ネクライトーキーのメンバー全員にインタビュー!
2017年に結成し、大阪を拠点に活動するネクライトーキー。2018年12月5日にフルアルバム『ONE!』をリリースすることが発表されたが、実は今回が初となる全国流通盤であり、サブスクリプションでも楽曲は配信されていない。それにもかかわらず、東名阪で行われたワンマンライブはすべてソールドアウトするという異例の事態となった。
左からカズマ・タケイ(Dr)、もっさ(Vo、Gt)、朝日(Gt)、藤田(Ba)
メンバーはコンテンポラリーな生活の朝日、藤田とサポートドラマーであるカズマ・タケイにボーカルのもっさを加えた4人。言ってしまえば、コンテンポラリーな生活にもっさが加わったようにも見えるわけだが、楽曲はキャッチーなアップテンポロックに仕上がっており、全く別のバンドなのである。
バンド結成のいきさつは? 急速に集まる注目にメンバーはどう思っているのか? 4人にインタビューをお願いした。
Photography_Kana Tarumi
Text_Ryuji Yako
Edit_Yukari Yamada
何の反応もなかったら、死んでいたかもしれない。(朝日)
――結成から約1年半、正式リリース前にも関わらず、各方面から注目を集めているように思います。サブスクリプション・サービスが普及しつつありますが、まだまだバンドのブレイクのきっかけは作品のリリースですし、そんな中で東名阪のワンマンもソールドアウト。率直にこの状況をどう感じていますか?
朝日 : もっさ以外の3人はバンド歴が長いんで、たしかに恐ろしいことだと思いますね。
カズマ・タケイ(以下、タケイ) : 今まで、ずっとくすぶり続けてきたと言っちゃってもいいぐらいですから。
もっさ : 私はネクライトーキーに加入する前はワンマンすらしたことなかったし、地元のライブハウスに出ているだけやったんで。いろいろ初めてやから、どういうことか、よくわからないでやってるんですけど(笑)。
一同 : ハハハハ(笑)。
タケイ : そんなにね、いかないですよ、普通は。
藤田 : ビックリなスピードだから。
朝日 : 僕たちが一番驚いていますね。
――してやったり、みたいなところもなく?
藤田 : それよりも「マジか!? ひぇ~」となってる感じがあって。
朝日 : 僕の中ではもうちょっと時間がかかる予定だったんです。今年の5月に大阪と東京のワンマンでやったんですが、当初は今の自分たちの位置を確認するためで、そこを踏まえて進んでいこうと考えていたんです。
もっさ : 最初はスカスカか、ちょっと埋まったかなぐらいやけど、いつか大きいところでソールドしたらいいねと話していて。
――言ってしまえば、現実を突きつけられる場にしたかったという。
タケイ : そうでしたね。初ライブから3か月もしない時期に決めたワンマンだったので(笑)。
もっさ : 絶対にチケットが売れるなんて確信もないまま決めたし。チケットを売り出してからも、最初は全然伸びない感じだったんです。
朝日 : それまでにやっていたバンドのお客さんも来てくれるかなと思ったんですけど……。
藤田 : 来なくなっちゃったというか、完全に別のバンドですからね。
――朝日さんと藤田さんがやられていたコンテンポラリーな生活は、サポートドラムがタケイさんですし、ネクライトーキーはそこから発展したバンドという見方もされるかと思います。
藤田 : そう見えるとは思うんですけど、どちらかというと、朝日がやっていた石風呂の発展形ですね。
石風呂「夕暮れ先生」
朝日 : 甘い見通しだったなっていうのが結成した後の感覚だったので、だからこそ、自分たちの位置を確かめるためにワンマンをやろうとしたんですよね。
――しかし、どちらのワンマンもソールドしました。
もっさ : 「なんで?」っていうのが最初はあって。結局、「オシャレ大作戦」なんですかね。YouTubeにアップしたら「あれ?」みたいなところがあったし。大阪のチケットなんて、アップ前は30枚ぐらいしか売れてなかったんです。でも、一気に伸びて、ソールド。
――今年3月末にアップした「オシャレ大作戦」のMVは150万回を超える再生回数になっていますし、他のMVと比べても飛び抜けた存在だと思います。届くきっかけになるような予感はあったんでしょうか?
