――そんな春畑が作りあげた最新のスポーツ・テーマ曲が、冒頭で述べた2020年1月4日に開催される、新日本プロレスのイベント「WRESTLE KINGDOM 14 in 東京ドーム」のテーマ曲である「Kingdom of the Heavens」だ。
“WRESTLE KINGDOM 14” Official theme song 春畑道哉「Kingdom of the Heavens」
春畑 : オファーいただいたときに、“プロレス=ハード”にやっていいものだと思って、“ヘビー・メタル承ります”って冗談っぽく言ったんですけど、新日本プロレスって、照明とか音響とかほんとうにすごくて、世界的にも注目されてますし、僕もその看板を背負う一人になるわけですから、1月4日&5日をドラマチックに盛り上げることに貢献できるように作りました。
――高らかに響くアンセミックなギターから、ヘビー・メタルの魂が炸裂する序盤から、リードとバッキングとアコースティックのアルペジオという3本のギターとリズムのグラデーションで、ときに大味にときに繊細にドラマを演出していく。
春畑 : ハードなリフはよく使うんですけど、アコギのアルペジオからソロが乗っていくような展開は意外とやってこなかったかもしれないです。ドラムは生で突き進みたいと思ってたんですけど、ちょっと和風なアルペジオができて、これならループとのマッチングのほうが面白いんじゃないかって思いました。僕が全面的に信用しているドラマーのSATOKOも、「ここは私も叩くけどレベルは下げてループを強調したほうがいい」って言ってくれて、そこから次の展開で生ドラムを少し上げて、サビでガンって上がる流れにしたことは、かなり良かったと思います。
楽器を演奏することのパワー―若者へのメッセージ
――春畑道哉はなぜ、自らの手元の腕を磨くことだけでなく、常に新たな外界との接触を求めるチャレンジングな姿勢を貫くのか。その理由を尋ねた。
春畑 : 中学に入った時に「ギターってすげえな」って思った、そのときのテンションからあまり変わってないように思います。どうやったらギターで楽しんでもらえるかを常に考えてるだけなんです。あとは、ジャズならジャズとか、ひとつのことを極められないタイプで。ジャズ・ギターを習いに行ったら「センスねえ」って言われましたし(笑)。そのコンプレックスも少しあって、いろんなことをやってる部分もあるのかも。でも、ここまできたらどんどん視野を広げて、ギターと周りの音をカッコよくして、いかに音楽を楽しく聴いてもうかを、とことん突き詰めようと思います。
――では、春畑のように“ソロを弾く”ギタリストや、バンドそのものの数が減ってきた昨今を、春畑はどうとらえているのだろうか。
春畑 : 僕が中学高校の頃は、同学年にバンドがいくつもあったけど、その頃と比べると割合は減りましたよね。Beingからデビューした時に、プロデューサーが「ギタリストは上手くなきゃだめだ」って口酸っぱく言うもんだから、弾けないものはないレベルを目指して必死に練習してたんですけど、最近になってその人が「いまどきソロなんて弾いてるの、オマエと松本(松本孝弘/B’z)くらいじゃねえの」とか言うんですよ(笑)。今は一人でPCに向かえばそれでじゅうぶんいい曲が作れるし、そこと比べると、楽器を弾くことやバンドを組むことって、効率が悪いししんどいじゃないですか。演奏を合わせなきゃいけないから意見もぶつかるし時間もかかる。でも、人と一緒に演奏することは、想像以上にすごいパワーをもらえるし、自分の世界を広げてくれる。ギターもバンドも可能性は無限にあると思います。たぶん、これから僕らが想像しなかったアイデアも若い人たちからバンバン出てくるだろうし、そういうのも見てみたいですね。最近、同世代のバンドマンや楽器仲間と、若者の楽器離れについてよく話すんです。その理由はテクノロジーもあるけど、憧れのプレイヤーがいなかったこともあると思うんですよね。すなわちそれって、自分たちの力不足。だから、僕も可能性の追求を止めることなく、まだまだ前を見て頑張ります。
――2020年はTUBEがデビュー35周年を迎える。また、新たなディケイドの始まりということで、ソロでもまた新たなアンセムの誕生に期待が高まる。
春畑 : テーマ曲って、言わずもがなそこに関わる人たちにとって、すごく大切なもの。それを僕に任せてもらえることが、嬉しいんです。僕にとってのテーマ曲は、そこから始まります。だから、僕を求めてくれるのなら、一生懸命応えていきたいですね。
【リリース情報】
春畑道哉 配信シングル
「Kingdom of the Heavens」
2019年12月18日(水)リリース!
(作曲&編曲:春畑道哉)
▽ダウンロード/ストリーミングはこちら
https://smar.lnk.to/I_2_2WN
「Kingdomギター選手権」開催!
配信シングル「Kingdom of the Heavens」発売を記念して、ギター・コンテスト 「Kingdomギター選手権」開催!
最終審査は本人の前でパフォーマンス!新曲ダウンロード購入者を対象に、抽選で45名をイベント招待。
詳細は特設ページをご確認ください。
★ギター・コンテスト「Kingdomギター選手権」特設サイト
https://youngguitar.jp/web/202002-kingdom-guitar-title-match
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