今バズるバンドsumikaが変幻自在に音楽を操り、観るもの聴くものを笑顔にさせる魔法をかける!
先日、アニメ版【君の膵臓をたべたい】の主題歌・オープニングテーマ・劇中歌を担当することが発表され、飛ぶ鳥を落とす勢いをみせるsumika(スミカ)。現在放送中のフジテレビ系列アニメ【ヲタクに恋は難しい】のOPテーマ曲「フィクション」でsumikaを知った人も多いのでは?
ポップかつ美しいメロディーラインと伸びやかな歌声が魅力的で、会場全員で創り上げる全身全霊を注いだアツいライブパフォーマンスにも定評があります。グッズのデザイン性も非常に高く、ライブの物販では長蛇の列になることも。
ボーカルの片岡健太は、クリープハイプ尾崎世界観が手掛けたラジオ局FM802とTSUTAYAのコラボキャンペーンFM802×TSUTAYA ACCESS!のキャンペーンソング「栞」を歌うRadio Bestsellersのメンバーに抜擢され、バンドとしては結成5周年を迎え、初の武道館公演を含む全国ホールワンマンツアーを序盤からフルスロットル全開で地元川崎からスタートさせました。
アニバーサリーイヤーを迎えたsumikaが歩んできた軌跡を作品と共に辿っていきたいと思います!
2013年5月、sumika結成。3ピースバンドとして本格始動!
元々banbiというバンドで活動をしていた片岡健太(Vo.Gt)、黒田隼之介(Gt.Cho)、荒井智之(Dr)の3人がバンドメンバーであったベーシスト脱退と同時に活動休止する事を発表し、後にsumikaを結成したのが始まりです。
sumikaというバンド名は“住処”をローマ字表記にしたもので、高校の時に美術学科を選考していたこともあり、建築や間取り図が好きな片岡によって“自分の家のような好きなものに囲まれた空間、落ち着く空間を音楽で共有できるように”という思いを込めて命名されました。アーティスティックな感性は楽曲やMVにも生かされ、当時からクリエイターとのコラボレーションを積極的に行っています。
そんな3ピース時代に発売されたのが『新世界オリハルコン』です。banbiで培ってきた10年というキャリアを武器に、sumikaとして初めて作られたアルバムはバリエーション豊かでありながらもバンドサウンドも歌詞もエネルギッシュな印象を受ける曲が揃っています。
話は少し逸れますが、筆者がsumikaを知るきっかけとなったのがこのアルバムに収録されている「雨天決行」が入った無料配布CDでした。(爽やかなのに熱苦しくてなんなんだこのバンドは!)と衝撃を受けたのを覚えています。
2014年、2枚の価格自由設定シングルを発表後、初の全国流通音源リリース!
スタッフワークとバンド活動を並行させながら活動する事が困難となり、スタッフを公募したことにより音楽活動に集中出来る環境で晴れて2枚目のミニアルバム『I co Y』(読み:いこい)が完成。そこまでは良かったものの、マネージメント会社に所属していなかったsumikaに対してレコード店からの風当たりは強く、なかなか首を縦に振ってもらえない日々が続き途方に暮れていると、思わぬ幸運が舞い込んできます。今も引き続きマネージメントを行なっている会社【murffin discs[NOiD]】が窮地に立たされたバンドに救いの手を差し伸べたのです。救世主が現れたことで無事にアルバムは全国発売され、この出逢いがきっかけとなりゲストサポートメンバーであった小川貴之(Key.Cho)がsumikaに加入します!