ネクライトーキー「オシャレ大作戦」
朝日 : いや……コンテンポラリーな生活をやっていたなかで、結構いろんな人に名前は知ってもらえたんですけど、やっぱり届かなかった部分がいっぱいあったんです。挫折、挫折の繰り返しを味わって、音楽は思ったより人を殺しにくるんだなと。でも、なぜか27歳になって新しくバンドを始めようとして……予感というか、このMVでワンマンにお客さんをつなげようという気持ちはありましたけど、「何の反応もなかったらどうしよう」という恐怖しかなかったですね。メンバーには「集客はMVを出してからが本番だから」って言っていたんですけど。
もっさ : めちゃめちゃそう言ってた!
朝日 : 内心としては、ただただこのまま死んでいくだけじゃないのかという気持ちでしたよ。
――かなり思い詰めた気持ちがあったんですね。今となっては笑い話にできますけど。
藤田 : 伸びてなかったら、死んでた(笑)。
朝日 : でも、初めてスタジオに入った瞬間からネクライトーキーはいいバンドだと感じていたから、ちゃんとやっていけば一歩ずつ進んでいけるとは思っていましたけどね(笑)。
――他のみなさんは「オシャレ大作戦」が響く予感はありました?
藤田 : スタジオで初めて聴かせてもらったとき、とりあえずオーケストラヒットが面白すぎて爆笑したんですよ。
もっさ : みんな爆笑してた(笑)。
藤田 : あと、最初はサビが違って「ここがちょっと弱いよね」という話をしていて、次に朝日が持ってきたときにすごく良くなって。ただ、ここまで響くとは思ってもいなかったです。
――「オシャレ大作戦」のMVの衝撃でしたよ。バランス感も面白く、天然なのか恣意的なのか考えつつ、他のMVも繰り返し観ていました。
朝日 : 何でしょう……自分たちでもよくわかってないんですよ。
もっさ : たしかに!
朝日 : ただただ面白いことをしたいという一心で音楽を作っているだけで。もちろん、評価されるようには頑張ったんですけど。
タケイ : ただ、「オシャレ大作戦」に限った話ではないんですけど、もっさが歌うとマジックが起こるかな、なんか面白くなりそうだなっていう予感は、わりと初めてスタジオに入ったときからありました。
誰か探しとるんかなと思ってたら「わしか!」って(笑)。(もっさ)
――少しさかのぼって、バンドの始まりについてお訊きします。朝日さんは、何年も前から女性ヴォーカルでバンドをやりたいという構想を持ってはいたけど、なかなか出会いがなかったというツイートもされていました。どういったイメージを描いていたんでしょうか?
朝日 : 面白い声の人がいいなと思っていましたね。あと、バンドとしてのイメージって、僕はフジファブリックが大好きなので、ネクライトーキーとして最初に出す曲は(「TAIFU」からインスパイアされた)「タイフー」という曲にしようと決めていたし。でも、もっさが入ってからは……もっさが全然言うことを聞かなくて(笑)。
もっさ : ひぃ~!
朝日 : 現在はバンドが二転三転して、僕もあんまり把握できてないというか(笑)。だから、ベストを尽くして面白いことをやるだけ。今は想像がつかなくなってるし。
――ちなみに、もっささんとはどういったつながりがあったんですか?
