CLOSE EYE
“虐待 差別 レイプ”という衝撃なフレーズでスタートする曲です。刃物のようなギターリフ、ストイックなドラムに、ヘヴィなベースライン、耳から入ってくる音全てに鬼気迫るものを感じます。静と動、正常と狂気、相対するもの無秩序に並んでいるアンバランスさが、脈拍を上げ、体を緊張させていくのが分かります。
満腹になるほど多くの情報に囲まれて生活していると、時折自分の心の声が聞こえなくなることもあります。
錯綜する情報に踊らされることなく、そっと目を閉じて内側にある自分の心と向き合うことを疎かにしてはいけないというメッセージが込められている応援歌です。
nothing anymore
熱のこもった清水の歌声が、悲痛な叫びのようにも聴こえます。ゲストボーカルを務めているのは、きのこ帝国のVo佐藤千亜妃です。Age Factoryときのこ帝国にはオルタナティブバンドという共通点があります。儚さを感じる佐藤千亜妃の歌声が絶妙にマッチしていて、寂しさのなかにある確かな愛情が切実に描かれています。壮大さと繊細さを持ち合わせた”nothing anymore”は一本の映画を見ているような気持ちになります。
あえて上で記さなかったのですが、Age Factoryはオルタナティブバンドです。オルタナティブとは、ポップミュージックの対義語で、アングラ精神を持つ音楽のことを指します。Age Factoryの立ち位置はまさにオルタナティブそのものではないでしょうか。
奈良県発のインディーズバンドという立ち姿勢が東京、メジャーに対するカウンターでもあり、追い求めている信念に従がって、流行なんかに左右されないとするポーズはロックバンドとしての強さを体現していて熱い気持ちになります。
叫ぶように歌い轟音を掻き鳴らす一方で、心に火が灯るような安堵感や深い愛情を感じさせる温かみのある曲も歌えるのは、ストイックに感情と向き合い続けているAge Factoryが放なった音楽だからこそ。
狂気的なほど心と向き合うAge Factoryの良さは文章では到底伝わりきれません。ぜひ一度ご自身の耳で心で感じてみてください。
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