メンバー港カヲル、2月にソロデビュー!
2017年2月。メンバーの『港カヲル(46歳)』は、2017年新春ソロデビューに先駆けてソロコンサート「港カヲル 人間生活46周年コンサート ~演奏・グループ魂~」を開催した。参加アーティストとして、私立恵比寿中学、ゴスペラーズ、綾小路翔(氣志團)らが参戦し、会場を盛り上げた。
この港カヲル、何者かというと、グループ魂のメインMCである。LIVEや音楽番組では、必ずと言っていいほど港カヲルのMCからスタートし、「こんばんは! 夜の○○(官房長官、チョイワルおじさんなど)、港カヲルです」と時事ネタを喋りまくる。その後、演奏曲を紹介するも、違うアーティストの曲名を叫んだり、ほかのメンバーとのコントを始めたりする名物キャラだ。
当初はダンディな司会者だったが、体型の変化とともに今の姿に……ダンディさは見る影もない(失礼!)。
今回のソロデビューは、これまで「永遠の46歳」として活動して、ついに、2017年2月1日に“本物の”46歳になるということで、それを記念してのお祭りイベントである。Youtubeでは、このソロアルバム&ソロコンサートに向けてのドキュメント「情熱皆川大陸」が半年かけて随時公開されている。
出展:YouTube
ライブもコントも全力のおフザケ!
宮藤官九郎や阿部サダヲらのロックバンド「グループ魂」とは?
今やテレビに映画に大活躍の阿部サダヲやクドカン(宮藤官九郎)の所属するバンド、『グループ魂』。その勢いはまったく止まらない。
3月にはキョウソネコカミの全国対バンツアー「試練のTAIMAN TOUR 2017」のゲストアーティストとして参加を予定しており、ゴールデンウィークの『JAPAN JAM 2017』にも出演が決定。2月には、メンバーの一人、港カヲルのソロデビュー記念として「港カヲル人間生活46周年コンサート」が東京・大阪で開催され盛り上がった。
そのステージは、音楽だけではない、コントとパフォーマンスの融合した全力のバカ騒ぎ。デビューから22年経っても、メンバーが日本を代表する脚本家と俳優になっても、とことんフザケ続けるオッサン集団である。
作家!?俳優!?コント集団!?
グループ魂は1995年にギターを使ってシャウトする漫談スタイルのコントグループとして結成された。当時は『笑点』などにも出ており、まったく音楽バンドとは言えない。97年からギター、ベース、ドラムを加えたバンド編成になり、2002年にアルバム『Run魂Run』でメジャーデビューした。
アニメ「ケロロ軍曹」の主題歌『君にジュースを買ってあげる♥』がヒットし、2005年には同曲でNHK『紅白歌合戦』出場を果たす。
出展:公式サイト
この頃には、ギターの宮藤官九郎は「木更津キャッツアイシリーズ」で人気脚本家として活躍しており、ボーカルの阿部サダヲはテレビドラマ「アンフェア」や「医龍-Team Medical Dragon-」で独自の存在感を放っていた。2007年には映画「舞妓Haaaan!!!」の主題歌で、ヒロイン役の柴咲コウとfeat.し、シングルを発売した。
出展:YouTube
映像と本業(俳優や脚本家)として押しも押されぬ活躍をしつつ、バンドとしても勢いを増す。2011年には結成15周年記念全国ツアー「客VS俺!どっちがスケベか競争しようか15番勝負」のファイナルとして、初の日本武道館公演を達成。
夏の音楽フェスには出ずっぱりで、気志團やPUFFYやザ・クロマニヨンズなどとも対バンやカバーアルバムへの参加も多い。
メンバー名は、石鹸、遅刻、港カヲル!?
95年結成時からのメンバーは、テレビでもお馴染みの3名。だがしかし、グループ魂においては、「破壊」「暴動」「バイト君」とミュージシャン名がついている。
出展:公式ブログ
●破壊(vocal / 阿部サダヲ)
ボーカル兼ツッコミ担当。ハチャメチャで弾けた歌とパフォーマンスを繰り広げる。その正体は、今期TBSドラマ「下剋上受験」で主役をつとめる阿部サダヲ。「舞妓Haaaan!!!」ではアカデミー賞も受賞しているちゃんとした俳優。
●暴動(Gt / 宮藤官九郎)
作詞・作曲を担当する、ギター兼ツッコミ。その正体は、脚本家・俳優・映画監督・演出家・濡れ場評論家・似顔絵イラストレーターなどとしても活躍する宮藤官九郎。2013年の朝ドラ「あまちゃん」ブームもさることながら、2019年の大河ドラマの脚本まで決まっている売れっ子。
●バイト君(村杉蝉之介 / 大道具)
大道具兼ハーモニカ。結成当初のコントグループ時代は主にボケ担当。その正体は、独特な顔立ちと表情芸で笑いを誘う俳優・村杉蝉之介。その強烈な個性ゆえ、連ドラでのヲタク役や2時間ドラマでの犯人役としても活躍。
3人で始まったバンドも、何度かのメンバーチェンジを経て、今では7名。ほか、小園(B / 小園竜一)、石鹸(Dr / 三宅弘城)、遅刻(Gt / 富澤タク)、港カヲル(46歳 / 皆川猿時)が所属している。バンドメンバーのほぼ全員が、俳優、作家、飲食業などと兼業している。
結局この人たちって何なの?
メンバーのほとんどは、松尾スズキ主宰の劇団大人計画の俳優だ。「玉川カルテット(60年代の歌謡浪曲グループ)のパンク版がやりたくて」という宮藤の発案で結成され、ギターを片手にコントを始めた。『笑点』に出演してアンタッチャブルやアンジャッシュと楽屋が同じだったというから、どっちかというとミュージシャンじゃなくて芸人である。
今は“ロックバンド”“パンクコントバンド”などと言われることもあるが、もともとは劇団から派生したコントグループ。そのせいか、演奏の前にはMCが入り、ギャグや下ネタを含むコント、シュールなドラマなどが繰り広げられる。第56回「NHK紅白歌合戦」出場時には、『君にジュースを買ってあげる♥』を歌いながら途中でステージを飛び降り、審査員だった琴欧州に対し質問したりした。また、ライブの時には「笑え!」と書かれたカラーコーンが置かれている。
出展:YouTube
22年間フザけ続けてきた彼らだが、まだまだフザけ足りないと言う。体はオジサンになっても、フザけ心は忘れない。
「ヒザとかね、本番前にバンテリン塗らないと動けなくなってきたんですよ」
(港カヲル)「ふざけるところと真面目なところ、どっちもないとやっていけないじゃない?」
(暴動/宮藤官九郎)CINRA.NETインタビュー(2017年1月27日)
平均年齢49歳。フザけ続けるからこそ、第一線で活躍できる。そんな大人の本気のフザけを、これからも期待したい。
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