朝日 : 僕がボーカロイドで石風呂として活動していたときに、その曲をカバーしてくれて、知りました。
もっさ : 私は石風呂が好きで、CDを買って、「楽しい曲だ!」って家で弾き語って、それをネットに上げたんですけど、まさか本人が聴いてくれるとは思っていなくて(笑)。再生回数でいったら三桁ぐらいだったし、もうホンマに下手くそすぎるぐらい下手くそやったから。
朝日 : 5年前ぐらいかな? ここまではっきりしてはいなかったんですけど、当時から女性ヴォーカルで何かしたいという気持ちがあったんで、(候補を)探してはいたんです。まあ、それとは関係なしに、自分の曲をいろんな人がカバーしているっていう状況が面白すぎて、すごくチェックしていた時期があって。
――当時、どんな印象を感じました?
朝日 : その中で、もっさはダントツで声が良かったんです。だから、すぐにコンタクトをとって、1回会ったんですよ。そうしたらまさかの高校生(笑)。音楽で食っていこうって判断させるのはあまりに酷だと思ったので、そのときは諦めたんですよね。そこから数年経ち、コンテンポラリーな生活のライブがあって、ふと楽屋で「あの子、どうしてるんやろ?」と気になってフォローしてたTwitterを見たら、バンドをやってるし。しかも、その日のライブに来ているっぽくて、バーっと客席に探しに行って「バンドやろうよ!」と声をかけました。
もっさ : ビックリしました。(朝日が)客席を徘徊しとって、誰か探しとるんかなと思ってたら「わしか!」って(笑)。
藤田 : 私はその話を全然知らんかって。朝日が普段は全然行かない客席へすすっと行ってたから。
――そのとき、もっささん以外の3人はネクライトーキーとして揃っていましたよね。
藤田 : いや、私はまだでした。最初は違うベーシストが入る予定だったんですよ。
朝日 : だから、声をかけた順でいうと、タケイ、もっさ、藤田かな。
タケイ : 僕からしたら、コンテンポラリーな生活でサポートをやり始めたころから新バンドの構想は聞いて、声をかけてもらっていたから、すげえワクワクして待っていたんですよ。ただ、全然動かなくてどうなるんだと思っていたら、ヴォーカルが見つかって、ベースが藤田になって……「(コンテンポラリーな生活と)一緒?」っていう(笑)。
コンテンポラリーな生活「ハスキーガール」
一同 : ハハハハ(笑)。
――紐解くと、コンテンポラリーな生活とネクライトーキーは別なバンドということがわかりますね。
藤田 : そうそう、全然違うんです。
――もっささんは、ネクライトーキーに入る前も今みたいな歌い方だったんですか? 以前やられていたバンドのMVを観ると、もうちょっと柔和というか、今、Tシャツも着られていますけど、チャットモンチー的なニュアンスを感じたりもして。
朝日 : チャットモンチーはもっさのヒーローですからね。
もっさ : あの曲はどちらかというとしっとり系の歌い方で。わりとアップテンポな曲は今寄りの歌い方かなと思っています。
朝日 : もっさは曲で歌い方が勝手に変わるイメージですね。逆に、歌録りのときに「もうちょっとこういう感じで歌って」と言っても、全然変わらないんです(笑)。
もっさ : そこまで意図はしていなくて、曲によって勝手に変わっちゃうから「こうしてと言われても……」という(笑)。
――少し先の話になりますが、12月に発表する新作「ONE!」では、「オシャレ大作戦」でみんなが惹きつけられた歌い方とはまた違ったニュアンスもありますよね。
もっさ : 「オシャレ大作戦」は、あの曲だからああいう歌い方なんだなと私は思っています。
朝日 : もっさに対して、無理に何かをやらせようとか演技させようとか、全然上手くいかないことがわかってきたんで、「こうして欲しい」と伝えることもなくなってきました。
タケイ : 歌い方もそうなんですけど、ライブで「ここはこうキメて、こう曲を終わらせる」とか普通のバンドなら絶対にやるのに、そういうのを決めてももっさは忘れちゃうから。
もっさ : ただのバカみたいじゃないですか!(笑)
朝日 : MCとかも「このタイミングでこういうことを言ってほしい」と伝えても、ホントに安い感じになるんですよ。いかにも言わされてるみたいな。
もっさ : 「なんがつ、なんにち、どこどこで、らいぶします」(棒読み)みたいな(笑)。
一同 : ハハハハ(笑)。
タケイ : だから、思った通りになったことがあまりなくて。
――純粋培養として、もっささんはすくすく育っていると。
もっさ : でも、無理にカッコいいことを言わないようにはしています。MCでカッコいいことを言わなくても、カッコいいバンドはカッコいいってチャットモンチーが証明してくれているから。
朝日 : ウソがなければそれでいいということなんですよね。
Blur(ブラー)の「Girls And Boys」をユニコーンがカバーしたら?
