社会の闇×スラップ奏法の攻撃的な音楽
――DOG MONSTERは表現コンセプトが「社会のリアル」や「闇」ですが、どういった想いがあるのでしょうか?
ガッシュ : お金のことや業界の話をコンセプトにして1曲目に作ったのが「Money Monster」です。リアルを歌うことで共感をしてくれる方はいると思っていたので、そこにスラップ奏法を合わせることによって攻撃的な音楽ができたら響いてくれる人が多くなるのではないかというのが狙いですね。
――そういった経緯があったんですね。歌詞を作るときのネタはどこからきているんですか?
クロエ : 私自身はすごく気楽に生活をしているので、実はあまり病んでなくて(笑)。でもSNSでは「今日楽しかったー!」って言ってた子が2分後くらいには「消えたい」って書いてたり、闇を抱えている子が多いじゃないですか。だから若者のSNSを見て歌詞を書くことも多いです。
――SNSは本当闇が深いですよね……。
クロエ : SNSで好きが行き過ぎている子を見てできた曲が「YAMAZAKI」です。
ガッシュ : 僕たちは、よくある女の子(クロエ)推しのバンドにもできたけど、クロエは人の裏に着眼点を持っているし、かわいいルックスの女の子が闇を歌うギャップが面白いなと思ったのも「闇」をコンセプトにしたきっかけですね。
――クロエさんの実体験や思ったことをベースにして作詞することもあるんですか?
クロエ : 題材はSNSだけど、私の心の中のギャルが「これってこうじゃね?」と思ったことを落とし込んでます(笑)。
――心のギャルがいるんですね(笑)。ガッシュさんやリムさんは社会の闇を描いた歌詞をどう思いますか?
リム : 僕は普段闇を見ずにハッピーに生きてます(笑)。でもふと闇を見ることはもちろんあるので、そういったときに歌詞を見ると共感はしますね。
ガッシュ : 僕は結構クロエにリクエストを出していて。「赤ずきんちゃん」という曲は、家出少女を題材にして歌詞を書いてもらいまいしたね。
――それぞれの演奏のこだわりはどんなところですか?
ガッシュ : スラップバンドって言うと「スラップどうやってるの!?」と見られがちなので、ライブでは派手にやりたいなと思ってます。
クロエ : 私は歌いながら演奏もしなくてはならないので、ベースはできるだけ簡単にしようと思ってたんです。でも制作を進めていくうちにこだわりが出て、どんどん難しくなっちゃって。結果的に自分が一番苦しんでます(笑)。
リム : クロエとガッシュがスラップで音も出るし派手な動きも多いので、ドラムは下から押し上げていく立ち位置だと思ってます。しっかりグルーヴを3人で出せるような土台になりたいですね。
――演奏法の他に、顔出しをしていないという大きな特徴もありますが、何か理由があるんですか?
ガッシュ : 「よくわかんない人たちがすごいことやってるぞ」ってなった方が面白みがあるかなと思って、最初はクロエにもフード被せて顔出しせずに始めました。顔出しするのが恥ずかしかったのもありますね。そこから「顔を隠す?隠さない?」と悩みつつ、ずるずるきてしまいました(笑)。徐々にメンバーのことは出していこうかなと思っています。
――ライブ中は普通に顔出ししていますか?
ガッシュ : 出してます。最初は犬のお面を被ろうと思ってお面屋さんまで行ったんですけど、結局やめました。でも結果的にお面被らなくてよかったです。被り物してる人ってどこ見てるかわからないから隣にいたら怖いんですよね(笑)。
クロエ : ガッシュにバンドを組もうと誘われたときに、最初に「チワワの被り物被って歌って」って言われてびっくりしました(笑)。
――バンド名にDOGが入っているから犬のお面だったんですね。DOG MONSTERというバンド名の由来はなんですか?
