殺陣をしているサムライかのように操るギタリスト・MIYAVIが世界の耳を嫉妬させる!
「音が静か」「温もりがある」「音色が心地良い」。ジャンルに例えるなら、フォーク・カントリー・ジャズ・ポップスなど。アコースティックギターの特徴をあげると、大多数の人がこういった“優しい”イメージをすると思います。そのイメージを覆したアーティストが日本に居るということをご存知ですか?ギターロック界の異端児MIYAVIという男を。アコースティックギターを打楽器のように操り、叩くように爪弾く姿は刀を振り回すサムライを彷彿させます。
またの名を“サムライギタリスト”と呼ばれるMIYAVIの独特な演奏スタイルは海外からも熱い視線を浴び、世界中を虜にしてきました。
実写版『BLEACH』(ブリーチ)で役者としても注目されるMIYAVIの軌跡を辿り、独自の音楽スタイルについても探って行きたい思います。
MIYAVIが歩んできたこれまでの軌跡
〈MIYAVIプロフィール〉
MIYAVI(本名Ishihara Takamasa)は、世界に渡り活躍している大阪出身のロックミュージシャン。年齢は37歳。タトゥーがチラ見えする高い身長が映えるスラップ奏法を用いたソリッドなギタープレイは圧巻です。
プライベートでは、2009年に結婚をされていて、2人の女の子の父親でもあります。妻は元歌手のmelody.。
在日韓国人の父親(日本国籍を取得)と日本人の母親の元で生まれ、幼少期からサッカーで才能を発揮するものの、15歳のときに足を負傷したためプロへの夢は断たれてしまいます。
サッカーを辞めたことで人生の目標を失いグレてしまったMIYAVIは、一種の”不良行為“としてバンドをやってみようと決心。ギターとの出会いが大きく人生を変えて行くこととなるのです。
17歳になり上京し、ヴィジュアル系バンドのメンバーとしてのバンド活動を経て、2002年10月より“雅-miyavi-”名義でソロ活動をスタート。その後、 2004年にリリースされたシングル『ロックの逆襲-スーパースターの条件/21世紀型行進曲』でユニバーサルミュージックからメジャーデビューを果たします。3ヶ月間の単身ロサンゼルス留学、X JAPANのYOSHIKIが立ち上げた新ユニット“S.K.I.N.”に参加、結婚など様々な人生の転機が訪れる中、2010年にEMIミュージック・ジャパンに移籍。アーティスト表記を“雅-MIYAVI-”に変え、移籍第1弾アルバム『WHAT’S MY NAME?』をリリースします。
2011年には、亀田誠治をプロデューサーに迎えジャンルを超えたアーティストとのセッションプロジェクト【SAMURAI SESSIONS】を始動。ライブでのコラボレーションに留まらず、『SAMURAI SESSIONS vol.1』という作品として世の中へとアプローチをしていきました。
2013年からは世界へと活動の幅を広げていき、アーティスト表記も“MIYAVI”というシンプルなものに統一します。2014年には、MIYAVIに改名した後としては初であり、通算4度目となるワールドツアーを遂行、マイケル・ジャクソンやビヨンセ、宇多田ヒカルなど世界のトップスターのプロデューサーが手掛けたシングル「Real?」を発表。
以後、ロサンゼルスと日本を行き来しながら世界を飛び回るワールドワイドなエンターティナーへと大躍進を遂げています。
〈MIYAVIのもう1つの顔〉
私生活では2人の娘を持つMIYAVIが音楽活動の傍ら、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の日本人初の親善大使として、世界の難民問題について真撃に受け止め自ら活動をしています。
少し国際情勢に目を向けた話となりますが、MIYAVIがそういった活動に興味を持ったのは、全編英語で挑んだハリウッド映画のスクリーンデビュー作品【不屈の男 アンブロークン】で監督を務めたハリウッド女優アンジェリーナ・ジョリーとの出会いがもたらしたものでした。兼ねてからUNHCRの特使であったアンジーと話をしたことで難民キャンプを深く知り、MIYAVI自身も難民キャンプに足を運んでいます。
初めて訪問したレバノンの難民キャンプでギターを使って演奏を披露したり、サッカーを楽しんだりする中で出会った子供達との交流がMIYAVIの心を大きく突き動かし、2017年に親善大使に就任しました。
難民支援という活動に対して疎い日本人が出来ること、考えられることとは何か。MIYAVIの大使としての活動も目が離せません。
MIYAVIとの熱いバトルが凄い!SAMURAI SESSIONS
話を音楽活動に戻しますね。前作に増して最新作もヤバイ!と言われている昨年リリースされた対戦型豪華セッションアルバム『SAMURAI SESSIONS vol.2』はもう聴かれていますでしょうか?今をときめくダンス界のカリスマ三浦大知を筆頭に、様々なジャンルのアーティストとの熱いセッションバトルは必聴です。勝負というコンセプトなので、参加アーティスト名の前にvsが付けられています。全てを紹介したいところですが、今回は厳選してご紹介いたします。
〈vs 三浦大知〉 「Dancing With My Fingers」
アコースティックギターからエレキギターに持ち替え、MIYAVIはギターで三浦大知はダンスでタイマンを張るこの曲はアルバムの一曲目を飾っています。ど頭からパフォーマンスの熱量が凄まじい。挑発し合い互いを強調し合う姿が最高にスタイリッシュです。
〈vs SKY-HI〉「Gemstone」
SKY-HIのラップをMIYAVIがスラップで追い詰めて行く熱いぶつかり合いがあれば、寄り添って共鳴し合う。互いのクールなビートがひしめき合うところに鳥肌が止まりません。
〈vs Masato(coldrain)〉「Bumps In The Night」
若者から絶大な人気を誇るバンドcoldrainのフロントマンMasatoを迎えたこの曲は、MIYAVIがcoldrainに寄り添っているように感じます。普段は攻撃的なラウドロックを歌うMasatoが、1つ1つの言葉を丁寧に歌っているなという印象。
〈vs KenKen〉「Flashback」
ベースのスラップを真似して独自の演奏スタイルが生まれたというMIYAVIと超絶テクが光るベーシストKenKenによる待望過ぎるセッションが実現!最強コラボを堪能してみては?
〈vs ちゃんみな〉「No Thanks Ya」
女性ラッパーちゃんみなとのセッションはまさに現代のヒップホップ。メロディアスでエモーショナルだなと思います。
ロックアーティスト、UNHCR親善大使、俳優という様々なフィールドで大躍進を続けるMIYAVI。ツーブロックでゆったりとしたファッションを身につける少しヤンチャな風貌ですが、音楽の可能性と世界の平和を願うピースフルでかっこいい男性です。見た目も中身においてもイケメンという言葉がぴったりですよね。
海外では多くの著名人が本業の傍らでボランティア活動を積極的に行っていますが、日本ではまだ少数派な気がします。音楽面でのMIYAVIしか知らなかったので、こういった活動を行なっていることに驚きました。音楽という世界共通言語を持ち寄り、極限状態での生活を強いられる子供達の夢にMIYAVIがなっていけたらこんなに素敵なことはありません。サムライギタリストがギターヒーローとなるその日を筆者は待ち望んでいます。
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