ディレクターとつくる“ラブリーサマーちゃん”
『LSC』のアルバムリード曲、『あなたは煙草 私はシャボン』はラブサマちゃんのメジャーデビューにとってキーとなる曲です。というのも、ディレクターがこの曲を聴いて契約を決めたというお気に入りの一曲だそう。ディレクターは「この曲でメジャーデビューしたいから取っておこう」と言ったというエピソードがあります。
出典:YouTube
もともとメジャー志向ではなかったラブサマちゃん。むしろメジャーデビューには懐疑的な気持ちもありました。メジャーデビューして好きな曲が作れなくなるなら一人でネットにアップした方がいい……そう思っていたけれど、このディレクターと出会って「一緒にやっていけるのでは」とメジャーへの気持ちを強くしたそうです。そんなディレクターのことは、『LSC』収録曲の『僕らなら』に描かれており、まさにメジャーデビューに向けたラブサマちゃんの心境を書いた曲に仕上がっています。
祖父は、誰もが知る“アノ人”
ラブサマちゃんのお祖父さんは、なんと有名な作曲家。『見上げてごらん夜の星を』や『手のひらを太陽に』を作ったいずみたくさんです。とはいえラブサマちゃんが生まれた時にはすでに亡くなっていたので、直接影響を受けたわけではありません。本人や家庭のなかに、音楽の空気が流れていたのでしょうか……。
そんなラブサマちゃんの曲には、さまざまなサウンドが内包されています。
たとえば、『ベッドルームの夢』は切なさが漂う詩的な一曲です。
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一方、『私の好きなもの』は、アイドルポップ調の楽曲。辻利の抹茶、鳥の串カツ……など好きな食べ物を並べています。「食べるの大好き(えへっ)!」という嬉しそうな女の子の声が聞こえてきそうです。
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ラブサマちゃんによれば、『私の好きなもの』は『ベッドルームの夢』を真面目に作った反動らしく、1時間ほどで作ったというから、まあ、言われてみれば納得です。こんなふうにまったく違う音楽性の曲がひとりのアーティストから生まれてくることが、ラブリーサマーちゃんの魅力でもあります。
8月にリリースされるE.P.『人間の土地』でも、まったく違う曲調の4曲を収録予定。アッパーチューン、渋谷系サウンド、王道ロックナンバー、そしてRADIOHEADの「High and Dry」と、彩り豊かなE.P.になるそうです。一曲一曲に丁寧に込められた思いが受け取れる一枚に、期待が高まります。
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