小説以外の書籍
『フーテンのマハ』
あらすじ
「男はつらいよ」の車寅次郎に憧れ、「フーテンのマハ」を自称する著者。本作はいつのまにか出かけていつのまにか帰ってくる、自由なフーテンの旅の記録です。ゴッホやピカソなど、アートにまつわる小説を精力的に書籍を刊行していますが、その創作の源には旅があることが分かります。原田マハと共に旅をしているようなエッセイです。
おすすめポイント
小説家になる前も行動力に長けていましたが、このエッセイを読むとそれを強く感じることができます。エッセイの中には小説に登場した場所や、小説のあった感情の動きが描かれており、小説を読んでからだと、エッセイの魅力がより一層に伝わってきますよ。
また、本書には原田マハによる絵心溢れるイラストも描かれており、文章以外でも楽しめます。
『現代アートをたのしむ 人生を豊かに変える5つの扉』
あらすじ
現代アートの入門書として書かれた1冊。
アンディ・ウォーホル、エルネスト・ネト、大竹伸朗など、原田マハがおすすめする作品がカラーで掲載されており、理解が困難な現代アートとの向き合い方が分かります。
その他にも美術館や展覧会の楽しみ方を軽快な女子トークで知ることが出来ますよ。
おすすめポイント
コロナの影響で美術館に行くことが難しくなった昨年、文庫化されました。共作の高橋瑞木は水戸芸術館現代美術センターの主任学芸員で、現在は香港のCHATと呼ばれるアートセンターでディレクターを務めています。2人は森美術館設立準備室で、日々を共にした仲でもあります。本書は『すべてのドアは、入り口である。』を大幅に加筆・修正した作品です。
余談ですが、原田マハの兄、原田宗典も小説家。若さゆえの陰鬱さを描いた名作『十九、二十』はクリープハイプの代表作『二十九、三十』のオマージュ元でもあり、こちらもおすすめです。
また、今回紹介しきれなかった以外では、9月に公開される田中圭・中谷美紀主演の映画『総理の夫』、高畑充希主演のWOWOWドラマ『異邦人(いりびと)』、泣けると評判の『生きるぼくら』など魅力的な作品が数々あります。
コロナに加えて、梅雨や猛暑で、家にいる時間が増えそうなこれからの季節、原田マハの作品を読んでみてはいかがでしょうか。
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