ノエビア銀座ギャラリーで「土門拳写真展 昭和のこども」が開催
様々なアーティストの個展を開催しているノエビア銀座ギャラリーで「土門拳写真展 昭和のこども」が開催。写真展は2017年3月21日~6月9日の間開催され、昭和時代に活躍した日本の代表的写真家の一人と言われる土門拳の撮影した写真を見ることができます。今回の写真展は「昭和のこども」がテーマ。土門拳が撮りたかった子供の姿とは? ミーティアでは写真展の紹介と土門拳の人物像を紹介します。
土門拳ってどんな写真家なの?
まずは、写真展に参加する前に土門拳がどういう写真家なのかを知っていただく必要がありますので、ご紹介します。
土門拳(どもんけん)
1909年(明治42年)に山形県の酒田市で生まれます。子供の時は両親が出稼ぎで家を出ていたので、祖父母に育てられていました。子供の頃はわんぱくで近所ではガキ大将として君臨していたようです。
1916年(大正5年)に東京に引っ越しますが、引っ越しが多く東京と神奈川を行ったり来たりしています。ガキ大将だった幼少期とは打って変わって、習字や絵や勉強が良くできる子で、中学生の頃は画家になることを夢見る文学少年でした。
その後、画家になる夢をあきらめ、24歳の時に写真を勉強するために写真館に弟子入り。昼は仕事で、夜は寝床で写真の勉強をする毎日。報道カメラマンを目指していたため、教養をつけるために2年間で500冊もの本を読んだといわれています。
1935年(昭和10年)に日本工房に就職しプロの写真家へ。その頃にも傘を回す子供という有名な写真を撮っています。
1945年(昭和20年)になると戦後の風景を撮るためフリーの写真家に転身。撮りたいものを粘り強くとる姿は「写真の鬼」と呼ばれるほどに。厳しさ・真実の追求・やさしさ・納得いくまでの精神で「風貌」「ヒロシマ」「古寺巡礼」「室生寺」など次々写真を発表し、数々の賞を受賞しました。この時、日本を代表する写真家として知られるようになり、世界的に有名な写真家になります。
1959年(昭和34年)人生も後半に差し掛かった50歳の時に脳出血で倒れ、以後闘病をしながら写真家として活動します。右半身が動かなくなっても、車いすで移動することになっても、土門拳は写真を撮り続けました。
現在、土門拳が撮り続けた約7万点の作品たちは、地元の酒田市に献上され、時代を今に伝える写真として生き続けています。
土門拳が撮影したアーティストたち
開催される写真展は「昭和のこども」ですが、ミーティア目線で土門拳が撮影したアーティスト達を一部紹介しましょう。土門拳の「風貌」では作家や画家などの人物写真が撮影されていて、著名人も多く掲載されています。
志賀直哉
山田耕筰
梅原龍三郎
梅原龍三郎の撮影をしたときに、写真を撮られるのが好きではない梅原龍三郎に対して、粘り強く写真を撮ろうとしたため、椅子を叩きつけられて激怒されたというエピソードがあります。こだわりをもったアーティスト同士のぶつかり合いですね。
「土門拳写真展 昭和のこども」ってどんな写真展?
土門拳が日本を代表する写真家という事が分かったところで、ノエビア銀座ギャラリーで開催される写真展がどんなイベントか紹介しましょう。
土門拳は昭和20年代後半から30年代初頭にかけて、精力的に子供を撮影しました。元々、子供が大好きだった土門拳は『筑豊のこどもたち』という写真集を100円で販売し、10万刷売り上げたと言われています。子供たちがカメラを意識せずに自然な表情を見せるまで待ち、時間をかけて写すやり方は、プロの写真家の神髄を感じます。当時の子供たちの表情で時代が見えるほか、プロの仕事とはこうだというものも感じることができる写真展になっているといえるでしょう。
家族を持っている方や、これから持つ方、子供と向き合う日常や仕事をしている方。はたまた、クリエイティブな仕事をしている方も土門拳の写真から得るものはきっと多いと思いますので、ぜひ見に行ってほしい写真展です。
「土門拳写真展 昭和のこども」を紹介させていただきました。本来東京で気軽に見れるような写真展ではないので、この機会に土門拳の写真に触れることをお勧めします。写真にうつる昔のこどもたちからどんな価値観や感情をもらうのか。それは見る人それぞれです。しかし、必ず見た人の人生を変える力を持っています。写真展はノエビア銀座ギャラリーで2017年3月21日~6月9日の間開催です!
「土門拳写真展 昭和のこども」
入場無料
会期:2017年3月21日(火)~ 6月9日(金)
開催時間:午前10時~午後6時 (土・日・祝日は午後5時まで)
会場:ノエビア銀座ギャラリー(東京都中央区銀座7-6-15 ノエビア銀座本社ビル1F)
主催:株式会社ノエビア
土門拳写真展 昭和のこども サイト:http://gallery.noevir.jp/
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