日本だけでなく世界を代表するガールズバンド・SCANDALが、結成10周年記念にベストアルバムをリリースする。タイトルは『SCANDAL』。2008年のデビュー以降に発表された全23枚のシングルと7枚のアルバムの中から、ファン投票で選定された上位34曲と新曲2曲を収録。10周年を記念するにふさわしい豪華なアルバムが完成した。
そんな記念碑的な作品をリリースするSCANDALのメンバーに、ミーティアが初突撃! アルバムのことやこれまでの10年間のことを中心に、エモさ溢れるスキャンダラスな(?)インタビューをお届けします!
Interview_Sotaro Yamada、Keito Yano
Edit_Sotaro Yamada、Reika Onda、Keito Yano
(SCANDALベストアルバム『SCANDAL』ダイジェスト映像。SCANDALの10年が2分でわかります! 特設サイト)
結成10周年、BEST ALBUM『SCANDAL』リリース!
――たくさん聞きたいことがあるんですが、まずはアルバムのアートワークから聞かせてください。一面、「SCANDAL」の文字で埋め尽くされているのがとても印象的です。
RINA:まず、誰もが手に取りやすい作品にしたいっていう思いと、自分たちの写真を使ってない作品がいいっていう思いがあって。先入観なく聴いてもらいたかったんです。「SCANDALってバンド、制服着てロックやってた女の子だよね」とか、「雨の中演奏してたよね」とか、「よくライブやってるバンドだよね」とか、いろんなイメージがあると思うんですけど、まっさらな気持ちでいまの自分たちの作品を聴いてほしかった。それで、小町渉さんというアーティストさんとコラボさせていただいて、「自由に作ってください」って丸フリしたんです。そしたら、あがって来た作品がもう、すごいカッコよくて。
TOMOMI:10枚ぐらい候補があったんですけど、本当に全部良くて。悩みに悩んで、これ以上は絞れない……ってとこまで絞ったんです。
――アルバムに収録された曲は、ファン投票ランキングで上位に入った曲です。1位に選ばれたのは、『SCANDAL BABY』でした。この曲は、1stアルバム『BEST★SCANDAL』の1曲目に収録された曲で、シングル化されていません。1stアルバムの1曲目に収録された曲が、この10年間の人気ナンバー1という事実に対して、率直にどんな感想を持っていますか?
HARUNA:もう、すごいことだなと思います。
RINA:自分たちらしいよね(笑)。
HARUNA:『SCANDAL BABY』は、ライブでずっとやって来た曲で、ライブで成長してきた一曲なんです。Dメロはみんなで合唱できるぐらいで、日本だけじゃなくて海外の方も合唱してくれる曲で。私たちもライブで演奏してて感動する曲なので、それが1位に選ばれたっていうのは、すごく嬉しいです。
MAMI:普通はシングルの方が聴かれる機会が多いと思うんですけど、そうじゃない曲が1位になったのは、すごく嬉しいなと思います。自分たちは、それこそカップリング集出してるくらい全部の曲に愛を込めて作ってるので。ライブを中心に10年間活動して来た証だなって思います。
――楽曲が本当に聴かれていることの証ですよね。
RINA:隅々まで聴いてくれてるし、音源を持ってる人がいかに高確率でライブに来てくれてるかっていうことなんですよね。改めて、SCANDALはライブ中心でやるべきバンドだなって思わされましたね。
――ちなみに、海外のファンで投票をやったら別のランキングになると思いますか?
MAMI:変わると思います。でも、今出てる36曲のなかでシャッフルされるようなことになるとは思います。それはやっぱり、ライブに関して言うと、日本も海外も盛り上がる曲は似ているから。その中で、曲の知名度としてアニメの主題歌だった曲とか、海外の方たちが「日本ならでは」を感じて好きになってくれた曲は上位に来るかもしれないですけど、たぶんこの上位34曲はほぼ揺るがない気がしますね。
RINA:たとえばヨーロッパだと、ラウドでロックな曲が人気なので「テイクミーアウト」とかはもう少し上に来るかもなとは思います。体感的に「テイクミーアウト」はヨーロッパですごい人気だった印象がありました。
TOMOMI:やっぱりミュージックビデオがある曲は海外ですごく聴いてもらってますね。
エモさ溢れ出るストーリー
――今回のアルバム、曲順はどういう基準で決めたんでしょうか?
TOMOMI:どれもライブで人気のある曲だから、ほんとにセットリストを作ってるみたいな感覚で4人で決めていきました。流れが良いように。
――1~2時間ぐらいで決まったそうですね?
