三浦大知初のベストアルバムがリリース! ダンスだけでなく歌にも注目してほしい理由とは?
先月、全国ツアー最終公演「DAICHI MIURA BEST HIT TOUR in 日本武道館」の2daysを大成功させた三浦大知が、初のベストアルバム「BEST」を3月7日にリリースします。
日本が世界に誇るダンスボーカリストとして名高い三浦大知は、メディアで「ダンスがすごい」と取り上げられることが多いですが、実は「歌もすごい」アーティストです。
これまでにも、ミーティアでは三浦大知のダンス面のすごさを紹介してきましたが、今回は三浦大知の歌と歌唱力に注目。ベストアルバムに収録された全26曲の中から、いくつかの楽曲レビューとともに三浦大知の歌の魅力について触れていきます。
ベストアルバムを元に、三浦大知がどのようなアーティストなのか紹介した記事もありますので、もっと詳しく知りたい方は上記記事をご覧ください。
三浦大知の歌声の変化を楽曲で振り返る
三浦大知の歌声が世に響いたのは、Folderのヴォーカルとして活躍していた時期です。2018年1月に放送された「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」では、地元沖縄の番組でSMAPの「SHAKE」を披露する三浦大知が紹介されたのですが、9歳でデビューするより以前の三浦大知がとても子どもとは思えないアレンジを効かせた歌唱力と、黒人のようなアフタービートの取り方で天才の片鱗を見せつけていました。
デビュー曲 「Keep It Goin’ On」
その後、変声期を迎えたため中学生になると同時に音楽活動を休止。復帰後は「Keep It Goin’ On」で再デビュー。
当時17歳という若さでしたが、期待通りの歌のうまさをみせて復活。現在と比べれば、この頃は歌声に太さがあってストレートに力強く歌っているのが特徴です。
英語の発音も良く、歌のグルーヴが黒人に近いものを感じさせます。
9thシングル 「The Answer」
三浦大知は、この楽曲をリリースするタイミングで新たなボイストレーニングを行いました。「これまで、自分が歌う時に形成し培ってきたモノがあるんですけど、それを一回全部壊して全く違う所に自分の本来の声があったっていうイメージですね」と本人が言っていたように、自身の歌に大きなメスを入れます。
結果、確かに現在に近い歌唱スタイルになりました。耳に残る歌声の強さはそのままに、いい意味で力が抜けている。可動域が広がったように聴こえる感じでしょうか。三浦大知のベースが再構築された時期です。
楽曲もコーラスやフェイクとの重なりが必聴。ライブでピアノの弾き語りをしたこともありますが、その姿はすごくセクシーというか表現が体中から溢れ出ていました。まさに歌うために生まれてきたアーティストと言っていいでしょう。
22ndシングル 「U」
シングルCDとしては最新曲となる「U」。これが現在の三浦大知です。
「The Answer」の頃とベースは同じですが、経験からくる歌の表現幅を感じます。
筆者が三浦大知にインタビューをした際に、”ライブの度に自分の体と対話している”という話を聞いたのですが、常にライブが終わった後に、どうすればより良く歌えるのか、ブレスのタイミングやダンスとの兼ね合いなどを自己分析して、次のパフォーマンスに生かしているとのことでした。
こういった細かい努力の積み重ねも相まって、三浦大知の歌は常に進化しているのです。
バラード曲からみる 三浦大知の歌の魅力
どんな曲でも歌だけを切り取れば三浦大知の歌のうまさは一目瞭然なのですが、より分かりやすいのはバラード系の楽曲を聴くことではないでしょうか。いくつか楽曲をチョイスして紹介します。
10thシングル 「Lullaby」
「Lullaby」は、すべてを包み込んでくれるような優しい歌声が聴きどころのバラードです。英語の歌詞が出てきますが発音がいいので、その滑らかさが優しさを10割り増しにしています。
気分が落ちている時に聞くと勇気をもらえて、背中を押してくれる楽曲なので、明日に希望を持って安心して今日を終われる楽曲です。寝る前に聴くのもオススメですね。
こんなに耳に残る声質なのに、子守唄のような優しさを生み出せるのも三浦大知の歌の魅力ですね。
12th 「Two Hearts」(ライブバーション)
「Two Hearts」はシングルの表題曲としては5thシングル「Flag」以来の三浦大知単独による作詞です。フェイクから始まるキレイな旋律が心地よいのですが、実はものすごく歌うのが難しい楽曲としてその名があがります。
サビのファルセットを含めた高低音の行き来が細かい上に、リズムの変化もあるので、音程とピッチを合わせるだけでも大変。その上、三浦大知は高音を出しても歌声が細くならないので、聴いている分には難しさを感じさせませんが、実際に歌うと再現するのが非常に難しい楽曲です。
ライブではアカペラで歌うこともあるのですが、マイクを離して歌っても会場に響く声量は圧巻の一言。
筆者は初めてライブでこの曲を聴いたときに鳥肌が立ちました。声の伸びやファルセットなど五感を超えて、第六感にまで訴えかけてくるような熱唱に三浦大知の歌唱力の高さを感じます。
16th 「ふれあうだけで 〜Always with you〜」(アカペラバージョン)
「ふれあうだけで 〜Always with you〜」は、クリアーで澄み切ったヴォーカルと壮大なスケール感を奏でるヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのストリングス隊の生演奏の重なるバラードです。
優しくも強い歌声で体の中にすっと入ってくる楽曲なので、ライブで歌唱するときはファンがうっとりしています。
歌詞をよく見てみると女性目線の世界観のように感じますが、男性がこの世界観で歌うと相手を守りたいという思いへの誠実さが伝わります。こういった女性寄りの歌詞でも新たな歌の世界観を作れるのが魅力です。
先日放送されたNHK”SONGS”でこの曲を披露し、SNSで大反響を生みましたが、実は、2014年にNIVEA(ニベア)ブランドのCMソングとして起用された時から話題になっていました。
三浦大知さんは半端ないほど歌が上手かった!!テレビとかで見て上手いなーって思ってたけど、生で聴いてアカペラで歌ってた時にまじ歌声に感動した!
三浦大知さん好きだわー!— ななみん☆@YOG (@1c3ffa0597754a6) 2015年8月6日
ブレイクした今、この楽曲は再注目されてもおかしくない名曲ですし、結婚式で歌うのもいいと思います。
16th 「IT’S THE RIGHT TIME」
「ふれあうだけで 〜Always with you〜」と両A面で発表された「IT’S THE RIGHT TIME」は、三浦大知が歌詞を書き下ろした楽曲です。
ジャズシンガーのような歌い方は、もはや海外アーティストと変わらないバイブスを感じますし、三浦大知が日本人離れした歌唱力と言われる理由がもっとも分かりやすい楽曲だと思います。語尾の抜きが妙に色気があるのも特徴です。
この曲にはある逸話がありまして、日本テレビ系アニメ『寄生獣 セイの格率』のエンディングテーマに起用されたのですが、アニメが海外で放送されるやいなや、楽曲も注目され様々な言語でカバーされました。
当時、海外ではミュージックビデオが出回っていなかったらしく、三浦大知がダンスボーカリストだという認識はなかったのだとか。アニメのエンディングテーマを歌っている三浦大知というアーティストの歌と楽曲が素晴らしい! だからカバーしたいという流れがおきたようです。このことからも、三浦大知は歌唱力のみでも世界に影響を与えられるアーティストだと言えます。
次ページ:まだまだある。三浦大知歌の魅力
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