音大出身バンド・マカロニえんぴつ。ロックとポップスを絶妙にミックスしたマカロックで日本中を響かせる!
TBSテレビ【王様のブランチ】10月度エンディングテーマとして流れていた曲「レモンパイ」を担当しているアーティストは一体何者?と思った方も多いのではないでしょうか。その正体は、音大出身のポップロックバンドマカロニえんぴつ。東京を中心に活動し、口コミやYouTubeで少しずつ広がりをみせ、今じわじわと人気知名度共に上がっている注目株なのです。
音楽大学在学中に“マカロニえんぴつ”結成。
マカロニえんぴつは、フロントマンのはっとり(Vo/Gt)が中心となって、ひとり歳が離れていることからアニキ的存在の田辺 由明(Gt/Cho)、メンバー唯一AB型の奇才である高野 賢也(Ba/Cho)、ルーツ色が濃い渋めの音楽が好きなサティ(Dr)という個性的なメンバーで2012年神奈川県川崎にて結成。翌年、多彩な音色を奏でる長谷川 大喜(Key/Cho)が加入し本格的にバンド活動がスタート。メンバーは洗足学園音楽大学の“ROCK&POPS”というコース(キーボードの長谷川大喜だけが電子オルガンコース)の学生で構成され、入学してから2ヶ月弱で初ライブを踏むというのっけから活発的なバンドです。当時から視野を広くする為に学内に留まらず外部でライブを行い、地元近辺では横浜Club Lizard、東京では新宿Marbleを拠点としていました。
この一度耳にすると忘れないバンド名“マカロニえんぴつ”の由来は、穴の象徴「マカロニ」と存在を作る「えんぴつ」を合わせた造語。ある哲学者の「ドーナツの穴を食べる」という言葉に影響を受けています。何も無い空洞の中を自分達の音楽で埋めて存在の有るモノに変え、それをえんぴつで書き進めていくことで意味のあるモノにしていく。という思いが込められているそうです。
渋谷eggman音楽レーベルmurffin discsに新たに発足した【TALTO】に移籍
数々の人気バンドやシンガーがライブを行なってきた由緒ある渋谷の老舗ライブハウスeggman。運営の傍ら音楽レーベルmurffin discsとしてCzecho No Republic、sumika、SUPER BEAVERなどを輩出しています。その中に【NOiD】に続く新しいロックレーベル【TALTO】が2016年11月に発足。当時大学を卒業していたマカロニえんぴつは、前レーベルから離れ、心機一転というこのタイミングでTALTOに移籍しました。
翌年にはバンドとして3作目、TALTOからは記念すべき1枚目となるアルバム「s.i.n」をリリース。レーベルイベントやインディーズシーンを盛り上げる次世代ロックバンドとしのぎを削る対バンツアーを経て、マカロニえんぴつの存在は次第に大きくなっていくのですが、ドラムのサティが5年間の活動期間に終止符を打つことに。ここから残るメンバー4人での現体制となります。
ライブ定番曲「鳴らせ」のような所謂4つ打ちビートのBPMが早めの売れ線が多い印象があったマカロックももちろん良質ですが、この年の12月にリリースされた1st full album 「CHOSYOKU」ではキーボードの音色が濃いシティポップの要素が組み込まれたミドルテンポの曲でさらに拡がりをみせています。
別れを歌った曲「ミスター・ブルースカイ」から始まるこのアルバムに対してレーベルメイトからも絶賛の声が寄せられていて、マカロニえんぴつの転機となる作品となりました。
少し余談となりますが、口コミやYoutubeでファンを獲得し、じわじわと人気を博してきたマカロニえんぴつが2018年1月に開催されたクリープハイプモバイル会員限定イベント【ひめはじめ3】の完全シークレットゲストとして呼ばれたのは筆者もびっくりしたのを覚えています。かねてから“クリープハイプが好きな人におススメのバンド”としてネット上で挙げられていたほぼ無名のバンドが、こんなにも早くに対バンする日が来るなんて。本人たちも、影響を受けてきた憧れのバンドとの競演という大きなひとつの夢が叶った瞬間だったのではないでしょうか。
マカロニえんぴつが大事にする芯の部分“マカロック”とはどんなロック?
この「MUSIC」のライブ映像を観て感じたことがひとつあります。
それは音源の再現度が高いというところ。この演奏スキルの高さに脱帽してしまった人は他にもいらっしゃるのでは?
マカロニえんぴつの曲は、はっとりが宅録や打ち込みで作り上げたデモを元に、他のメンバーと広げていくスタイルで作られています。中でも拘りが強いのが定評のあるメロディライン。心が動かされるグッドメロディが芯の部分の支えとなりマカロックが生まれるのです。音大出身だけあって、コード先行でもギタメロ先行でも音のカケラがガチっとハマればそこから膨らませていけるというのも流石です。バンドのルーツミュージックはメンバー個々バラバラらしく、はっとりは奥田民生率いるユニコーンから大きな影響を受けています。どこか聞き覚えのある懐かしい感じはそこから生まれてきているのかもしれません。
歌詞に関しても作曲と同様にワンフレーズが浮かべば全体像が見えてくるそうで、マカロニえんぴつの歌詞に共感性が高いのは、実体験を交えた嘘のない自然な言葉選びにあると言えます。感情が動きだすひとつひとつの言葉がわかりやすいのに、余白の部分がある事で受け取り次第で色んな捉え方ができる。そういった正解の無い音楽がマカロニえんぴつの魅力だと思います。
東名阪ワンマンツアーを大成功に収め、2度目の渋谷CLUB QUATTROワンマンソールドアウトという目標を達成し、若い女の子のみならずオトナの男性をも虜にさせる全年齢対象ポップロックバンド、マカロニえんぴつ。
音大出身の高い音楽偏差値から生まれた人間味あふれる音楽は、他のバンドマンが嫉妬する程。
来年は間違いなく飛躍の一年になることでしょう。
流行りの音楽の要素をうまく取り入れた耳馴染みの良い通称マカロックを日本中に響かせていって欲しいと思います。
◎はっとり(Vo/Gt) Twitter
◎田辺 由明(Gt/Cho) Twitter
◎高野 賢也(Ba/Cho) Twitter
◎長谷川 大喜(Key/Cho) Twitter
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