【L】リリック(歌詞について)
初のソロアルバムにして、1970年代の日本の音楽シーンを代表する名盤と称される「HOSONO HOUSE」(1973年)。当時のアメリカの音楽に影響されたサウンドも素晴らしいですが、このアルバムはやはり“シンガーソングライター・細野晴臣”の原点として聴かれるべきでしょう。たとえば「恋は桃色」の歌詞。星野源さんは高校時代にこの曲の「お前の中に雨が降れば 僕は傘を閉じて 濡れていけるかな」という歌詞を聴いて、“愛とはこういうことだ”と感動したと発言していますが(2019年3月5日放送のニッポン放送「星野源のオールナイトニッポン」)、簡素にして詩的な言葉で愛の本質を描いたこのフレーズからは、細野さんの作詞家としての才能がはっきりと伝わってきます。決して大仰にならず、感情を押し付けることなく、恥じらいや照れの感覚を忘れず、でも、描くべきことははっきりと描く。細野さん自身はしばしば、「歌詞については触れないようにしてるんだよね。恥ずかしいし、はっぴいえんどには大作詞家(松本隆)がいたからね」と語っているが、リメイクアルバム「HOCHOHO HOUSE」をきっかけにして、細野さんの歌詞に改めて注目が集まることなりそうです。
【M】マーティン・デニー(YMOのヒントの一つになったアーティスト)
YMO結成前夜、細野さん、坂本さん、高橋さんが初めて一緒に演奏したという曲が、マーティン・デニーの「FIRECRACKER」でした。最初は完全に生演奏だったそうですが、それが「つまらない」と感じ、コンピューターを使った“グルーヴのないビート”を追求し始めた……というのは有名なエピソードですが、ここで紹介したいのはそこではなく、Martin Denny自身です。
1911年にアメリカ・ニューヨーク州で生まれ、ロサンゼルスで音楽を学んだ彼は“エキゾチカ”と呼ばれる音楽で一世を風靡しました。ヴィブラフォン、ラテン系のパーカッション、アジアやアフリカの民族楽器を取り入れたサウンドは、白人が想像するいわば架空の)南国の楽園のイメージ。“エキゾチックだけど、じつはどこにもない土地の音楽”というコンセプトは、YMOはもちろん、細野さんが提唱した“観光音楽”にもつながっています。“H”の項目で紹介した通り、星野源さんもMartin Dennyのファン。星野さんがヴィブラフォンに興味を持ったのも、もちろん「FIRECRACKER」がきっかけです。
細野晴臣ベスト盤『HOSONO HARUOMI compiled by HOSHINO GEN』『HOSONO HARUOMI compiled by OYAMADA KEIGO』は必ず聴きたい
音楽活動50年、細野晴臣ベスト盤が発売! 選曲を担当したのは星野源と小山田圭吾! 細野さんソロ名義での楽曲に加えYellow Magic Orchestra、ティン・パン・アレー、はっぴいえんど、SKETCH SHOWなど膨大な楽曲の中から、お二人の細野愛による選曲が行われている。
まずは星野源選曲による『HOSONO HARUOMI compiled by HOSHINO GEN』。
8月25日に2枚組CD、9月25日に2枚組アナログ盤がリリースされる。
胸が高鳴る38曲入り! 収録曲を一挙公開!
『HOSONO HARUOMI compiled by HOSHINO GEN』
しんしんしん / はっぴいえんど [ はっぴいえんど ]
ありがとう / 小坂 忠[ありがとう]
風をあつめて / はっぴいえんど [ 風街ろまん ]
暗闇坂むささび変化 / はっぴいえんど [ 風街ろまん ]
あしたてんきになあれ / はっぴいえんど [ 風街ろまん ]
風来坊 / はっぴいえんど [ HARRY SINGING (1969-1978)(HOSONO BOX 1969-2000 Disc1)] 僕は一寸 / 細野晴臣 [HOSONO HOUSE]
パーティー / 細野晴臣 [HOSONO HOUSE]
冬越え / 細野晴臣 [HOSONO HOUSE]
恋は桃色 / 細野晴臣 [HOSONO HOUSE]
CHATTANOOGA CHOO CHOO / 細野晴臣 [TROPICAL DANDY]
絹街道 / 細野晴臣 [TROPICAL DANDY]
YELLOW MAGIC CARNIVAL / ティン・パン・アレー [ キャラメル・ママ ]
Firecracker / ハリー細野 &TIN PAN ALLEY[ ハリー細野 &TIN PAN ALLEY IN CHINATOWN(Crown Years 1974-1977 Disc3)] 蝶々 -San / 細野晴臣 [ 泰安洋行 ]
Roochoo Gumbo / 細野晴臣 [ 泰安洋行 ]
Pom Pom 蒸気 / 細野晴臣[泰安洋行]
四面道歌 / 細野 晴臣 & イエロー・マジック・バンド [ はらいそ ]
ウォリー・ビーズ / 細野 晴臣 & イエロー・マジック・バンド [ はらいそ ]
はらいそ / 細野 晴臣 & イエロー・マジック・バンド [ はらいそ ]
Firecracker (Yellow Magic Orchestra US ver.)/ Yellow Magic Orchestra[YELLOW MAGIC ORCHESTRA(US 版 )]
Simoon / Yellow Magic Orchestra[YELLOW MAGIC ORCHESTRA(US 版 )]
Cosmic Surfin’/ Yellow Magic Orchestra[YELLOW MAGIC ORCHESTRA(US 版 )]
Mad Pierrot/ Yellow Magic Orchestra[YELLOW MAGIC ORCHESTRA(US 版 )]
Absolute Ego Dance/ Yellow Magic Orchestra[SOLID STATE SURVIVOR]
スポーツマン / 細野晴臣 [ フィルハーモニー ]
三国志メイン・テーマ / 細野晴臣 [ 三国志 ]
Lotus Love / Yellow Magic Orchestra[ 浮気なぼくら ]
以心電信 / Yellow Magic Orchestra[SERVICE]
エンド・テーマ「銀河鉄道の夜」/ 細野晴臣 [ 銀河鉄道の夜・特別版 ]
PLEOCENE / 細野晴臣 [omni Sight Seeing]
日本の人 / HIS[ 日本の人 ]
Omukae de gonsu / 細野晴臣 [ATOM KIDS Tribute To The King “O.T.”]
