80年代を代表するアイドル・小泉今日子。待ちに待ったサブスクが解禁
2020年8月21日、小泉今日子のサブスクが解禁されました。小泉今日子が歩んできた歌手人生を追懐できる全104タイトル合計726曲もの楽曲が主要ストリーミングサービスにて配信され、後世にまで歌い継がれる名曲から最新の楽曲に至るまで誰でも気軽に試聴できるようになりました。そんな小泉今日子のこれまでの軌跡をおすすめの楽曲とともに紹介します。
小泉今日子の活動
1982年に『私の16才』でデビューを果たした小泉今日子。80年にデビューした松田聖子に続く存在として中森明菜や早見優らとともに「花の82年組」のひとりに数えられました。小泉今日子のほかにKYON2(読み方:キョンキョン)名義でも活動。現在歌手業を休止し自身が立ち上げた株式会社明後日で制作やプロデュースを手掛けています。
彼女が日本の歌謡界に残してきた業績は大きく、これまで数々の挑戦を行ってきました。その際たる例が、アイドル自身によるセルフプロデュースでしょう。小泉今日子は70年代のアイドルが実践してこなかったアルバムのコンセプトや自身のイメージにまで小泉今日子色を強めていくことによって、新時代のアイドル像を作り上げていきました。他にも、読売新聞の読書委員として書評をしたり、映像制作プロダクション「新世界合同会社」を設立(小泉含めた5名による)し、映画『ソワレ』をプロデュースするなど、先進的な活動をしています。
アイドル歌手以外も俳優としてドラマや映画にも出演。代表作には『愛しあってるかい!』や『少女に何が起こったか』、『あまちゃん』があり、俳優・小泉今日子のイメージも大きいのではないでしょうか。主題歌や挿入歌として人気の楽曲も多数発表しており、そこから代表曲も生まれています。
時代を彩った小泉今日子のおすすめ曲
小泉今日子は従来のアイドル像を脱却し、様々な作曲家やクリエイターとともに先鋭的な音楽を生み出してきました。小泉今日子本人の意思の尊重とサブカルチャーやハウスミュージックといった要素を楽曲に取り入れたことは小泉今日子のひとつの特徴を表しています。そんな小泉今日子の楽曲を年代ごとに順番に紹介します。
まっ赤な女の子(83)
1983年にリリースされた『まっ赤な女の子』は小泉今日子の5枚目のシングル。82年にデビューしたものの、思ったようにヒット曲を生み出すことができなかった小泉今日子にとってひとつの転換点となった楽曲。他のアイドルと同様に松田聖子のスタイルを踏襲していた小泉でしたが、髪をばっさりと切り、ボーイッシュなショートカットへとイメージを一新。加えて制作陣も康珍化や筒美京平、佐久間正英といった面々を迎え、新境地を見出しました。前4作と異なるのは、サウンド面では歌謡曲を踏襲しつつもテクノポップ色を強めたこと、そして歌詞の面では優等生路線からの脱却です。
渚のはいから人魚(84)
1984年リリースの9枚目シングル『渚のはいから人魚』。小泉今日子にとって初めてのオリコンチャートの週間ランキングで1位を獲得し、1984年の「第35回NHK紅白歌合戦」への初出場のきっかけにもなりました。「キュートなヒップに ズキンドキン」に代表される魅惑的な歌詞は、キュートな小泉今日子の魅力がたっぷりと詰まっています。
なんてったってアイドル(85)
1985年にリリースした17枚目のシングル『なんてったってアイドル』は小泉今日子の代表曲であり名曲。この曲は2006年に「スバル・ステラ」のCMソングに使用されていたため、若い世代も聴き馴染みのある楽曲ではないでしょうか。当時おニャン子クラブで注目を集めていた秋元康による作詞となった同作は、「私はアイドル」とアイドル当人が宣言することによって、小泉今日子にしか成し得ないヒット曲となりました。小泉は「本当に歌うのがイヤでしたから」と語る一方で、「この曲を歌えるのは私だけだろう」と当時を振り返っています。
木枯しに抱かれて(86)
1986年リリースの20枚目シングル『木枯しに抱かれて』。『The Stardust Memory』『ハートブレイカー』を手掛けたTHE ALFEEの高見沢俊彦が作詞・作曲を務め、小泉が主演の映画『ボクの女に手を出すな』の主題歌にもなっています。これまで紹介してきた楽曲とは打って変わって、しっとりと切ない秋の冷たさを感じる楽曲です。この頃になると小泉はセルフプロデュースにも積極的で、様々な音楽的要素を取り込みながら、独自のスタイルを築いていきました。この楽曲もその流れの中のひとつに数えられるでしょう。
Fade Out(89)
1989年リリースの27枚目シングル『Fade Out』。セルフプロデュース色を強めた小泉今日子が挑戦したのが当時最先端だったハウスミュージックでした。人気絶頂のトップアイドルが既存の枠組みから外れ、革新的なサウンドへと挑戦した意欲作です。30年たった今でもある種の新鮮さを持って聴けてしまいます。気になった方はハウスミュージックを突き詰めたアルバム『KOIZUMI IN THE HOUSE』もおすすめです。
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