このMVが公開された時点ではまだ3人での活動だった為、小川は居ませんが、『I co Y』の一曲目であるこの「ソーダ」は今でも多くのファンに愛されている曲です。歌詞の内容を汲み取ると、彼女と距離が出来て気が抜けてしまった気持ちを“ソーダ”に見立てて歌っていて、“そうだ”と掛けてみたり、肩を落とす気持ちを“シュワシュワ”と表現してみたりとタイトルにちなんだ言葉遊びが曲全体を通して散りばめられています。
2015年、現体制のsumika誕生後ボーカル片岡の体調不良により活動休止。そして復活へ。
キーボードが加わったことでバンドが持つ表情がひとつ増え、整った環境のもと3枚目のミニアルバム『Vital Apartment.』が完成。あらゆるクリエイティブな人たちと関わりながら作品作りをしてきたsumikaの活動が集約された、ロックでもありポップでもあるジャンルの壁を越えたこのアルバムを発表し、順調に進んでいくはずだったのですが、リリース直後にボーカル片岡が身体を壊してしまうという予期せぬ出来事が起き、残るメンバー3人での活動を余儀なくされます。7ヶ月間の療養生活については、公式ブログsumika NiKKiに綴られています。
2016年、ピアノサウンドを取り入れ新たな魅力を開花させる!sumika第2章の幕開け
片岡も無事復帰し、活動休止していたsumikaがようやく動き出します。復帰第一弾として発表された楽曲が「Lovers」と「「伝言歌」」という曲です。(「伝言歌」のカッコは封筒を意味しています。)
「Lovers」は休止している時に感じた思いや葛藤から生まれた曲で、貰った愛情の“お返し”が曲いっぱいに詰め込まれています。曲の構成もピアノロックに生まれ変わり、まるで夢の国の敷地内で流れているようなポップでキュートなsumikaサウンドが確立された曲とも言えるでしょう。
一方で「「伝言歌」」も想いを伝える内容となっていますが、この曲は元々バンドでやる予定は無かった曲でした。それは片岡が18歳の時に遡ります。当時仲が良かったグループの中で両思いでありながらも思いを伝えられていない男女がいました。卒業後はそれぞれ地元を離れなくてはならない事が決まっていて、その女性側に相談を受けた時に“歌にして伝えればいいじゃないか”と持ちかけ贈った曲です。その後2人から“バンドで歌って欲しい”と言われこのタイミングで音源化が実現しました。sumikaのライブではアンコールで歌われるセトリ定番曲として浸透していて、
伝えたい全部 あなたに
全部伝えて この言葉よ
迷わないように「伝言歌」歌詞抜粋
という部分をお客さんが歌い、互いに思いを伝え合う素敵な掛け合いがなされています。
「アンサーパレード」には紹介した曲以外にも「ふっかつのじゅもん」「1.2.3..4.5.6」などライブを盛り上げるアッパーチューンも収録されています。
次に作られた『SALLY e.p』は人恋しい季節にリリースされたこともあり、全体的に心温まる素直な曲が多い印象を受けます。その中でも「まいった」と「オレンジ」の2曲には、ようやく取り戻すことが出来た”普通の日々の有り難さ“に安堵した心情が背景にあるように感じます。
打って変わって「MAGIC」は片岡の苦い思い出がヒントになった曲で、なんとなく気分がパッとしない日であっても音楽をフルボリュームで流してしまえば、魔法のように心が晴れていくよ!というメッセージがミュージカル調の音楽を通して込められています。
2017年、遂にフルアルバムが完成!大手企業タイアップや大型フェスに呼ばれるバンドへ急成長。
この年から様々な業界の企業とのコラボタイアップが決まったり、大型フェスに出演するなど多くの人の耳に届くバンドに急成長!メジャーデビューという記述はないものの、大手レーベルがsumikaチームの一員となり、音楽の幅もツアーの規模も拡大し、遂にファーストフルアルバム『Familia』をリリース。3人から始まった狭い”住処”が、スタッフ、クリエイター、サポートメンバーが加わり”一つ屋根の下で暮らす家族”へと変わっていくプロセスを物語ったアルバムだと言えます。
何故、今読んでいただいてるタイトルに“解けない魔法”という言葉を筆者が選んだのかお判りいただけたのではないでしょうか?この「Answer」こそ“音楽の魔法にかけられた”と感じさせる曲だと思います。sumikaサウンドが一度鳴れば一瞬にして異国の地に飛んでいったかのように心をがときめき、自然とみんなを笑顔に変えてしまうのです。
バンドサウンド、ミュージカルサウンド、ホーンセッションなどなど多彩な表情を見せるsumikaの音楽の中でも一際目立つ存在を放つ「Summer vacation」は、初挑戦となるムーディーなR&B調の曲です。若い世代に支持されているバンドですが、少し甘酸っぱさが残るエモーショナルなこの曲で、メンバーと同世代(20代後半〜30代前半あたり)のファンも増えてきたのではないでしょうか。オトナなsumikaもなかなかのものです。
そして2018年4月。sumikaは結成5周年を迎えました。音楽家として、パフォーマーとして、エンターティナーとして培ってきたものを兼ね備え、キャリア最大規模の日本武道館の舞台に立ちます。チケットは既に完売していますが、このアニバーサリーイヤーにふさわしい更なるサプライズを期待して待ちましょう!
Sumikaオフィシャルサイト
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片岡健太 Twitter
黒田隼之介 Twitter
小川貴之 Twitter
荒井智之 Twitter
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