ダンスに興味を持ち始めた人必見! 押さえておくべき日本のダンスイベントを紹介
近年、ダンスが世間に浸透し、世界で活躍するダンサーが多くなったこともあり、注目を集めているダンスシーン。筆者的には注目という言葉はもう通り過ぎて、ダンスは生活の一部になってきていると実感しています。テレビCMでもダンスや振付をメインにしているものも多いですし、音楽シーンでいえば、アーティストがバックダンサーをフィーチャーすることも増え、ダンサーのアーティスト性も増してきました。日本人が世界大会で優勝したり、キッズダンスシーンが盛り上がっているなど、明るい話題が多いのが今のダンスシーンです
こうやってダンスシーンが盛り上がってくると増加するのが、ダンスイベント。毎月数えきれないほどのダンスイベントが開催されているのですが、どのダンスイベントがすごいとか、こういうダンスイベントが見たいとか、はっきりいってダンスに興味を持ち始めた人にとっては分からないことだらけなのではないでしょうか。
そんな方のために、ダンスシーンやエンタメシーンで記事を書いてきた筆者が、押さえておきたい日本のダンスイベントをジャンルごとに紹介します。
DANCE ALIVE HERO’S
まず最初に紹介するのはDANCE ALIVE HERO’S(通称:アライブ)。ダンスバトルのイベントです。
ダンスバトルはその名の通り、対峙するダンサーがDJの流す音楽に合わせて交互に踊り、どちらのダンスが凄かったかをジャッジ(審査員)が多数決で決めるイベントです。
このアライブは2006年から開催されている1on1形式のダンスバトルで、2008年からはダンスイベントとしてはかなり大規模な会場となる両国国技館で開催。各ジャンル(KIDS、RIZE、HIPHOP、HOUSE、BREAK、ALL STYLE)1年かけて全国予選を行い、勝ち上がったダンサーのみが立つことを許される両国国技館のメインステージで、優勝を目指して戦います。
お世辞なしに日本最大のダンスバトルイベントと言えるでしょう。主催者がアライブで生み出したいのはダンス界のヒーロー。そして、ダンスで勝ち抜いたものへの当然ともいえる報酬と地位です。実際にアライブで優勝すると、その実績を見たダンス関係者から様々なオファーが来ます。下記の動画はまさにヒーロー誕生の瞬間となった「馬 VS IBUKI」の決勝戦です。
出典:YouTube
このイベントは2017年から名前を「DANCE ALIVE HERO’S」に変え、よりダンス界のヒーローをフィーチャーするダンスイベントに進化しました。
ダンスバトルが好きな人は、まずこのアライブを観に行ってほしいです。アライブは毎年4月~5月の間に開催されます。
JAPAN DANCE DELIGHT
続いて紹介するのはJAPAN DANCE DELIGHT(通称:ディライト)。ダンスコンテストのイベントです。
ダンスコンテストはダンスチームやソロダンサーが自分で用意した曲と振付を踊って、その出来をジャッジが点数化して勝敗を決めるイベントです。相手と対峙して、その時かかる音楽に自分のダンスをぶつけるバトルと違い、どれだけ自分たちのダンスを作り上げ、魅せつけるかが勝負のカギになります。
ディライトは1994年から開催されている、日本のダンスイベントでは最も歴史が古いダンスコンテストで、最も権威のあるダンスイベントとして知られています。取材するのも独特の緊張感が走るコンテストで、ダンサー達もディライトにかける想いは特別です。日本だけでなく、ニューヨーク、ドイツ、中国、台湾、韓国、シンガポール等で開催される予選を勝ち抜いたダンスチームだけが出場できる、トップレベルのダンサーが集まるコンテストとして認知されています。
優勝チームや各賞を受賞したダンスチームは、様々なダンスシーンで活躍を約束されるなど、名声を得られる日本最大のダンスコンテストです。
出典:YouTube
こちらの動画は昨年、パシフィコ横浜国立大ホールで開催された「JAPAN DANCE DELIGHT VOL.23 FINAL」で優勝したGLASS HOPPERのファイナル動画。GLASS HOPPERは20年以上ものキャリアを持つチームで、メンバーのTATSUOは世界大会でHOUSEのジャッジを務めるほどの実力者であり、ダンス界の大御所です。そんな彼らが優勝をして涙をするほど、勝ち取りたいコンテスト。それがディライトなのです。
JAPAN DANCE DELIGHT公式サイト:http://www.dancedelight.net/
Legend Tokyo
コンテストでもう一つ紹介したいのがLegend Tokyo(通称:レジェンド)。ディライトと違うのは、レジェンドはダンスチームではなくダンスナンバー(ダンス作品ともいう)のコンテストということです。
ダンスナンバーはコレオグラファー (振付師)が大人数のダンサー(プロ・アマ問わない)に振付を付けて、世界観のあるダンス作品を作ることをいいます。レジェンドはそのダンスナンバーに注目した、コレオグラファーが主役のコンテストです。
