Warpaint、変幻自在・流動体的フォーメーション
yahyelのパフォーマンスが圧倒的だった手前、少なからずプレッシャーはあったと思いますが、そこは10年以上のキャリアを誇るWarpaint。やはり彼女たちも高次元のクオリティを見せておりました。サッカーで例えるなら(分からない人ごめんなさい)、彼女たちのライブにはバルサのパスサッカーの趣があります。セッションを通じて、流動的にポジションを変えてゆく。前に出て行くのがエミリーやテレサ(共にヴォーカル / ギター)だけではなく、曲によってはジェニー(ヴォーカル / ベース)もその個性を発揮します。
『CC』や『Elephants』などは、彼女の攻撃的なベースラインが際立っていました。で、そのセッションの中心にいるのがドラムのステラです。彼女こそが、全盛期のバルサで言うシャビ(分からない人ホントごめんなさい)。強弱自在のストローク、バンドのテンポを意のままに操る抜群のリズム感、それでいてシンプルさも損なわない職人ぶり。完璧なゲームメイカーですね。カート・ヴァイルやトム・ジョーンズから寵愛を受けるのも納得です。
気になったのは会場から上がった歓声。「ジェニー!」や「テレサー!」という声があちこちから聞こえましたが、それらはいずれも男女混声でした。本来であれば、どちらかの性別に偏ると思うのです。筆者の僅かなライブ体験で言うと、FKA twigsのライブであればやや女性に、CHVRCHESならやや男性に寄っていました。ところが、Warpaintのライブで上がった歓声の色はそれらとは異なっていたように感じます。性別に関係なく、彼女たちの音楽が愛されている証左でしょうか。確かにバンドとしてのカラーも両性的かもしれませんね。男勝りなグルーヴを醸し出したかと思えば、次の曲では艶やかで線の細いサウンドを奏でたり。アンコールの『Disco//Very』に至るまで、彼女たちの男前かつセクシーな魅力は少しも損なわれることはありませんでした。次回の来日公演が今から待ち遠しいです。
Photography_REIJI YAMASAKI
Text_YUKI KAWASAKI
Edit_ADO ISHINO(E inc.)
■yahyel『Flesh and Blood』
商品詳細はこちら:
http://www.beatink.com/Labels/Beat-Records/yahyel/BRC-530/
■Warpaint『ヘッズ・アップ』
ITunes Store: http://apple.co/2kVgLhr
Apple Music: https://itun.es/jp/qxWTdb
SHARE
Written by