ブレイク前夜。’19夏は、雨のパレード「Summer Time Magic」で決まり
ある楽曲が「令和最初の夏ソング」として注目を浴びている。3人組バンド、雨のパレードが放つ、「Summer Time Magic」だ。
2019年7月にリリースされると、たちまちラジオ番組や有線放送でかかるようになり、たまたま耳にした音楽フリークたちのアンテナを大きく刺激した。この楽曲にいったいどんな魅力が秘められているのか。Summer Time Magicと雨のパレードの躍進を紐解いていく。
Summer Time Magicは、雨のパレード新境地となる2019年屈指の夏ソング
雨のパレード「Summer Time Magic」MV
ポップアンセムのように始まるイントロダクション。EDMトレンドを代表するビッグルームのリズム。独特の儚さを纏ったボーカル。
雨のパレードが配信限定で発表した新曲「Summer Time Magic」は、爽やかさと気だるさを内包した夏らしいポップナンバーだ。同時に公開されたMVは、リリースから1か月で35万再生を記録。あっという間に雨のパレード史上、最多の再生回数を誇る楽曲となった。Spotifyでも彼らの他の曲を抑え、人気曲ランキング1位となっている。
もともとセルフプロデュースで良質なポップ(過去のインタビューで、彼らは自身の音楽を「ポップス」と定義づけ、そのプレイヤーであることのこだわりを語っている)をシーンに届けてきた彼ら。以前はややロックからの視点に寄ったアプローチが多かったが、2019年に入り、やや傾向を変えてきた。共同プロデューサーに、米津玄師やback numberのプロデュースでも知られる蔦谷好位置を迎え、クラブミュージックのテイストを強めているのだ。結成から5年あまりでたどり着いた、雨のパレードの新境地である。
2019年4月リリース、新生雨のパレードの第1弾シングル「Ahead Ahead」
どちらの楽曲を聴いてもわかるように、彼らとクラブミュージックアレンジの親和性は高い。「Ahead Ahead」のMVもまた、4月リリースながら約30万再生と異例の伸びを見せている。直近2曲の躍進は、“雨パレ”のブレイクを感じさせるものと言えるかもしれない。
Summer Time Magicの制作にあたり、ボーカルの福永浩平は音から歌詞に至るまでのすべての点において、全力で夏を意識したという。「青い空」「サイダー」「渚」「打ち寄せる波」といったワードからは、誰もがはっきりと夏をイメージできる。この季節らしい、淡く儚い恋模様は、流行する夏ソングに必須の要素と言っても過言ではない。夏、さらには2019年を代表するヒットチューンとなりつつある状況にも頷ける。
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