フェミニズムを気にするより、自分自身を楽しむ。
――ところで表現全般で好きな作家といえば?
RöE : 挿絵画家・グラフィックデザイナーでもある宇野亜喜良さんのデザイン本が好きです。他にも、今敏監督の『パプリカ』や、『渇き』や『告白』の中島哲也監督作品も好きですね。『パコと魔法の絵本』って映画がすごく可愛くて。主人公のパコは記憶障害を持った女の子で、入院中の病院には変な患者さんがいっぱいるんです。そんな曲者の患者同士が一致団結してパコが好きな絵本を実写化しようとする、っていう心温まるストーリーなんですが、一人ひとりの役柄や色彩が好きですね。
――RöEさんのひみつのアッコちゃんのカバー動画のクオリティは相当高いですね。
RöE : ほんとですか?(笑) 最初は家で一人でアレンジしてる時に、ただアッコちゃんが歌うだけじゃおもんないと思って、自分なりのアッコちゃんを作ろうと思ったんです。美少女がセンターを取り合うみたいな作品は今までなかったのでそういうストーリーにしました。
――すごくシニカルですよね、アイドルの世界を彷彿とさせるし。
RöE : 笑顔の裏にある、怖いものが欲しくて。女の子たちを撮るときも「笑って、でもたまに舌打ち」とか指示しました(笑)。
――それに昔のアニメ歌謡曲って実は内容にエグみがあったりしますよね。
RöE : そうなんです。そういう、すっごく傲慢なところが一番おもしろい。今だとそういう表現は「差別だ」みたいに言うじゃないですか? そんなことよりもっと楽しんだら?って思いますね。
――フェミニズム運動もやりすぎるとどうなのかな?って感じですか。
RöE : 内容によりますが、いちいち人のことにまで口を出すなんて、視野を広げてるようで狭くしてない?って思う。私はもし女性と男性の違いがあるのであれば、そういう違いも楽しみたいんです。一人で踏み込んでいく人はかっこいいと思うけど、踏み込みもしない人が差別だとか言うのはわかんないです。
音楽と、服や化粧や絵をいろいろ絡めてブランドを作りたい。
――ライブは一人でシーケンサーとギターでやってるんですか?ひとりで完結させる方がやりやすい?
RöE: : 一人でサンプラーとアコギとか。その場に合わせてバンドでやるのも好きです。うしろからダン!て音がくるのは高揚感があって好き。生演奏もいいですが、MPC(サンプラー、シーケンサー、パッドコントローラーを統合した楽器)はMPCで一つ一つのマスに音楽が入ってて、それを押し間違えたら終わり、みたいなスリルの中で自分を見せるのがドキドキして楽しくもあります。民族系の楽器も好きですが、MPCはそれを披露するための武器でもあると思ってます。MPCには民族系の音を入れて、民族エレクトロみたいな感じでいいんですよ(笑)。
――それはライブならではの醍醐味ですね。ところで現状ではRöEさんの中にはいくつぐらい表現の柱があると思いますか?
RöE: : 軸は音楽なんですけど、そこから服とかファッションとか、イラスト、アートワーク、文章もこだわっています。自分のなかで、作曲と作詞は脳みその違う場所でやってる気持ちでやってます。
――例えば「何をやってもいいよ」って言われたら、何をやりたいですか?
RöE: : えー……ブランドを作ってお店がやりたい! 自分の好きな曲をお店で流したり、欲しいと思える服を作って売ったりしたいです。洋服にも音楽は絡められるし、音楽って一番何にでも溶け込んでいけるツールなんじゃないですかね。軸を音楽に自分を表せるものならなんでもいい。音楽はもちろん、服でも化粧でも髪型でも。新しいこと試したときに、みんながどんな反応をするんだろう?っていうのが本当に楽しいから。
デジタルシングル『癒えないキスをして*』
購入はこちら
映画『羊とオオカミの恋と殺人』
2019年11月29日(金)公開
オフィシャルサイトはこちら
ロイ-RöE-
オフィシャルサイト
InstagramオフィシャルTwitter
SHARE
Written by