ガッシュ : オオカミの被り物をしてるバンドたちが既にいたので、犬かなって思って。犬が人間に化けて闇を暴いていくようなストーリーを考えてました。
――そういった考えもあったんですね。ライブ中のこだわりを教えてください。
ガッシュ : バンドフォーメーションはクロエが真ん中、下手にリム、上手が僕なんですけど、リムと僕はいつも後ろで遊んでいますね。そこで自由も表現してます。
リム : 結構個々で遊んでるよね。ガッシュさんがソロで前に出てる時は僕とクロエで変顔して遊んでたり(笑)。
クロエ : 後ろで遊んでるふたりがぶつかってくることもあるんですけど、私は何事もなかったかのようにマイクに向かってます(笑)。
ガッシュ : クロエが難しいベースフレーズを弾きながら歌っているところも見所ですね。
――難しいベースを弾きながら歌うってすごいですよね……。
クロエ : 昔から一度ににふたつのことをよくやっていたんですよね。親が厳しくて勉強しないと遊びに行けなかったから、早く終わらせるために数学やりながら英語もやるみたいなことをしていました(笑)。
サブカルな見た目で音楽はミクスチャー。いろんな人にライブを見てもらいたい
――11月27日に「New Blood vol.1」というイベントに出演されますが、どんな方にライブを見てほしいですか?
ガッシュ : こういう方とは特に決めず、いろんな方に来てほしいですね。お客さんも初めての方ばかりだと思いますが、ツインスラップ奏法はもちろん、プロジェクター使用したり他のバンドがやってないような演出も取り入れているので、刺激を感じてもらえたらいいですね。
クロエ : 今お客さんは男性が多いですが、たまに来てくれる女性の方がちょっと恥ずかしそうに手を上げている姿を見ると、かわいいなって思ってます。そういう女の子をいっぱい見たいな……(笑)。うちのバンドはファン同士でライブに誘い合ったり、グッズを交換していたりと優しい方が多いので、女性でも入りやすいかなと思います。
リム : DOG MONSTERはどちらかというとロックよりミクスチャーに近いので、いろんなジャンルの方に見てもらいたいですね。
ガッシュ : 見た目サブカルなのに、やってることはミクスチャーだからね。バンド内で決め事もないので、自由にやってます。
――バンド内でルールは一つもないんですか?
クロエ : ルールはないけど、お互いに役割を決めていますね。ライブのセットリストや演出はガッシュに任せてるし、私はグッズのデザイン、リムは……運転?(笑)
リム : 運び屋です(笑)。
クロエ : お互いに「これでいい?」みたいな確認はするんですけど、「いいよ、君は最高だ」って任せてます。ダメ出しすることはあまりないですね。
――すでにメンバー同士の信頼がすごいですね。対バン相手のSULLIVAN’s FUN CLUBとは初共演ですよね。
ガッシュ : そうです、札幌のかっこいいバンドですよね。ライブではいろんなバンドと繋がれるのも楽しみですね。でも僕らは人見知りなので、まずは誰とでも仲良くなれるリムが声をかけます(笑)。
リム : 全国に友達を作るのが僕の目標です。
――DOG MONSTERの今後の展望はありますか?
ガッシュ : アルバムを出してツアー回る、というのはもちろんあるんですけど、楽しく自由にやれたらいいですよね。前は武道館でやりたいって思ってたんですけど、メンバーで実際に行ってみたら階段の高さが怖くて(笑)
クロエ : 自分たちだけの空間になるワンマンライブもやってみたいです。
リム : 海外も行ってみたいですね。韓国は一度行ったことがあって。そのときもみんなノリが良くてすごくいい空間だったんです。
ガッシュ : クロエの髪がピンクだから海外ですごく見られるんですよね。
クロエ : ピンクホットチリペッパーズって言われます(笑)。
ガッシュ : 結果、バンドは楽しく海外でやりたい。
リム : フェスも出たいし、いろんなとこ行きたいですよね。
クロエ : 段差が怖くないところなら!(笑)
New Blood vol.1
2019年11月27日(水)
OPEN 18:30 / START 19:00
前売りチケット ¥1,000-(+1D)
-出演者-
DOG MONSTER
SULLIVAN’s FUN CLUB
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