――いえいえ。かしこまりました。では話を戻して……。2曲共にサウンド面が今の日本バンドでは珍しいくらいのミクスチャーなところが特徴的だと思うんですが、その辺りのこだわりはどうでしょう。
324:僕がアレンジとかする時に意識しているのは影響受けたバンド、特にギターふたりは往年のミクスチャーを意識していて。自分らでやるぞってなったときに、改めてそれ(ミクスチャーの文化)をやったら面白いんじゃないかっていう。今の若い層ってそれを知らないと思うんですよね。
ぽにきんぐだむ:そう。ミクスチャーの文化って、多分10年ぐらい前に流行ったんですよね。ミクスチャーロックをやっているバンドってあまりいないんで。僕らがやることで逆に新しい波になるというか。
324:ミクスチャー文化そのものがいろいろな文化を取り入れて、ロックに昇華していこうという動きなので。あの世代の人たちがやっていた、例えばHIPHOPのラップの要素を取り入れるとか、そういうのを、僕なりに新しいものを取り入れて昇華したらどうなろうと思って、やってみていますね。あとは、「そもそもオメでたいことがしたい」と。
――「オメでたいことがしたい。」
324:だから『SHOW-GUTS』に関しては、オメでたいことがしたいのも含め、文化的な側面から和の楽器であったり、篳篥とか入れてみたりとか。和の構造って何だろうとか、雅楽ってどういう構造しているんだろうとか、一通りさらった上でアウトプットしています。
Slipknotとモー娘。の掛け合わせ?!<オメでた>のサウンドのルーツに迫る!
――<オメでた>の皆さんの音楽的バックボーンについて、実は聞いたことないんですよね。
ぽにきんぐだむ:結構バラバラですけど被っているところはかぶっているぐらいです。
――例えば赤飯さんは?
赤飯:アイドルと洋楽ロック、J-POP歌謡曲全般みたいなところをそのまま混ぜながら育ってきました。LimpBizkit、Korn、MarilynManson,RageAgainstTheMachine,System Of A Down、Red Hot Chili Peppers、LinkinParkとか中高大学のときめっちゃ聴いていて。
あと当時はSlipknotとモーニング娘。を交互に聴いていました。そのうち「Slipknotの中身ってモーニング娘。なんじゃないのかなぁ?」「実はSlipknotボーカルのコリィはマスクを剥ぐと保田圭なんじゃないのかなぁ!」とか。
まとめると「コリィ→保田、ジョーイ→矢口、ショーン→加護、クリス→辻、ミック→飯田、ジェイムス→吉澤、ポール→安倍、クレイグ→日替わり」。
そういうことを考えながらいろいろ聞いて全部コピーしてきたんですよ。おそらく可愛い声を出した後に「どーーーーん」ってやったりする技術は、そこで勝手に養われたのかもしれませんね。(笑)
(まずこちらがSlipknotの 『Disasterpiece』)
(それからモー娘。『ザ☆ピース』。ピース繋がりで見えるものもあるかと交互に聴いてみたが、うーん、赤飯さんの語る境地には至れず……。)
――それがフルに発揮されたのが『さくらんぼ』ですよね。
(大塚愛の『さくらんぼ』を<オメでた> がカバーするとこうなる。違和感を覚えない仕上がりになっているのが不思議で仕方ない。)
赤飯:そうなんですよ。セルフミクスチャーとでもいうんですかね。ここで活かせてよかったです。
ぽにきんぐだむ:僕の場合は完全にミクスチャー関係です。入りが邦楽なんです。山嵐さん、RIZEさん、UZUMAKIさんだったり。あの辺を聴いてからルーツにいくというか。基本的にそういったストリートミュージックがずっと好きでした。
(バンドにとっても憧れの存在だったRIZE。『骸骨祭り』で共演を果たしたことは、非常に大きな実績にもなったのだろう。)
――ミクスチャーに1番感じた魅力は?
ぽにきんぐだむ:やっぱりかっこよさですね。若者のかっこよさというか。キッズの時代にねそういうことを感じましたね。
赤飯:体が勝手に動くんですよ。RIZEが今も変わらずミクスチャーの一番気持ちが良いところをカッコよく表現してくれていて。やっぱりライブ見ると勝手に身体動いて。「そうそうこれこれ~!!!」って一気にテンションがあがっちゃって。
ぽにきんぐだむ:大きいノリが気持ちいいですよね。
ゲーム音楽、J-POPからクラシックまで!最早カオスな音楽的バックボーン
mao:僕は内緒です。(笑)
――語らないんですか。
mao:え~~あんまないんですけど。音ゲーやってて。あとJ-POPですね。ゴイステ(Going Steady)とか椎名林檎・東京事変に入って。大学入ってコピーバンドでシャカラビ(SHAKKA RABBITS)・エルレ(ELLEGARDEN)とかやってって感じです。
(12月3日の『骸骨祭り』にも出演していたSHAKKA RABBITS。本PVはVo.Ukiが監督を務めた。)
324:僕は、1番根深いのはゲーム音楽ですね……自分がアウトプットするものは、その中に引き出しがありますね。普通に仕事でそういうこともやっているんですけれども。ゲームミュージックだったり。アニメソングだったり。
あとは、UKロックに1番影響を受けていると思います。その辺りだとMUSEですね。来日したら絶対に行きます。
僕がかけているメガネは(Vo.の)マシューがフジロックの時にかけていたドンキで買った青いサングラスを意識してます。
そのあと眼鏡をかけだして遊んでいた時期もありました。今でもそれおもしれえなっていってかけてたりしますけど。
(2015年、FUJIROCKFESTIVALのフィナーレを飾った曲『Knights Of Cydonia』。曲の持つ壮大さに心が奪われる。)
ミト充:僕は決定的に4人と違うのは音楽の始まりがクラシックなんですよ。吹奏楽だったりクラシックをやっていて。
高校時代は部室が(軽音部と)隣同士だったんですけど。隣でクラシックとか吹奏楽の曲やりながら空いている時間に隣行ってLUNASEAとかハイスタ(Hi-STANDARD)をやっていたようないう感じです。
楽器初めて10年くらいは、同時進行でずっとやってましたが、それからはドラムで1本やっていくようになりました。
その時にコピーしたのは、LUNASEA、ハイスタ、シャカラビ、あとは、Mr.Bigがドラムを始めるきっかけになったというのもあるんです。
(ハイスタといえばでお馴染みの1曲。2016年12月7日に新曲がリリースされたことも記憶に新しい。)
324:俺もギターをちゃんと弾こうと思ったのは深夜にベビメタ(BABYMETAL)さんの番組見ていて。
あの番組にポール・ギルバートとマーティ・フリードマンが出ていて、「ギターってこんなかっこよくひけんの?」って思って練習し始めた節があるんですよ。そこから往年のロックをその番組で勉強しました。
ぽにきんぐだむ:そういう感じでバラエティに富んでます。
ミト充:どっかしらに共通点は絶対にあるんですけどね。
ぽにきんぐだむ:みんな好きなバンドおすすめバンドとかあれば共有して聴きますし。音楽性は全然方向性が違うわけではないです。
次のページはストレス社会に打ち勝て!オメでたに学ぶ「オメでたロジカルシンキング術」?!
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