと移す。
【ユアネスからのお知らせ📢】
我々ユアネスは活動拠点を
福岡から東京へと
移すことになりました🏡約4年間沢山の思い出を頂きました。
これから更なる飛躍を目指して
頑張って行きますので
よろしくお願い致します…!!photo by (@Genie_G_studio ) pic.twitter.com/rSympMpCMF
— – ユアネス – yourness – (@yourness_on) May 5, 2018
ユアネスが持つ音楽性。時代の流行りに囚われないノスタルジーな世界
「色の見えない少女」
ユアネスの初のMV作品となったこの曲は、2015年にイラストレーターしらこがTwitterに投稿した同タイトルのショートストーリー「色の見えない少女」から生まれました。この切ない感動物語を目にしたユアネスが刺激を受け、楽曲を製作。しらこ本人にダイレクトメッセージを送ったことでこのコラボが完成。この仕事を皮切りに、ユアネスの公式ホームページを含むアートディレクションをしらこが担当することになったのです。
夢も希望も失い、色彩さえも認識出来なくなってしまった病床につく少女が一人の少年に出会い、灰色の景色の中で見えない色を少しずつ取り戻しはじめます。いつしか恋心に変わっていく中で2人はある約束をするのですが、その約束は果たされること無く少年は先に旅立ってしまうという切ない物語。
まるで共作したかのように、黒川が持つ透明感のある力強い歌声と感情が溢れ出した変則的なリズム、予告無しに突如鳴り響くギターとベースの轟音が少女の心情を物語っているようで胸を締め付けます。
この手の音造りを行うバンドは今の時代には少なくなってきましたが、少し前では所謂”オルタナティブ”色が強いバンドの存在が大きかったように思います。例えばindigo la Endやplenty。最近ではamazarashiや雨のパレードなど。
ここ数年のバンドシーンでは歌モノよりもリズミカルなサウンドが好まれている傾向にありますが、ユアネスのような聴き入るバンドが広まっていくと音楽の幅がどんどん広がっていくのではないでしょうか。
ユアネスが持つ音楽性。ポエトリーを含めた1つの物語を織り成すドラマティックな楽曲
「変化に気づかない」→「凩」
作品の中に歌無しのインストルメンタルの楽曲や効果音を入れて、楽曲をより印象づける方法をよくみかけますが、ユアネスは音楽ではなく“ポエトリー”から導入する手法を取っています。
このMVは最新EP『Shift』の幕開けとなる曲のストーリーを繋ぎ合わせたもの。あくまでも主役はこのふたり。「変化に気づかない」では、久しぶりに道端で再会してしまった元恋人にどう接していいのか分からず、信号待ちの長い時間を埋めるかのように探り探り近況報告をし合う。信号が変わり呼び止めるものの相手から返ってきた鈍感な答えに頭が真っ白になり佇んでいるところから「凩」に移っていきます。
歌詞は女性目線の内容となっていて、未だに断ち切れない彼への気持ちと不満の狭間で揺れ動く心の葛藤を疾走感のあるバンドサウンドが畳み掛けるといったものです。
思い出したくない過去の失敗があってこその今がある。
ユアネスが呼び掛けるメッセージを受け止めてみると楽曲のイメージも変わっていきますよ。
黒川弾き語りまとめ
<眠り姫/SEKAI NO OWARI>
👸🏻💤 pic.twitter.com/bmYXesv9ps
— 黒川侑司(ユアネス) (@yourness_kuro) January 8, 2018
<人との距離のはかりかた/plenty>
plentyの「人との距離のはかりかた」を弾き語りしました pic.twitter.com/QAJGhZGeLJ
— 黒川侑司(ユアネス) (@yourness_kuro) October 23, 2018
<糸/中島みゆき>
糸、超好き pic.twitter.com/SuQS7rIktd
— 黒川侑司(ユアネス) (@yourness_kuro) November 20, 2017
SNSや動画アプリの普及で、有名でなくても芸能人や文化人でなくても好きな時に自分の作品を公開することができる為、バンドとは別に弾き語り動画を投稿、配信しているボーカルが多い印象を受けます。楽器単体で演奏している姿を投稿するバンドメンバーも居る程、TwitterやInstagramは絶好のプロモーション方法なのです。ユアネスの黒川もそのひとり。カバーを中心とした弾き語りがきっかけでユアネスにハマったという人も居るのでは?
音楽の専門学校で出会い、バンド結成から4年後に上京を果たした4人組ロックバンド、ユアネス。
ネガティブなセンチメンタルのイメージをポジティブに捉え、過去に経験してきたものの積み重ねで今があるという事を、楽曲を通して伝える唯一無二のスタイルは、大きな影響力を持っていると思います。
ユアネスが演奏を始めると、まるで感情が乗り移ったかのように楽器の音が次々と変わっていくように聴こえる不思議な感覚になります。
そうなるのは、細かいところまで計算し尽くされたメロディセンスと個々の演奏スキルがあるからこそ。
まだまだ若い彼らが創り出す音、紡ぎ出す物語が大人になるにつれて変化していくのも楽しみです。
今年大きな一歩を踏み出したユアネスの来年の活躍に注目していきましょう!
ユアネス オフィシャルサイト
ユアネス Twitter
♢黒川 侑司Twitter
♢古閑 翔平Twitter
♢田中 雄大Twitter
♢小野 貴寛Twitter
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