台北は大きすぎない範囲にライブハウスや
グルメなちっちゃいお店があるのが魅力
――寺尾さんにもうちょっと広い範囲で台北の魅力をお聞きしたいんですが、今ミュージシャンがやってるお店とかもあるじゃないですか?その範囲が広すぎないのも魅力なんでしょうか。
寺尾 : そんなに広すぎない範囲に、大きなライブ会場とか小さなライブハウスとか、あとはアーティストがやってるお店とか美味しいグルメのちっちゃいお店とかがほんとにいっぱい点在してるような感じで。そこをめぐって旅行するのは醍醐味じゃないかなと。ほんとにいろんなところにすぐ行けますし。
――台北の街って日本でいうならどこに近いですか?
寺尾 : 福岡とかは街の魅力としては近いけど、人の性質は違うと思います。
ファンキュー : 福岡は屋台があるけど、台北はどこでも夜市があるから、そう言った意味でも似てるかもね。
――ところで今回は日本に初上陸した「誠品生活」のキャンペーンで来日されてるそうですが、台湾の人にとって「誠品生活」ってどんなところですか?
シャオユー : 「誠品生活」は本屋さんって言われるんですけど、他との違いは「体験ができる」こと。例えばガラス工房とか革製品とか銀製品作りができたりするんです。だから本を読んだり、物づくりの体験をしたり、一休みしたりして、まるっと一日誠品生活にいられる場所と空間なのかなと思います。
――面白い!
シャオユー : 今、台湾の高校生はレコードを聴いてるんです。それはブームってわけじゃなくて、4〜5年前に誠品生活がそういうコーナーを作っていた。それを一定数の若い子がキャッチしたんです。若い子たちはわざわざレコードを聴こう!とチョイスするんじゃなくて、誠品生活含めた外部から入ってくる情報の中にレコードが選択肢の一つとしてあったということを認識したということ。それも若いミュージックシーンの一つというか。
寺尾 : 誠品生活が台湾カルチャーをリードしてた時代はありましたね。誠品生活のバイヤーが個人的にプッシュするものが台湾で聴かれてたりとか、日本のインディーズとかもバイヤーが直で仕入れて誠品生活から発信することで台湾で知られるようになったりとか。
――皆さんもレコードは買いますか?
アークェ : どこかに行くと必ずその街のレコード屋さんでレコードを買うんです。今回、みんなより3日ほど早く東京に来たんですけど、この3日間で10軒ぐらいはレコード屋に行きましたね。
――絶対チェックするレコード屋は?
アークェ : 新宿タワーレコードのヴァイナル・コーナー。品数がすごいです。
――アナログは出さないんですか?
シャオユー : そういう機材や設備があればやりたいです。アナログレコーディングからしっかりやってみたい。
寺尾 : よさそうですよね。宇宙人の音楽はアナログマニアにも受けると思う。ぜひアナログをリリースしていただきましょう(笑)。7インチのレコードをDJがかけて、そのパーティにきた人が「これ誰の曲?」って感じになって広まっていくことは結構あるんです。ディスコっぽい箱でも、それが小さなメディアの空間で、7インチを作ることで広まるシーンがひとつ確立されていたりするので。宇宙人の音楽はすごく相性がいいと思いますよ。
<補足コラムその二>
寺尾ブッタさんは日本のバンドが台湾や中国でライブをし始めた黎明期から、ブッキングをして来た知る人はよーく知る有名人。青山にあるライブハウス「青山 月見ル君想フ」の台北店「台北月見君想」を開店。日中台間のライブ企画やサポートのほか、音楽レーベル「BIG ROMANTIC RECORDS」を運営。Sunset Rollercoaster(落日飛車)ら、新しいバンドをフックアップして日本に紹介しているのです。
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