また、こういったナンバーに違和感のない、雨のパレードのメンバー構成にも着目したい。Summer Time Magicのプレイヤーは、ソロアーティストでも、男性4人組バンドでも、ガールズバンドでもしっくりこない。そう感じるのはぼくだけだろうか。
中性的なフロントマンとやや無骨なギタリスト、紅一点の女性ドラマー。カラーを抽象化しづらいバンドだからこそ、Summer Time Magicの描く世界が、すっと入ってくる部分もあるはずだ。この点が本人出演のMVでも楽曲の持つイメージが壊れない理由だと感じる。以前にも増して映像が曲の世界の一部となっている今。ノンフィクションとして受け止められるMVは、Summer Time Magicの魅力のひとつだろう。
一度聴いてハマる人が続出。現在進行形で広がる波紋
SNSを辿ると、Summer Time Magicには好意的なコメントが集まっている。
「最近のお気に入り」
「これは好きなやつ」
「有線で流れてた曲。必至で歌詞覚えてきて、調べたらこの曲だった」
ぼくが知る限り、スマッシュヒットのはじまりは、いつもこういうムーヴメントだ。現在進行形でラジオ番組でのパワープレイも増えている。すでに色々なところで流れているが、今後さらに街中で耳にするようになる可能性が高いだろう。2019年を代表する夏ソングの最有力候補となっていることは疑いようがない。
雨のパレードに集まる海外からの視線
雨のパレードは、2017年以降、海外での公演にも力を入れる。
2017年・台湾でおこなわれた記念すべき初公演「One man Tour 2017 “Untraveled” in Taipei」、2018年・中国・上海で開催された「ame_no_parade Oneman Tour 2018 “COLORS” in SHANGHAI」、続く2019年には、中国・蘇州の音楽フェスティバル「2019 Taihu Midi Festival」、おなじく中国・北京の音楽フェスティバル「Rye Music Festival 2019」、台湾のショーケース・ライブイベント「2019 Golden Melody Festival」と、続けざまに3公演に出演した。この3公演は、5月初めから6月末までの期間に開催されたもの。およそ2か月のあいだに、3本の海外公演を成功させたことになる。
彼らはいま、中華圏で注目を集める、旬のバンドのひとつに数えられているという。雨のパレードに沸き立つのは、日本だけじゃない。アジア中から熱視線が送られている。
“新生”雨のパレード。2019年は飛躍の年となるか
ベーシストの脱退にともなって3人体制で新たなスタートを切った2019年の雨のパレード。彼らにとって今年は躍進の年となっている。
Summer Time Magicは、“新生”雨のパレードの飛躍を決定づける、夏の打ち上げ花火となれるか。すでにその導火線には火が点いている状況だ。
雨のパレード
雨のパレード公式ウェブサイト
雨のパレード公式Twitter
雨のパレード公式YouTubeチャンネル
Summer Time Magic
2019.07.10
配信限定
https://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A024831/VE3WA-18454.html
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