――基本的にほとんどの曲は朝日さんが作っているんですよね。
朝日 : 今のところは。でも、「ONE!」では2曲、もっさが作っているので、これからはもっさの曲もやっていきたいなと思っています。
――サウンド的には考えていたことが表現できていますか?
朝日 : できてはいるんですけど、まだまだ力が足りてないところがたくさんあるなと思っていて。タケちゃん以外、下手くそだし。タケちゃんでどうにかなっているのが現状なので。
――もっささんが満面の笑みで頷いていますけど。
もっさ : 頑張ります!
朝日 : タケちゃんを10とすると、僕と藤田が4、もっさが3ぐらい。
もっさ : いや、私は2!
朝日 : ぐらいの感じです(笑)。
タケイ : でも、もっさはめちゃくちゃ上手くなってる。まだ1年ちょいしか経ってないですけど、恐ろしいスピードです。
もっさ : ってか、元がマジで……初心者やから(笑)。
――メンバーで誰かが技術的に引っ張ってくれると切磋琢磨できますからね。
朝日 : それがドラムだとめちゃめちゃ助かるんですよね。イメージ的にはタケちゃんが骨で、もっさが心臓っていう。藤田は……髪型?
一同 : ハハハハ(笑)。
藤田 : 型やん! しかも、髪でもなく!
朝日 : でも、目立つポジションっていう(笑)。藤田はフォトジェニックで、写真でもめちゃくちゃ目立つんですよね。ひとり、そういう存在がいてくれると面白いし。
もっさ : 他の3人がモブやから。
朝日 : 村人A、B、Cみたいな(笑)。
――藤田さんは?
朝日 : もう主人公ですよ。
――女子的なアドバイスを藤田さんからもっささんにすることはあるんですか?
藤田 : いや、もっさはそのままが可愛いですからね。
――ネクライトーキーは、軽快なロックサウンドにネガティブもしくは鋭い言葉が織り込まれている印象が強いんですが、そのへんは当初からのコンセプトだったんでしょうか?
朝日 : イメージ自体はあったんですけど、やっぱりもっさがメンバーに決まってからですね。
もっさ : でも、前からそういう歌詞じゃない?
朝日 : そうなんだけど、これはもっさに抱いた印象そのままなんですよ。なんか、喋ったりすると柔らかい雰囲気の女の子かなと思うけど、深く話してみると骨が太くて硬い。普段はこんな訳のわからない感じですけど。
もっさ : (自分のTシャツを見つめる)
藤田 : チャットモンチーを見ないの(笑)。
もっさ : ……安心する。
一同 : ハハハハ(笑)。
――これまで何百バンドとインタビューしてきましたけど、バンドTシャツを着る人は多くても、それを見て安心する人は初めて会いました(笑)。
朝日 : ライナスにとっての安心毛布みたいな(笑)。
――寝るときは欠かせないぬいぐるみのような。
朝日 : そういうのがあると助かるバンドマン……どこにおるねん(笑)。でも、音楽のことになると、絶対に譲らないところがある。そこが面白いし、それをそのままバンドにしようと思ったんです。もっさの人間性そのままでやっているから、ウソくさくなくできるし、それが曲にも反映されるし。だから、個人的に曲を作るとき、ネクライトーキーで曲を作るとき、出来上がりが全然違うんです。
――また、歌詞ではバンド名が出てきたり、人物が連想できる言葉があったりしますけど、それはご自身が影響を受けたモノをピックアップしているんですか?
