「正義は勝つ!」 積み重ねてきた過程で出会ったスペシャルゲストとコラボライブ
「初めて2daysやらせていただきました」と、日本武道館での2days公演を実現できたことに感謝を述べ「こんな素敵な日に、この方を呼ばないわけにはいかないでしょう。紹介させてください!KREVAー!」と叫ぶ三浦大知。その声に応えるようにKREVAがサプライズで登場。
割れんばかりの歓声が会場を支配するなか、KREVAとともに再度『Your Love』を披露。ヴォーカルとラップのコントラストが素晴らしく、こんなバーがあったら大枚をはたいてでも行きたいと思わせる上質な音楽を奏でた。
KREVAとのコラボだけでも胸熱なのだが、ここからは怒涛のサプライズコラボラッシュが続く。
トラックメーカーでありラッパーの千晴がステージに現れると、先月リリースしたばかりのアルバム『始まり』のなかで三浦大知がフィーチャリングで参加している楽曲『NAMIDA』を披露。
千晴のHIPHOPのフロウと三浦大知のハモり、ラップ特有の歌詞の強さに熱いヴォーカルが乗っかり、「音楽って無限大なんだ」と思わせるハーモニーをみせる。
そして、三浦大知にKREVAと千晴を繋げてくれたこの方とも一緒にやりたいということで、RHYMESTERの宇多丸とともに『No Limit』を披露。客席はジャンプで盛り上がる。
ライブと同じくらい心に残ったのは、宇多丸のMCだ。ライブをみながら泣いていたという宇多丸は「日本の音楽を救う天才が帰ってきた。そして認められた。そんなの当たり前じゃん。正義は勝つ」と、三浦大知の20年間を賞賛する言葉を送った。この「正義は勝つ」というのは、対極に悪がいるという意味でなく、”いいものは最後には認められる”という意味合いが強かったように思う。これは三浦大知をみていても思うことだが、才能を認められずに苦しんでいる多くの人を救う言葉だったんじゃないだろうか。
そんな熱いエールをもらった三浦大知は、4人で同じステージに立ちたいと、KREVA、千晴、宇多丸の4人で『全速力』を披露。これこそが、三浦大知が20年という歴史を積み重ねてきたからこそ生まれたコラボレーション。1番を千晴、2番を宇多丸、そこにKREVAと三浦大知のフロウが加わり最高に贅沢なパフォーマンスで会場を盛り上げる。さらに、観客に一緒に歌うように煽ると日本武道館にシンガロングが生まれ、この日何度目かの一体感を生み出した。
目の前で起こるサプライズの連続で涙を流すファンが多数いるなか、「今は男4人でこのステージを熱く盛り上げましたけど、次は女性アーティストの方を呼んで、スペシャルな歌を歌いたいと思います!」と、コラボがまだまだ続くことを告げる。
ステージに絢香が登場し、2月14日にリリースした絢香と三浦大知のコラボシングル『ハートアップ』を披露した。
ここまでソウルフルで声量が落ちない三浦大知のヴォーカルに耳が慣れ始めていたが、改めて絢香のボーカルが響き渡ると、日本のトップクラスにいるシンガーの歌声だと再認識させられる。男女のヴォーカルだとどちらかが声量を落として合わせることもあるが、二人はそんなことをせず対等に歌い続けていた。二人のハーモニー、響き渡るヴォーカル、漏れてくるブレスさえも美しい。天才シンガーたちの歌声に観客は目に涙を浮かべながら熱い眼差しをステージに送っていた。
日本武道館が揺れた! 圧巻のダンスナンバーでラストスパート
ライブも終盤戦。ここから、再度ダンスナンバーで会場を盛り上げる。
バンドメンバーの熱いサウンドに迎えられた三浦大知は、ステージ上段から赤い衣装に着替えて登場。前方にダンサーを揃え『Darkest Before Dawn』を披露。
どこにそんな体力が残っているのかと思わせるくらいキレのある踊りと力強いヴォーカルを両立させ、観客と一緒にシンガロングするときはしっかりと会場全体を目線で捉える。ラストはダンサーと一緒にシンクロ率の高いダンスをみせつけた。
まだまだ、加速したエンジンは止まらない!
「後半戦まだまだついてこれますかー!」と観客に投げかけ、返事の歓声を受け取ると『Right Now』を披露。
この楽曲は練習風景の動画をネット上で公開したら大反響を生んだというエピソードを持っている楽曲だけあって、この日も激しいダンスパフォーマンスを繰り広げた。ここで注目したいのは、舞台前方に設置された傾斜のステージエリアだ。
斜めになっていることで、段差を使わなくても立体的にダンスの構成をみせることができ、かつダンス中の移動もみられるので、三浦大知のダンスパフォーマンスの激しさをよりリアルに視覚で捉えることができる。こうしたダンスの迫力が伝わる演出を取り入れるのも三浦大知らしさだ。
三浦大知のダンスナンバーで欠かせない『Unlock』がかかると、ここで思いがけない事件が!
