CUT
アンニュイで妖艶なビートがクールな曲。サンプリングでハサミの音が入っているのですが、ありきたりな生活の一部で鳴る音でさえ、しっかり音楽として成立させているのが神山羊の凄み。ミステリアスなメロディーとは裏腹に原色的でカラフルなMVが強烈なインパクトを残します。ディレクターはDAOKOのライブ演出等を手がけた佐伯雄一郎です。
bunny
「CUT」同様にダンサブルな曲ですが、音の中にどこかダークなイメージを持つ「CUT」とは対照的に、ブライトでポップなサウンドが印象的なナンバーです。ラスサビ前の音はNASAのスペースシャトルの発射音をサンプリングしているそうで、スペーシーな浮遊感に浸ることができます。
アイスクリーム
イラストレーター北田正太郎とクリエイティブチームCEKAIの窪田慎によるMVは非常にキュートでどこかノスタルジックな温かみのある映像に仕上がっています。
小さい頃はよく読んでいた絵本でさえ大人になれば次第に開くこともなくなる、そんな当たり前の儚さをしみじみと感じ、溶けていくアイスクリームの美しさを感じます。また真っ白ではなく、少し色がにごったクリーム色も時間の流れをイメージさせます。
かなりロックによったサウンドで、プレーヤーは米津玄師のピースサインを担当した真壁陽平。「ピースサイン」は米津玄師が子どもの時の自分と対話して作ったというエピソードもあり、子どもの頃の時間を愛おしく感じさせる「アイスクリーム」、更にアルバムタイトルでもある「ゆめみるこども」にも掛かっているようにも思える懐の深い曲です。
群青
群青というタイトルでありながら、パキッとした色使いが印象的なMVです。
シアン、マゼンタ、イエローのバックに群青色をした箱と3人の神山羊がいるシーンは色の表現方法であるCMYKをモチーフにしているように思えます。
通常、群青色はC(シアン)とM(マゼンタ)を混ぜてつくるため、1人の人間が持つ異なる性格を描いているのではないでしょうか。
海中をイメージさせる魚、空を彷彿とさせる雨、どちらも同じ水でありながらも双極性を感じることができ、表現の振り幅の広さが伺えます。
また、群青を訳すとウルトラマリンとなり、名前は海を越えてきたという意味にも。そこからはメジャーデビューシングルに「群青」と名付けた神山羊の強い決意を感じます。またベースを担当しているのはサカナクションの草刈愛美です。
ロック、ポップ、ダンスミュージックと音を自在に使い分けて曲に個性をつける神山羊ならではの独自性があります。
さらに映像にする際には、色使いを大胆かつ繊細に使いこなし、曲の個性を最大限に高めており、アーティストとしての表現力の高さに圧倒されます。
これを機に神山羊のカラフルな音楽を聴いてみてください。
1st Single 群青
神山羊Twitter
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