朝日 : そうですね。もう、言ってもいいや、みたいな。冷静に考えて、それをやっちゃいけないルールはないっちゃないし。好きなモノは好きって言っていこうと。歌詞だけに限らず、「許せ!服部」はBlur(ブラー)の「Girls And Boys」をユニコーンがカバーしたら、っていうコンセプトで作っていて。
ネクライトーキー「許せ!服部」
藤田 : まさかのもしもシリーズ!
朝日 : それとか、実は「タイフー」もフジファブリックの「TAIFU」というだけじゃなくて、Arctic Monkeys(アークティック・モンキーズ)の「Brianstorm」をフジファブリックがカバーしたら、みたいな。
ネクライトーキー「タイフー!」
――ある種、実験的というか、大人の遊びというか。話を伺っていくと、面白いと感じたことに対して躊躇がないですよね。バンドをやっていくと、お客さんの反応とか、自分の感覚以外のところを判断基準にしがちじゃないですか。でも、そういう中で自然と導かれるモノを楽しくアウトプットしている印象を感じます。
朝日 : バンドを10年やってきて、自分がいちばん自分の好きな曲を作れることにやっと気づいたんですよ。人の意見を取り入れたり、反応をうかがって音楽を作ったりすることもあったんですけど、全然上手くいったことがなくて。もう、自分と一緒にやってくれるメンバーが面白いと感じるモノだけでいいや、っていう。
――そういったスタンスで提示した曲に対して、同じように面白いと感じてくれる人が急速に増えているのは非常に喜ばしいことですね。
朝日 : こっちが一方的にやったのに、反応があるからメンバーは非常に驚いているっていう、最初の話に戻るんですけど(笑)。自分たちがゲラゲラと笑いながらやったことを「面白いんや、みんなも!?」っていう。今、ストイックなバンドも多いじゃないですか。最近だと、Tempalay(テンパレイ)がめっちゃ好きで、カッコいいし、評価されているし、ストイックだし。King Gnu(キングヌー)やDYGL(ディグロー)とかも、めっちゃいいじゃないですか。ただ、それをやろうとはならなくて。たぶん、同じ土俵に立ったら勝てないし。あの人たちはあれで生きてきたから、ああいうアプローチにめっちゃ強い。だから、自分が生きてきた20何年間で最強の武器を使わないと勝てないし。今、自分たちがいちばん面白いと思えるモノをやって、それが面白いと言ってもらえるのは本当に幸せなことだなと思っています。
「オシャレ大作戦」が代表曲にならなくなる気がします(もっさ)
――バンドの歩みとして考えれば、『ONE!』を発表して、改めて走り出すところもあると思います。作品の手応えとしてはどうですか?
藤田 : めっちゃいい作品になったなと。
タケイ : 手応えはありますね。
もっさ : 「オシャレ大作戦」が代表曲にならなくなる気がします。
――現在、アップされている数々のMVの特長も詰まりつつ、新しく表に出てきた部分もありますし、先がもっと楽しみになる内容だと感じました。今回、もっささんが主導で作ったのは2曲ということですけど、もっと増えていくという話もありました。
もっさ : いろいろと試行錯誤しながらやっていきます。
朝日 : もっさはマイペースに曲を作ってもらえれば。そのかわり、僕は馬車馬のように曲を書くんで(笑)。
――ワンマンのダイジェストを拝見すると、朝日さんが石風呂として発表した曲も演奏されていますね。
朝日 : 石風呂の初期って、バンドの気持ちで作った曲が多かったんです。後半だと「ボーカロイドだからこういう遊び方をしよう」みたいな感じもあるんですけど。だから、初期の曲はバンドでやってあげて、ライブで新たな命が吹き込まれるというのが嬉しい。部屋でひとりで作って、そのときは僕ひとりしか聴いていなかった曲が、今はたくさんの人の前で演奏して、めちゃくちゃみんなが喜んでくれる。なんかもう、それだけで泣きそうになるんですよ。
――もっささんがカバーしていた曲もライブでやっていますか?
