今度はいったい何をやらかすんだ? と、思わずMVにツッコミを入れたくなる。かつて、ポップス系バンドのドラマーとして「鳴らして」いた。ヤンチャ感は漂うが、おそらくスッピンでも相当に可愛いと見た。「ゴリラ」な感じで股開きポーズの絵柄が多めに見えるのも、ご愛嬌である。ただしどのMVを見ても、かなりの「挙動不審感」が漂う。パフォーマンスの最中であっても、一寸先の展開が読みきれない。だから、「あっこゴリラ」から目が離せない。
偶然を必然に変える。人脈を作り上げる。圧倒的に「強引力」高し!
女性ポップスバンド「HAPPY BIRTHDAY」のドラマーから、華麗なる? 転身である。
「あっこゴリラ」そのものが、もともとライヴのオマケ・ネタだった。それがウケて、2014年夏のバンド解散後、「本業」へと進化する。きっかけは、知り合いのツテをたどってのフリースタイル・イベントへの参加だったとか。
かなり偶然をアテにしながらも、それを必然に変えていく…「強引・力」の持ち主と見た。
翌2016年1月には早くも、1stソロアルバム「TOKYO BANANA」を全国リリースした。
そこで名を連ねているトラックメイカーやゲストMCの豪華なラインナップにも、驚かされる。音楽プロデューサー「ヒラサワンダ」にヒップホップの「狐火」、さらにはテクノポップ系の女性アイドルグループ「エレクトリックリボン」の「erica」まで!
どうやら、人脈作りでも「強・引力」が使えるらしい。
「こんなはずじゃなかった」のは、もしかして自分自身か
公式HPを見ると「ライブからアイドル、クラブ、キャバクラ…」など、多彩なシーンでの活動がお披露目されているが、そうした経験値がかなり漏れなく彼女のパフォーマンスを進化させているように思える。
「ビューティフル・ウーマン(ゴリラ夫妻ver.)」のMVでは、テレ東「音流」レポーターの経験が生きているのではないか、などと勘ぐってみたりして。このダンス、このセンス、怪しすぎる。
「ひとりの女性の容赦ない人生を歌ってるわけですが、こんなはずじゃなかったと叫ぶ主人公を一体だれが笑えるでしょうか」というYouTubeのコメントが、あっこゴリラの世界観を端的かつ濃厚にぶった切る。
「ちょっと注意を怠って踏み外せば、人生なんてコロンと一変しますもんね。一寸先は闇、明日は我が身です。なんつって。」なんつって、まさに、彼女の人生模様が浮き彫りか?
喝采も雄叫びに。元気なゴリラは今日も明日も、軽快に駆け抜ける
生活感が随所ににじみ出るリリックもまた、彼女独特の「Dis is My Life」なスタンス。多彩な人生経験は、ネタの宝庫に違いない。
「TOKYO BANANA」だって、そうだ。ライブで配るバナナの出費がバカにならないことを嘆いている。新パナマ病は、たぶん他人事ではない。
主催するイベントのテーマソング「ドンキーコング」が「OTOTOY」で限定配信されているのだが…なんと、週間トップをマークした。「1位になった うおおおおおおおおおおおおおお」と、野生の雄叫びを上げている。
YouTubeでは、そのMV撮影ティザー映像を公開。コンクリートジャングルを疾走するあっこゴリラのリリックが、直球勝負でズシンと響く。テレっと脱力しているように見せかけて、実はしっかりコシのあるリズム感にも磨きがかかっている。
「ジェーン?」に進化したワンピも似合うけれど、「ゴリラ」はまんまで十分魅力的だ。
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