年始も賑やかにやっていきたい。
様々なジャンルを越境しながらお届けしております「MEETIA PLAY!」。前回以前のプレイリストはコチラから。
忘年会と新年会では、前者の方が何かと散財しがちであります。カウントダウンパーティーがあちこちで開催され、デリック・メイやニック・ファンシウリ、Kode9らが東京に集結し、多くのクラバーたちが街へ繰り出す…。気も大きくなっているので、まるで花咲じいさんのようにお金をばら撒くのであります。この時ばかりは、ささやかでも経済を動かしている気になりますね。
Nic Fanciulli @ Resistance Ibiza: Week 3
それに比べて年明けは静かなもんです。ビッグネームは相変わらずたくさん来るけれども、年末のような街を上げたお祭りムードはなく、局地的な熱狂がポツポツあるようなイメージ。三が日はウチで過ごした、という方も多いと思います。
というわけで、今回のプレイリストは「年明け」がテーマです(遅)。バレンタインまでは年始テンションでイケるはず!今、そしてこれから輝くエッジーなハウスチューンを集めました。“テックハウス~ハウスを主戦場とするDJのミックス”という想定で聴いていただけると。
(本当はBPMも調整したかった…。曲間のクロスフェードを5秒ぐらいに設定するとイイ感じです)
徐々に上げてゆく序盤
国際派HIPHOPクルー、CIRRRCLE。ポテンシャルの高さは昨年見たアーティストの中でも図抜けております。近い将来、フジロックのホワイトステージあたりで見られる日も来るのでは。そんな彼ら、4つ打ちのトラックも大変素晴らしいんですね。オープニングにピッタリの緩さ、メランコリックな情緒を持っています。そうしてMonkiの「Jarred」、Claude VonStrokeの「Waley (My Bae)」ぐらいでフロアの空気にスイッチを入れたいところ。
(繰り返しますが、BPMも合わせたかった)
“境界線が揺らいでる感”がたまらなくエキサイティング
近年のダンスミュージックシーンを語る上で外せないのが、「境界線の曖昧化」です。ひとくちにEDMと言っても、人によって指し示す音楽が異なってまいりました。ULTRAのメインステージでも、平気でハウスが鳴ったりする。特に「Pardon My French」の面々(DJ Snake、Tchami、Malaa、Mercer)に顕著です。アンダーグラウンドなクラブで鳴る音と、メガフェスティバルのメインステージで鳴る音が一致し始めているんですね。彼らがHot Since 82と並んでいても違和感がないと思います。ご賞味下さい。
戦闘能力高めなハウスチューン
上で書いた「境界線の曖昧化」を象徴するトラックをひとつだけ選べと言われれば、筆者はDJ Snake & Mercerの『Let’s Get Ill』を挙げます。いつの時代もシーンの変化は優れた楽曲と共にあるもので、2018年はそれがDJ Snake周りで起きていたように思います。そしてEDM黎明期の時と現在を比較して明らかに違う点は、日本にもリアルタイムで優れた才能が多数存在することです。たとえば<TREKKIE TRAX>に所属する20歳のトラックメイカーFellsius。彼はハウスだけでなくベースミュージック全般を高いクオリティで作れます。お見知りおきを。
進撃のテックハウス
シカゴのレジェンドGreen Velvetがですね、またメチャクチャかっこいいわけです。“彼が関わるトラックは大体アンセム化する”ってぐらいヒットメイカー。主宰レーベル<Relief Records>もヤバい。近年のテックハウス勃興の中心人物と言って良いと思います。昨年はUKの新鋭、Mella Deeの活躍も目立ちましたね。Eats Everythingも安定してカッコイイ。テックハウス、アツい。
いまハウスを語るのならFisherの『Losing It』は絶対に外せないだろうと。Beatportが昨年末に発表した「Best Sellers 2018」で栄えある第1位を獲得。名実ともに「トップ・オブ・2018」でした。所感としても現場(フェスやクラブ)でかなり聴いたような気がします。“ハウスがアツい”と言われ始めたのも、この曲がきっかけではないでしょうか。
記事の冒頭で「このプレイリストはミックスである」とのたまったわけですから、ちゃんと流れを作らねばなりません。まぁそれをわざわざ文章にするのもアレなんですが、未熟者ゆえ、皆さんに伝わっているか不安なので説明させて下さい。“tofubeatsで終わるのかと思いきや、最後に裏ボスがいた!”。そんなエンディングを演出したつもりであります、はい。最後の曲、流れで聴くと泣いちゃうヤツなのでよろしくお願いします。
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