異次元空間のようなライブ空間が魅力の青葉市子。独自の音楽奏法に迫る
現在の音楽シーンにおいて、音楽通たちに今最も注目されている女性シンガーソングライターといえば、青葉市子(あおばいちこ)の名があげられる。なんとあの音楽界の巨匠、坂本龍一に見初められたという音楽の高度な技術の味わえるライブと、独自の世界観は唯一無二の魅力である。そんな彼女の楽曲の特徴と、その独自の音楽奏法に迫る。
あの坂本龍一が認めた、青葉市子(あおばいちこ)の楽曲の特徴とは。
青葉市子(あおばいちこ)は、京都府出身の女性シンガーソングライターだ。オリジナルの楽曲はもちろん、舞台音楽やCM音楽など、幅広いジャンルで活躍する「音楽家」でもある。日常的に耳にすることも多いであろうCMに彼女の楽曲を採用した企業としては、NTTドコモやキユーピー、UNIQLO、サントリーなど錚々たる企業ばかり。そんな彼女の音楽は、緻密に計算されたものと思いきや、本人曰く「歌が自然にでき、それが楽しいからやっているだけ」とのこと。ふんわりと実態のない雲を掴むような、飄々とした彼女のそのスタンスは、独特なサウンドとリズムが織りなす、その音楽性にも表れているといっていいだろう。
坂本龍一も認めた、彼女の独自の「奏法」はどのように生まれたか。
「シンガー・ソングライターになろうと思ったことも、自身がシンガー・ソングライターだと意識したことも一度もなく、ごはんを食べる、寝るといったことと同じ感覚で、何かを表現しようと思ってやっているわけではない」、そう語る彼女が音楽の道へ歩み始めたのは、中学時代。吹奏楽部でクラリネットを担当し、その後高校では軽音楽部に所属した彼女。キーボードにギター、ドラム、ベース…と、曲ごとに空いている楽器を試したものの、自己流でコードも覚えていないとのこと。しかし、ガットギターをつま弾いたことで彼女の音楽人生が変化する。クラシックギターにのめり込み、教則本を使わずに自己流で「遊ぶように」ギターを続けていたら、現在のような奏法となったのだという。
アジアを中心に海外ツアーも定期的に行い、認知度はうなぎ上り。
その後は19歳で大学を中退後、間もなく2010年にデビューを果たすことになるが、若干の期間をあけて、2014年から彼女のキャリアが急速に加速することになる。全国47都市をめぐる全国ツアーを敢行すると、なんと海外公演を成功させる。そして、彼女の名を広く知らしめることとなる、NHK-FM「坂本龍一 ニューイヤー・スペシャル」のスタジオ・セッションに参加することとなった。この場には、坂本龍一をはじめ、細野晴臣、小山田圭吾、U-zhaanが参加するという、音楽通なら誰もが驚く豪華な顔ぶれだ。現在も精力的にライブ活動を続けており、アジアを中心に定期的な海外ツアーも敢行している。老若男女問わず、人の心をつかむ彼女のセッションは、音楽好きならずとも必聴だ。
SHARE
Written by