レジェンドには「素晴らしいダンス作品とコレオグラファーを後世に伝えていきたい」という思いが込められており、分かりやすく言えばバレエの舞台のような伝承を目指しています。「ロミオとジュリエット」など誰もが知っている作品を、代々ダンサーが受け継いで踊っていく。そのムーブメントをストリートダンスで起こそうとしています。ダンスイベントの歴史としてはそこまで長くはありませんが、ダンスナンバーのコンテストとしては唯一無二の存在です。
出典:YouTube
本選に出場するには過去のレジェンドで実績を残しているか、毎年全国で開催される予選大会で結果を出さなければならず、出場するだけでもハードルの高い大会です。しかし、レジェンドへの出場はその苦労をしただけの恩恵があります。
レジェンドは審査員がダンサーだけではなく、その多くはダンス以外のエンタメ関係者が担当し、それぞれの審査員賞も用意されています。賞を受賞すると審査員の企業と一緒に仕事ができるなど、コレオグラファーの一生が変わるような夢の舞台なのです。
そのようなコンテストですから、ラインナップされるダンスナンバーは日本最高峰。世界に誇ってもいいと宣言できます。それだけ日本のダンスレベルは高いのです。
Legend Tokyo公式サイト:http://legend-tokyo.com/
GKKJ CREWイベント
ここまでは企業が開催しているダンスイベントを紹介してきましたが、次はダンサーが主催しているダンスイベントを見ていきましょう。
筆者がおすすめしたいのはGKKJ CREWというダンスシーンの今を作っている若手・中堅世代が集まったクルーのイベントです。
GKKJ CREWのメンバーには、三浦大知、東方神起を始めとした有名アーティストのバックダンサーなどが多く在籍していて、若手ダンサーからリスペクトを集めるダンサーが勢ぞろいしています。
その為、企業が集められないような最も旬なダンサーたちを集めることが出来るので、ヤバいショーケースだらけです。現在のストリートダンスシーンを体現したイベントを作っています。
出典:YouTube
2016年には「本物のダンスシーンを見せてほしい」というavexからの要望でa-nationとコラボし、GKKJ NATION 2016を開催。その他、GKKJ NIGHT SPECIAL(年一回のビッグイベント)、THE BLOOM OF YOUTH(振付師と、振付師が選んだメンバーでのショーケース)、GKKJ NIGHT(深夜イベント)、EXPRESS(若手登竜門イベント)とそれぞれ目的や趣旨の違うダンスイベントを開催していて、ダンスシーンの熱を絶やさないようにイベントを作り上げています。
現在のストリートダンスシーンを見たいのであればGKKJ CREWがおすすめです!
GKKJ CREW公式サイト:http://gkkj.tokyo/
梅棒舞台公演
最後に紹介するのは、ダンサーが運営するダンス舞台から梅棒舞台公演を紹介します。このジャンルを選択するのは正直かなり悩みました。それは日本のダンサーには梅棒以外にも素晴らしいダンス舞台公演を作るカンパニーやダンサーが多いからです。その中で梅棒を選んだのは、「日本」というキーワードを重視した結果からです。
梅棒はストーリー性のある演劇的な世界観をジャズダンスとJ-POPで創り上げるエンタテインメント集団として活動していて、舞台公演を毎年開催。そのクオリティは年々上がっていて、有名ダンサーだけでなく、芸能人をゲストに呼んで舞台作品を作るなど、業界内でも注目を浴びています。
出典:YouTube
上の動画は第2回公演「ウチの親父が最強」のレポート動画ですが、現在はさらに進化していると言っていいでしょう。昨年開催された第6回公演『GLOVER』を取材した時のエピソードなのですが、筆者は鉄拳のパラパラ漫画記事でも書いたように、感動作品を見ても一切涙を流さないタイプの人間です。そんなドライ人間疑惑のある自分が感動で涙したのが梅棒の舞台でした。
その理由はJ-POPとダンスが生み出すドラマ性と作品とのシナジー感。加えて「日本の音楽とダンスは最高だ!」と思ってしまったからに他なりません。一切セリフ無しという状況、耳に入る情報は唯一J-POPのみという環境で、ここまで心を揺さぶるエンターテイメントは他にないでしょう。
感動すること間違いないので、ぜひ観に行って欲しいダンス舞台です!
梅棒公式サイト:http://www.umebou.com/
ダンスライター目線でおすすめしたいダンスイベントを紹介しました。イベントをたくさん取り上げて乱立させても意味がないので、5選という心苦しい厳選をしましたが、日本には他にもたくさんいいダンスイベントがあります。今回紹介した5つのダンスイベントは、日本で1番・ダンスシーンの今が分かる・感動できるなど、入り口として分かりやすいものを選びました。
ダンスシーンの現状は、まだダンスの未来をダンサーが一丸になって作っている最中です。その作り上げたいというダンスへの愛情やエネルギーは人の心を掴みます。
ダンスに興味を持ってもらえたらイベントや舞台に行って、生のダンスパフォーマンスを見てほしいです。そして、自分の好きなダンスやダンサー、イベントを見つけてください。
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