朝日 : 「夕暮れ先生」と「ゆるふわ樹海ガール」だから……。
タケイ : やっていますね。それに対して、もっさは何か思ったりするの?
もっさ : えっ、どういうこと?
タケイ : あのとき、青春時代にカバーした曲だし、それだけで涙が出てくるみたいな。
朝日 : ギターが難しいな、ぐらい?(笑)
一同 : ハハハハ(笑)。
もっさ : それはある!(笑)たしかに、たまたまネットで見つけた曲を好きになって、自分でも歌ってみて、いつの間にか作った人の隣でギターを弾いている状況ではあるんで、すごいなあと思っています。
――これから、作品の発表にリリースツアーも控えていますが、今後の展望についてはいかがですか?
朝日 : 2021年に横浜アリーナかさいたまアリーナですかね。いろいろ調べていたら、チャットモンチーが新宿ロフトでやった翌年に日本武道館をやってるんですよ。アジカンも渋谷クアトロでワンマンをやった翌年に日本武道館をやっていて。
もっさ : ということは、クアトロでやった次の日は……
一同 : ハハハハ(笑)。
もっさ : 間違えた! 次の年に武道館というのも、現実的じゃないわけじゃないっていう。
朝日 : やれるんじゃないかとひそかに思っています。
もっさ : 語る分には無料なんで(笑)。
藤田 : 取らぬ狸の何とやら、かもしれないですけど(笑)。
もっさ : ワンマンも大丈夫になったし!
タケイ : たしかに!
――でも、そういう成功体験を積み重ねていると、結果がどうなるかはわからないですけど、自信を持って臨むことはできますよね。
朝日 : 僕はそれに追いつく曲を作るだけだなと。曲ができなかったら、僕は平気で下方修正するんで(笑)。
――バンドとして大きくなっていく目標を立てつつ、それに見合うような、バンドを引っ張っていけるような曲を作っていく。
朝日 : もし、武道館とかでやるなら、それが分相応になるようなバンドになりたいと今は思っています。まあ、正直デカいところでやることに対して、あんまり興味はないんですけど(笑)。
タケイ : さっきまでの何だったの(笑)?
朝日 : なんか、それぐらいの人を面白いって思わせたら、すごく楽しいなって。
――大きな会場でやることが目標ではなくて、それだけたくさんの人を面白がらせたいという。
朝日 : とにかく面白いことをして、それを面白いと思ってたくさんの人たちが集まったら、めっちゃ面白いじゃないですか。大きなところでやるのが目的になって、音楽がその手段になっちゃうと、不思議と心身ともに不健康になる。だから、そうだけはならないようにやっていけたらと思っています。
ネクライトーキー リリース情報
ネクライトーキー「ONE!」
発売日:2018年12月5日
NCJD-10002
¥2,315+税
1.レイニーレイニー
2.こんがらがった!
3.めっちゃかわいいうた
4.タイフー!
5.許せ!服部
6.オシャレ大作戦
7.がっかりされたくないな
8.だけじゃないBABY
9.ゆうな
10.遠吠えのサンセット
11.明日にだって
12.夏の雷鳴
ネクライトーキー ライブ情報
『ONE!』Release Tour「オーキートーキー!全国編」
2019年1月12日 大阪・心斎橋VARON
2019年1月14日 東京・下北沢BASEMENT BAR
2019年1月20日 宮城・enn 2nd
2019年2月8日 岡山・PEPPERLAND
2019年2月9日 広島・HIROSHIMA BACK BEAT
2019年2月10日 福岡・INSA
2019年2月16日 北海道・SOUND CRUE
2019年2月23日 愛知・CLUB UPSET
一般発売に先駆け、ローソンチケットプレリクエスト抽選先行の受付が開始!
受付期間:10/16(火)18:00~10/28(日)23:59
http://l-tike.com/necrytalkie/
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