TOMOMI:そうですね。楽しみながら決めました。
RINA:めちゃくちゃ盛りあがったもんね(笑)。
MAMI:1枚目も2枚目も同じ分量だけ聴いて欲しいから、バランス良く分けたくて。それで、1、2枚目で対になる曲をピックアップして机の上に並べて、「この曲が来たらこの曲かな」みたいな感じで考えていったんですけど、ほとんど意見がズレることがなくて。もちろん入れどころ迷う曲はあったんですけれど、でもそれも数曲でした。
RINA:DJ感覚というか、「このアウトロとイントロのつなぎ最高だな」みたいな感じでめっちゃ盛りあがりながら決めました。
――通しで聴くと、ライブを2回体験できるような感覚になります。新曲も2曲入っていますね。『FREEDOM FIGHTERS』と『HELLO』ですが、前者には「新しいステップ」、後者には「新しい世界へ」という歌詞が入っていて、どちらも次のステージへ向けた前向きさを感じさせる曲です。この2曲を今回のアルバムに収録した意図は何でしょう?
RINA:『HELLO』は一年ぐらい前にデモとして完成していた曲で、いいタイミングでみんなに聴いてもらいたくて置いてた曲なんです。それで今回、満を持してというか。季節的にもそうだし、冬のラブソングを、店着日がバレンタインデーのベストアルバムにいれるのは素敵だなあと思って。
――なるほど、ストーリーにすごくこだわりがあるんですね。
RINA:ああ、そうかもしれないです。 ……ストーリー、こだわるかもね。
MAMI:こだわるこだわる(笑)。
HARUNA:やっぱり何か理由が欲しいんですよね。
――そのストーリーに、エモさが……。
MAMI:出ちゃってるんですねー、サラッと出したかったんですけどね(笑)。
TOMOMI:恥ずかしい(笑)。
――出まくってますよ、『SCANDAL BABY』を1曲目にする時点でめっちゃエモいじゃないですか。シナリオ的にできすぎてるくらい。
MAMI:自分たちでも「エモいなー」って言ってました。
TOMOMI:即決やったけど。
HARUNA:即決でした。
「ハロー」って言いがち。その理由とは……?
――『HELLO』繋がりですけど、今回の収録曲には『Hello! Hello!』という曲もあります。
RINA:「ハロー」どんだけ好きなのっていう(笑)。
一同:(笑)。
――この2曲の「ハロー」という言葉には、意図した意味の違いってあるんでしょうか?
RINA:新曲の『HELLO』のほうは、思い切って言ってしまえば、「ハロー」という言葉にそんなに意味を持たせてないような感覚で作ってますね。サビに来たときにAメロBメロの流れと全然違う世界の扉を開けるような言葉を探してて、メロディにハマる言葉で思いついたのが「ハロー」だったんです。『Hello! Hello!』の方は、「泣き顔の 自分に I say “Good-Bye, Good-Bye”」って言ってたりして、新しい自分に出会えることをテーマにしていて、正しい「ハロー」の意味をテーマにした曲だから、そっちのほうがグッと「ハロー」って言葉に寄り添った内容の曲ですね。
TOMOMI:たぶん私たち、「ハロー」って言葉めっちゃ好きなんですよ。タイトルになってるのはその2曲ですけど、いろんな歌詞よく見てみるとめっちゃ「ハロー」って言ってます。
RINA:いっつもね、どっかの扉開けたいんですよ(笑)。
TOMOMI:挨拶しがちなんです。
――挨拶しがち(笑)?
RINA:「グッバイ」もけっこうありますね。いまよりいいところにいきたいっていう欲がすごいんですよ、ずっと。自分塗り替えたいんですよねー(笑)。
――それって、現状が不満だという気持ちが反映されてたりします?
RINA:いや、「いまがダメ」というのじゃなくて、「いま、最高じゃん? でももっといいとこいけそうじゃない?」っていう気分なんですよね。『テイクミーアウト』も「楽園に連れていって」っていう曲だし、気がつけば、いっつもそういうマインドで音楽作ってるかもしれないですね。
――今の現状を維持するために頑張りたいっていう気持ちはあんまりないですか?
RINA:挑戦したいっていう気持ちのほうが強いですね。
HARUNA:「次が見える快感」があるんだと思うんですよ。
――ああ、じゃあみなさんにはいつも次が見えてるし、これまでそれを越えてきた経験もあるから、またそうしたいっていう感じですか?
MAMI:「見えてる」っていうか、しっかり捉えられてなくても「絶対次がある」っていう根拠の無い想いがあるから、曲にしてしまうんだと思います。それで「自分たちここ行くよ!」っていうのを、理由も根拠も無いけれど示しておかないと気が済まないという。
――今、MAMIさん、「根拠は無い」って言いましたけど、たぶん、あるんじゃないですか?
MAMI:どっかであるんでしょうね、自分の中に。そこに行ける理由みたいなのが。でもそれがハッキリ見えてるわけじゃないっていう。
――なので、「ハロー」って言いがち?
MAMI:そう、挨拶しがち(笑)。
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