6. 全世界のクラバーの総本山、Warp Records
UKクラブ・ミュージックの権化にして入門どころ。もちろん「入門」というのはリスナー側の視点で、アーティストから見れば聖地のようなレーベルがここ、<ワープ・レコーズ>です。エイフェック・ツインにスクエアプッシャー、マウント・キンビーやBibioなど、オールスター級のラインナップ。
Mount Kimbie – 『Four Years and One Day』
この手の音楽は確かに聴きやすいタイプではないかもしれませんが、一度ハマったら恐らく一生付き合うことになります。それぐらい深淵で、粘着質で、魅了的。エイフェックス・ツインの変態性を許容できる頃には、クラブへ足繫く通うようになっているでしょう。
取っ付きにくいIDMばかりでなく、ワープはインディーR&Bやアンダーグラウンド・ヒップホップなどもリリースしています。今年で言えばケレラが目覚ましい活躍を見せておりました。
7. ワープに並ぶクラブシーンの巨人、Ninja Tune
ワープと並ぶUKクラブシーンの巨人、<ニンジャ・チューン>。ワープとは決して対立関係にあるわけではなく、互いの楽曲をリミックスし合うなど、積極的な共創関係にあります。
やはりニンジャ・チューンの所属アーティストもオールスター級で、アモン・トビンやボノボ、ジャガ・ジャジストやBicepなどが顔を揃えております。
Bonobo “Kerala” / Live at Fuji Rock Festival ’17
ボノボは今年のフジロックにも出演しましたが、個人的にはベストアクトでした。全曲最高。『Cirrus』も『No Reason』も、バンドセットではこれほどの威力を発揮するのかと、心底感動したもんです。ちなみにボノボも年明けに来日予定(2/14@大阪、2/15@東京)。
8. アート志向からインダストリアルまでニッチが揃う、Mute Records
前半で紹介しようかとも思ったのですが、後半に持ってきました。<ミュート>もまた、イギリスのインディペンデント・レーベルです。
前半でミュートを紹介しようと思ったのは、ここに所属するアーティストの音がロックであり、電子音楽であり、ダンス・ミュージックだからです。つまるところ、とんでもなくカオティック。デペッシュ・モード、ニュー・オーダー、ニック・ケイヴなどの大御所から、ゴールドフラップやライアーズなど、気鋭のアーティストも名を連ねています。
Goldfrapp – 『Systemagic』
ここの売りは何といってもダニエル・ミラーの存在。1978年に創設以降、彼が一貫してレーベルの全権を握っております。だから方向性が変わってもレーベルのカラーにブレがないし、時代の移り変わりにも対応できるわけですね。
ミュートの音楽をクラブ・ミュージックとして紹介したのは、サブ・レーベルの<ノヴァミュート>の存在があったから。テクノやアシッド・ハウスに強く、UKらしいアンダーグラウンド感が印象的。しばらく動きのなかったノヴァミュートですが、今年に入って再スタートを切ったようです。
9. ギークな音像ならここへ。Hyperdubのオタク趣味
webジンが発祥となった<ハイパーダブ>。主宰のKode9は先日東京で開催された『Diggin’ In The Carts』にも出演しましたね。コチラ、当日のライブレポです。
このレーベルは目の付け所が他とは一線を画します。「ゲーム音楽をクラブ・ミュージックとして解釈しよう」という試みが、『Diggin’ In The Carts』でした。同名のコンピレーション・アルバムを編纂したのがハイパーダブなのですが、これがまたカッコイイのです。
古代祐三 – 『アイトス〜テンプル』
で、その名が示す通りダブステップ系のアーティストも多く存在します。筆頭がブリアル。彼がリリースした『Burial(2006年)』、『Untrue(2007年)』は今日でも広く支持を集めております。今やすっかり定義が広がってしまった「ダブステップ」ですが、当時はこのような音楽を指して使われる言葉でした。
10. オーストラリアのクラブシーンを切り開いたパイオニア、Future Classic
今日ではメインストリームでも存在感を放っている<フューチャー・クラシック>。フルームやニック・マーフィー(ex.チェット・フェイカー)に代表される、強靭なベースとクラブ仕様に改変されたブラック・ミュージックマナーのプロダクションが特徴です。
Nick Murphy – 『Part 2』
このレーベルの長所は、とにかく層が厚いところでしょう。BasenjiやFortunes.、Panama・・・。オーストラリアのクラブシーンがかつてない盛り上がりを見せる昨今、その中心地に居るのは間違いなくフューチャー・クラシックでしょう。
オーストラリアとは時差もありませんから、ロウ・エンド・セオリー(L.A.の最重要パーティー)のフューチャー・クラシックVer.が日本でローンチされても面白いと思います。
SHARE
Written by