「青空」
2020年2月26日にリリースされた最新シングルです。空の青さが少し悲しくなる曲になっています。歌詞を考えてみるとあまり誠実な男性像とは言えないようです。
“想ったり嫌になったり 自由で不自由だった それはあなたがいてくれたからできたんだ”というフレーズから、好きな人がくれた良いも悪いもが少しずつ思い出として昇華されている様子が切なくもあり、美しいです。
歌詞中に登場する雨には悲観的な意味を持つaikoの曲。雨がとても似合いそうなシュチュエーションで、青空とタイトルを付けられたところも惹かれます。
「恋のスーパーボール」
弾んだストリングスが印象的なポップチューン。
幸せの正体が何なのか徐々に分かっていく展開に引き込まれます。”今夜をあげる”をはじめ、端々に表れている甘い夜、さらに延長上にある寝不足な朝の様子はほんのりアダルトでドキドキさせられます。どう弾んでいくのか分からない高揚感と、夏祭りの代名詞であるスーパーボールすくいの屋台が見事に夏を感じさせてくれます。
“日焼け止めを綺麗に洗いきれずに夜中に腕が夏の匂い”も詩的で繊細でリズム感も良くて堪りません。
「二時頃」
ベストアルバム「まとめI」には収録されていましたが、オリジナルアルバムには入っていない名カップリング曲です。
深夜に2人だけでこっそり電話をしている多幸感ある曲かと思いきや一転し、感傷的になります。
それでも前向きに現実を受け止めようとする主人公の姿の健気さに胸を打たれ、心に傷を作ります。
“あなたを忘れる準備をしなくちゃいけないから”の部分は何度聴いても熱いものがこみ上げてきて、こんなにも真っ直ぐで可愛らしい主人公に幸せが訪れることを心の底から願ってしまいます。
「横顔」
ドラマ「ホタルノヒカリ」の主題歌だった曲です。この曲が収録された「星のない世界/横顔」は22枚目のシングルでありながらaiko初の両A面シングルになりました。
サビをはじめ、メロディーが非常に美しく、メロディーセンスが光ります。
相手は憧れの存在なのでしょう。そのため正面から向き合うことが出来ず、横顔ばかり見てしまう様子は、とてももどかしく思わず応援したくなります。聴いていると初夏の香りがしてきて、爽やかな風に吹かれているような心地良さを感じます。
「milk」
鏡で笑顔の練習をする女の子の映像が浮かび上がってくる曲です。
少し前にすれ違ったことを明るく歌いあげるaikoが、主人公の喜びを代弁しているように感じます。そのあとに続く”声は掛けられなかった”の弱気な一面は、どこか他人事とは思えず愛着も。
“もっと心躍る世界が すぐ隣にあったとしても 乱れたあなたの髪に 触れられるこの世界がいい”という最後のフレーズを聴くと晴れ晴れとした気持ちになります。
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