Fujiyama Mama / Tin Pan[Tin Pan]
GOKIGEN IKAGA 1・2・3 / SKETCH SHOW[Strange Flowers Vol.1]
MARS / SKETCH SHOW[LOOPHOLE]
悲しみのラッキースター / 細野晴臣 [HoSoNoVa]
僕は一寸・夏編 / 細野晴臣 [HOCHONO HOUSE]
そして小山田圭吾選曲による『HOSONO HARUOMI compiled by OYAMADA KEIGO』。
こちらは9月25日に2枚組CDとアナログ盤が同時発売!
胸が熱くなる34曲を一挙ご紹介!
『HOSONO HARUOMI compiled by OYAMADA KEIGO』
BALLADE OF AYA / ティン・パン・アレー [ キャラメル・ママ ]
東京ラッシュ / 細野晴臣 & イエロー・マジック・バンド [ はらいそ ]
BODY SNATCHERS / HARRY HOSONO & THE WORLD SHYNESS [FYING SAUCER 1947] HURRICANE DOROTHY / 細野晴臣 [TROPICAL DANDY]
夏なんです / はっぴいえんど [ 風街ろまん ]
シャンバラ通信 / 細野晴臣 & イエロー・マジック・バンド [ はらいそ ]
GOOD MORNING, MR.ECHO / swing slow[swing slow]
夢見る約束 / HARRY HOSONO & THE WORLD SHYNESS [FYING SAUCER 1947]
ただいま / 細野晴臣 [HoSoNoVa]
東京 Shyness Boy / 細野晴臣 [ 泰安洋行 ]
ハニー・ムーン / 細野晴臣 [TROPICAL DANDY]
HEPATITIS 肝炎 / 細野晴臣 & 横尾忠則 [ コチンの月 ]
Radio Activety / 細野晴臣 [Heavenly Music]
ノルマンディア / 細野晴臣 [COINCIDENTAL MUSIC]
ローズマリー、ティートゥリー / 細野晴臣 [HoSoNoVa]
CHOO CHOO ガタゴト・アメリカ編 / 細野晴臣 [HOCHONO HOUSE]
ろっかばいまいべいびい (New ver.) / 細野晴臣 [HOCHONO HOUSE]
“Sayonara”, The Japanese Farewell Song / 細野晴臣 [ 泰安洋行 ]
THE FIRST ONE IN HEAVEN / 細野晴臣 [THE ENDLESS TALKING]
Laugh-Gas / 細野晴臣 [omni Sight Seeing]
PURE JAM / Yellow Magic Orchestra[TECHNODELIC]
ピクニック / 細野晴臣 [ フィルハーモニー ]
RESCUE / HASYMO[EX MACHINA ORIGINAL SOUNDTRACK]
METALIC VELOCITY / Haruomi Hosono + Cornelius [EX MACHINA ORIGINAL SOUNDTRACK] GRADATED GREY / Yellow Magic Orchestra[TECHNODELIC]
Turn Turn / SKETCH SHOW[AUDIO SPONGE]
ORGONE BOX / 細野晴臣 [omni Sight Seeing]
O.K. / Yellow Magic Orchestra[ テクノドン ]
Microtalk / SKETCH SHOW[AUDIO SPONGE]
Korendor / 細野晴臣 [omni Sight Seeing]
STELLA / SKETCH SHOW[LOOPHOLE]
DARK SIDE OF THE STAR -地球の夜にむけての夜想曲- / 細野晴臣 [S・F・X]
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