ステージ中央にスポットライトが当たると、同曲のコレオビデオ(ダンスに特化したMV)で共演した世界的なダンサーである菅原小春が現れる。その圧倒的な存在感とまさかのコラボレーションに、会場は大歓声に包まれた。
「身体で感情を自由に表現できる」菅原小春のダンスと「なぜその体勢で歌える」と思ってしまう三浦大知が、他の追随を許さないハイレベルなダンスで楽曲の世界観を作っていく二人。まるでダンスで会話をしているかのようだ。
楽曲が終わりへと近づくにつれて、「まだ、終わらないで! もっとみていたい」という観客の心の声が聞こえてくるかのような空気感が漂う。その証拠にパフォーマンスが終わるとスタンディングオベーションが起こり、しばらくどよめきが止まらなかった。
興奮冷めやらぬなか、『I’m On Fire』へ。ダンサーが登場し、ダンサーソロや難度の高い振付でこれぞDMダンサーズというパフォーマンスを見せつける。
一方、三浦大知は中央に立てられたセンターステージでソロダンスを披露。正直この楽曲とステージで踊れるダンサーは幸せものだと思う。こんなにかっこいいステージは他にないからだ。ラストは三浦大知の「アーーー!」に合わせて拳を上に掲げると、そのまま『EXCITE』へ。
この繋がりはファンも一緒にやるのだが、拳をあげて楽曲が切り替わる瞬間に持っているタオルを振り回すという流れを完璧にこなしてしまうファンの対応力にも感動した。三浦大知と一緒にライブを積み重ね、ステージを作り上げてきたのはファンも同じということだろうか。
昨年のツアーでは仮面ライダーエグゼイドと共演していたが、今年は2012年に日本武道館で共演したBLUE TOKYOと共演。彼らの新体操とストリートダンスを掛け合わせた技とDMダンサーたちとのコラボ、全精力をぶつける三浦大知のダンスヴォーカルが合わさり圧巻のパフォーマンスを見せつけた。
ライブのラストは、ハッピーな気分になれる『music』で観客を巻き込み一緒に盛り上がる。
バンドメンバーとダンサーも笑顔でハンズアップしてステージ全体でハッピーを共有。観客もクラップで一緒にハッピーを共有していった。
この楽曲は音楽って素晴らしいし、ついつい体が動くし、笑顔になるし、最高でしょっというピースな雰囲気が漂うライブの鉄板曲。三浦大知が途中で歌をとめて、日本武道館の空気を体で感じている姿が印象的だった。
きっとこの光景は、今後も積み重ねられていく三浦大知の歴史において、大切な一部として語り継がれていくことだろう。
こうしてライブの本編は幕を閉じた。
Folder(フォルダー)時代からの盟友 満島ひかりが登場! 三浦大知は今後も積み重ねて行く
会場の「大知」コールに応える形で、ステージ上に再登場した三浦大知。
アンコールに感謝したあと、「楽しんでいただけましたでしょうか?すごいメンバーですよね。自分で言うのもなんですけど、こんなメンバーを呼べるのは三浦大知だけだと思います!」と、笑顔で今日という日を噛みしめる。
ツアーのために製作したオリジナルTシャツを身につけ、Tシャツのデザインが自身の積み重ねてきた活動になぞらえて地層になっていると説明しながら「積み重ねてきたなかで、こんな素敵な人たちに出会えた。これからも積み重ねていきたい。そのためには皆さんの力が必要です」とファンへの感謝も伝えた。
そんな暖かい空気のなか、「大知!大知何してるのー?」と呼ぶ声が。
聞き覚えのあるその声にどよめきが起こる会場。そう、登場したのは同じく20年間を活動を積み重ね、今やスター女優にまで上りつめた満島ひかりだ。
三浦大知が「ラストのスペシャルゲスト”ひかり”です」とFolder時代の名前で紹介する場面は、今思い出しても鼻の奥がツンとなる。満島ひかりが「大知が7歳からのファン代表、満島ひかりと申します!」と自己紹介をすると、会場から暖かい歓声で迎えられた。
Folder時代からの盟友とのMCでは、懐かしの「ジャカジャカジャンケンポン」をアカペラで歌うというレアな出来事も。せっかくなので一緒に歌おうという三浦大知の呼びかけで、Foleder時代の思い出の曲である『NOW AND FOREVER』を2人で歌唱した。
まだ小さかった2人が、20年の時を経て日本武道館で一緒に歌う日がくるなんて誰が予想していたことだろうか。歌のうまさとかそういった次元を超えて、2人のストーリーを感じる歌唱は涙を誘う。歌い終わると最後に「ありがとう!」と感謝のハグを交わした。
そして、アンコールも最後の曲を迎える。
3月7日にリリースする初のベストアルバム『BEST』から『DIVE!』を披露。
リズミカルなダンスチューンの楽曲は、ダンスも激しくダンサーたちとのシンクロダンスもあるので、今後ライブの人気曲になりそうなナンバーだ。
全てのパフォーマンスを終えた三浦大知に、会場から大歓声と拍手喝采が送られる。
最後にDMクルーと横並びで手をつなぎ、マイクを使わず地声で「本日は誠にありがとうございました」と感謝の言葉を送り、ライブは幕を閉じた。
この日、「積み重ねていく」という言葉を強調していた三浦大知。今後積み重ねていく先にどんな素敵な音楽人生が待っているのか、これからも一緒に積み重ねながら見届けたいと思うライブだった。
DAICHI MIURA BEST HIT TOUR in 日本武道館
《セットリスト》
1.Cry&Fight
2.Look what you did
3.(RE)PLAY
4.FEVER
5.Can You See Our Flag Wavin’ In The Sky?
6.Who’s The Man
7.Blow You Away!
8.Complex
9.Your Love(ゲスト:KREVA)
10.NAMIDA(ゲスト:千晴)
11.No Limit(ゲスト:宇多丸)
12.全速力(ゲスト:KREVA・千晴・宇多丸)
13.ハートアップ(ゲスト:絢香)
14.Darkest Before Dawn
15.Right Now
16.Unlock(ゲスト:菅原小春)
17.I’m On Fire
18.EXCITE
19.music
En1.NOW AND FOREVER(ゲスト:満島ひかり)
En2.DIVE! (新曲)
【INFOMATION】
《リリース情報》
ニューアルバム『BEST』
2018年3月7日発売
http://avex.jp/daichi/discography/
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