ジェニーハイは天才を超える!?ミュージシャンと芸人が音楽シーンに新しい風を吹かせる
川谷絵音(ゲスの極み乙女。/indigo la End)がプロデュース兼ギターを務める新たなバンドが世間を賑わせていることをご存知でしょうか?その名はジェニーハイ。先日、念願の「ミュージックステーション(通称Mステ)」への出演を果たし、番組内では小藪一豊とくっきー(正式表記はくっきー!)による貴重な楽器セッションも披露していました。来る11月27日には自身初となるフルアルバム『ジェニーハイストーリー』のリリースを控え、バンドの活動にも熱を帯びてきています。
BSスカパー!で放送されていた番組「BAZOOKA!!!」から生まれた音楽プロジェクト、ジェニーハイ。
結成からの軌跡を辿り、クセになる音楽性を紐解いていきたいと思います!
ジェニーハイがこのメンバーになった経緯とは
“天才を超えよう”という意味を持つジェニーハイが誕生したのは、約8年間に渡りBSスカパー!で放送されていた【BAZOOKA!!!】内のバンドプロジェクトでした。番組初回放送からMCを小籔一豊が務め、2017年1月からレギュラーメンバーとして中嶋イッキュウ(tricot)、くっきー(野性爆弾)が出演。この出会いがきっかけとなり、同年7月から音楽フェスや音楽番組出演を目標に掲げる新プロジェクトがスタート。バンドが結成されて間も無くして、3人からのラブコールに応え番組と縁の深かった川谷絵音がメンバー兼プロデューサーに就任し、バンドに現実味が帯びてきます。
川谷に続けとばかりに、小籔が「俺の知り合いで一番えげつないキーボード」というある人物をメンバーとして推薦。意外過ぎる人選により、日本を代表する現代音楽家・新垣隆がバンドに参加することとなりました。当初は3人だけで始まった小さなプロジェクトでしたが、最強の布陣を迎え、個性派バンド【ジェニーハイ】として歩み始めたのです。
バンド名の生みの親は、バンドプロデュースも手掛ける川谷絵音。
フランス語で”天才“という意味の”ジェニー“が有力候補でしたが、メンバーの小籔から「それは恐れ多い」との指摘があり、“超える”という意味の“ハイ”が合わさりこの名前になったと語っています。
ミュージシャン、お笑い芸人、現代音楽家。それぞれのフィールドで活躍するメンバーが、音楽を通じて天才を超えるべく集まったのがジェニーハイです。
ジェニーハイの独特過ぎる音楽性を川谷が”ゲスの極み乙女。の幻影”と口にする理由
ジェニーハイでは海外でのライブ活動も行うtricotのギターボーカル中嶋イッキュウがボーカルを務め、それ以外のメンバーはギターを川谷絵音、ベースをくっきー、ドラムを小籔一豊、キーボードを新垣隆が担当しています。時には楽器を置き、ラップをしたりダンスを踊ってみたりと様々な形で表現する曲もあります。ジェニーハイのことをよく知らない人は、まず最初に「ジェニーハイのテーマ」のMVを見てはいかがでしょう。メンバーそれぞれが自分自身をラップ調で紹介しているので、メンバーの人となりもわかりますし、スローメロウなサウンドも耳心地が良いです。
個性的なビジュアルや幅広いキャラクター、癖の強い楽曲。ジェニーハイを初めて聴いたとき、頭を過ったのはゲスの極み乙女。でした。川谷自身も同じことを感じているらしく、“ゲスの極み乙女。の幻影”とまで口にする程です。一方で、大きく違うのは演奏スキルの差ではないでしょうか。
今までは、複雑な構成やリズムに変化していく足し算の音作りをしてきた川谷絵音ですが、ジェニーハイの場合はメンバーの中に楽器初心者も居るため、引き算の音作りがベースになっています。バンド結成をきっかけにベースを始めたくっきーや、吉本新喜劇ィズでドラムを叩いている経験者でもある小籔にもやさしいリズム構成とベースラインを軸に、音楽を専門としてきた川谷と新垣のテクニックが加わることにより、ジェニーハイサウンドが生まれるのです。唯一、専門外からの挑戦となるくっきーと小籔の演奏スキルはこの1年でグングン成長しているらしく、積み重ねてきた努力の結果が曲にも現れています。
ジェニーハイの紅一点、中嶋イッキュウが見せるtricotとは別の顔
「ジェニーハイのボーカルって何者?」と思っている人も多いと思うので彼女について少し触れてみましょう。
中嶋イッキュウは、ロックバンドtricotでボーカルギターを務め、作詞作曲を手掛けるミュージシャンです。ジェニーハイの中では無名の彼女ですが、海外公演も頻繁に行う人気バンドとしての顔も持っているのです。
tricotでは、感情をぶつける熱いパフォーマンスをみせる彼女ですが、ジェニーハイでは女性らしい凛とした姿をみせています。バンドを掛け持ちすることも人が作った曲を歌うのも今回が初めてらしく、新境地で見せる別の顔がどう開花していくのか楽しみでなりません。
ボーカリスト中嶋イッキュウとして世の中に広まったデビュー曲「片目で異常に恋してる」はYouTube再生回数1200万回を超え、世間からの注目度の高さを物語るものとなりました。
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