青春時代を呼び起こす、呆れる程に前向きなロック
忘れらんねえよ(バンド表記は、ねぇ ではなく“ねえ”)の楽曲は、私たちの身近なところで流れていた事にお気づきでしょうか。9月に発売された、約2年ぶりとなるフルアルバム『僕にできることはないかな』収録曲「いいひとどまり」は医療系CM【アンファー】。アルバイト求人系のCM【マイナビバイト】では、長年に渡りテーマソングを歌っており、気になった方も多いのでは?
学生バンドのような小っ恥ずかしく前向きな言葉が炸裂する泥臭さが男性を中心に支持されている忘れらんねえよ。脱サラからバンドを結成し、30歳でメジャーデビューを果たす一方で、副業と言ってもおかしくないくらいのドミノの腕前で日本記録も保持している柴田隆浩が贈るオトナの青春パンクロックを是非とも堪能して欲しい。
きっかけはチャットモンチー⁉︎脱サラして音楽の道へ。
現在、忘れらんねえよは、柴田隆浩(ボーカル&ギター)と梅津拓也(ベース)の2人で活動しています。2008年結成当時からドラムを担当していたバンドメンバー酒田耕慈が、2015年に方向性の違いと家庭の事情により脱退。それからはサポートドラマーを迎えてライブを行っており、時にはこんな斬新すぎるコラボも。ドラムを得意とする青森県黒石市のゆるキャラ“にゃんごすたー”との異色共演が実現し、2017年の話題の一つとなりました。
バンド結成のきっかけとなったのは、なんとチャットモンチー!当時サラリーマン6年目であった柴田隆浩が、就職を機に辞めたバンドへの思いが断ち切れない中、チャットモンチーの「ハナノユメ」の動画を観て、“もう一度バンドをやろう”という衝動に駆られて脱サラを決意。その背景には自分が抜けた後も、実はバンドが解散せずに続いていたという衝撃事実も引き金となったようです。その後、かつては別のバンドでベースを弾いていた梅津拓也に連絡した後、知人に紹介してもらうかたちで酒田が加入し、バンド活動がスタート。
新人コンテストで入賞!そしてメジャーデビュー。仕事や恋愛、悩める男達の心を掴みまくる!
バンド結成から2年後に出場した、ロッキング・オン主催の新人コンテスト『RO69JACK09/10』で入賞し、翌年2011年に電撃VAPからメジャーデビューを果たすという、エスカレーター式のような順調な滑り出しとなりました。
忘れらんねえよが男性に支持されている理由の一つに、女性の事が大好きでちょっとエッチな中二病感を漂わせる歌詞があります。メジャーデビュー曲のタイトルも「CからはじまるABC」といういかにも男性ウケが良さそうなイメージ。耳を疑うような言葉が溢れる中でもメロディが美しく、エッチな表現に抵抗がある女性が聞いてもそこまで違和感なく聞けます!思わず、男子って本当にバカだなあって笑ってしまいます。
ベストアルバム『忘れらんねえよのこれまでと、これから。』が、バンドの一つの区切りに。
2016年、2人となって新しい道へと歩みだした忘れらんねえよがリリースしたベストアルバム『忘れらんねえよのこれまでと、これから。』。文字通り、これまでのバンドの軌跡を辿り、これからのバンドを定義したアルバムとなっており、初めて忘れらんねえよを聴く人にもオススメしたい入門書。ライブのセトリにも頻繁に登場する定番曲ばかりが収められています。忘れらんねえよの曲には、「”君“という存在に対して、背中を全力で押している冴えない”僕“」の姿が目に浮かんでくる。絶対に実らない恋であったり、一緒にもがき苦しむ仲間への思いだったり、誰もが自分の事を代わりに歌ってくれているような気持ちになります。それを感じてたのは、人気実力派俳優、菅田将暉もその一人で、
なんでこんなに
僕の気持ちばっかり歌うんですか!!
ストーカーしてますよね?
(「別冊カドカワ 総力特集 菅田将暉」より)
(忘れらんねえよ公式サイトより抜粋)
と応援コメントを寄せている。
余談となるが、ここで忘れらんねえよの関連写真で頻繁に出てくる柴犬の件について触れておきたい。何故犬?なのかと言うと、柴田が無類の犬好きということが関係していたのです。過去の宣材写真やCDジャケットだけで無く、2016年以降のライブグッズにも柴犬や犬をモチーフにしたものが数多く作られています。
”総てのモテたい男子達“だけで無く”総ての負け犬達“にエールを贈るバンドへ。
今、忘れらんねえよが目指すバンドのモットーが変わり始めている。その代名詞となるフルアルバムが、9月にリリースされた『僕にできることはないかな』です。持ち味の熱量はそのままに、忘れらんねえよの音楽は少しずつ大人への一歩を歩み、より多くの人に音楽を届けようという気持ちの変化が見られてきた。ライブでは、仕切りに”サンキューセックス!“という掛け合いをしたり、観客の上をウィンドサーフしてビールを買いに行き、ステージ上で缶ビールをイッキしたりと破天荒な事もやり続けているが、曲作りの面での変化には、当の本人も驚いているようです。恋愛なんてよく知らなかった中学生が少し大人になったみたく、煌びやかな印象を受ける「花火」から、初心に戻ったような爆音のパンクロック「 明日とかどうでもいい」まで、何かに凹んだりぶつかったりしながらも前向きに頑張るあなたに響く音楽が、たくさん詰まっています。是非お気に入りの一曲をみつけてみては?
■忘れらんねえよ公式サイト
http://www.office-augusta.com/wasureranneyo/
■忘れらんねえよ公式Twitter
https://twitter.com/wasureranneyo
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