GRANRODEOのすべての活動は、ライブをやるためにある
――それは、俗に4つ打ちダンスロックバンドと呼ばれる人たちが、大きなフェスでとくに盛り上がりを見せる現象にも、通じるところがありそうです。
e-ZUKA:さらに言えば、そういう一体感を生み出す曲の配置も含めて、ワンマンライブのセットリストの組み方というのは、ある種難しいものだなと。僕らは毎回、約3時間弱のライブをやってますけど、いわゆるアンコール前の本編ラストのブロックは盛り上がりを畳みかけるために、より勢いのある定番曲を置きがちじゃないですか。GRANRODEOだと、必ず「modern strange cowboy」はやりますよ、みたいなね。でも……時々思うんです、みんなは飽きちゃってないのかな?(笑)
KISHOW:そこが、せめぎ合いなんですよねぇ(苦笑)。こっちも分かってるんですよ、「〈modern strange cowboy〉はやるの、ここで。だから付き合ってよ!」と思いながら歌っているフシもある。だから、今回のツアーでも、定番曲の並びに思わず「偉大なるマンネリ」なんてMCで言ったこともありました(笑)。
e-ZUKA:でも、それも悪いことじゃないなと。定番曲をやらないと、今度は「物足りなかった」という声も聞こえてくるし(苦笑)。僕自身も、長年好きなバンドのライブに行けば、新曲だけじゃなく昔からのおなじみ曲もやっぱり聴きたい。そういう、演奏する側と観る側のいろんな想いが交錯するところがまた、ライブの難しさであり、ライブが生き物である証拠かなと思いますね。
――そんなGRANRODEOにとって、“ライブ”とはどういう存在なのでしょうか?
e-ZUKA:僕にとってGRANRODEOのライブは、それをやるために曲を作ったり、CDを出したり、ラジオやテレビに出たり、こうしてメディアでインタビューを受けたり……と、すべてはライブのためにやっている感じがします。たしか横山健さんが以前、“CDや本はコピーできるけど、ライブという体験はコピーできない。だから、ライブがカッコよければみんなが足を運んでくれる”という意味のことをおっしゃってました。たしかにそうだと思うんです。とくに最近は、CDを買う人の数より、ライブに行く人の数のほうが圧倒的じゃないですか。お客さんにとっても、やっぱりライブが一番なんだなと思いますよね。
KISHOW:僕にとっては、ライブをやるのは自分自身のため、というところが大きいですね。歌詞ができ、レコーディングで歌うことに達成感はもちろんあるけど、それだけでは絶対に、エネルギーを持て余すんですよ。ライブをやって人前で歌うことで、ようやくエネルギーを逃がし得る。そんな気がしてます。
「G11 ROCK☆SHOW」ではアッと驚く演出にも挑戦します!
――レコーディングで持て余したエネルギーを、ライブで解き放つ。それは音楽の送り手ならではの感覚かも知れないですね。
e-ZUKA:レコーディングとライブの話でいうと、僕がきーやん(KISHOW)をすごいと思うのは、CDにもライブにもフラットな気持ちで臨んでいること。僕なんかは、どうしてもCDを神聖視して、パッケージとして残す怖さが先に立っちゃうけど、きーやんは、レコーディングした楽曲もライブで歌うことで変わっていくんだから、という考え方ができているように見える。それって、じつはすごいことだと思うんですよ。
KISHOW:うーん……そこはね、ボーカリストとしての難しさというのも、ひとつありますね。前に、FLOWのボーカルのKOHSHIくんと話していて、お互い共感したことがあるんですけど……不思議なことに、ライブで出る声と同じ声は、レコーディングだと出ないものなんですよ。もちろん、CDもライブも同じ声で、同じように流れるようなフェイクやシャウトを入れるのは理想だけど、なかなかね、スタジオだとイキきれない自分がいるんですよね。
e-ZUKA:それを、ライブだと爆発できる?
KISHOW:そう、アドレナリンが放出されるせいかも知れないし、人前だと、ええかっこしいな自分が前に出てきちゃうからなのかも知れないけど(苦笑)。
e-ZUKA:だからこそ、「GRANRODEOはライブで観なきゃ!」とみなさんも思ってくれるんでしょうね。きーやんは、会場が大きければ大きいほど、ものすごいパワーを出してくるから。
KISHOW:「GRANRODEOはライブを観てナンボだよ」という口コミが広がってくれていたら、いいんですけどね。ライブって、面白いものですよね。
――そんな大会場での圧倒的なパワーをたっぷり味わえるのが、間近に迫った東京・代々木第一体育館での「GRANRODEO LIVE 2016 G11 ROCK☆SHOW -TRECAN ▶︎◉◀︎ PARTY-」です。どんな内容になりますか?
e-ZUKA:ツアーが終わって2週間後なので、音楽的には今回のツアーの集大成的な内容になるかなと。
KISHOW:タイトルも、TRASH CANDYツアーを意識して付けましたしね。「パーティ」という言葉どおり、みんなで騒げる、華やかなお祭りにしたいですね。
e-ZUKA:僕らは毎年、大会場で“G● ROCK☆SHOW”と名付けたワンマンを恒例にしていて、アッと驚いてもらえる演出に挑戦してきているんで、今回もぜひ、楽しみにしてください。
KISHOW:e-ZUKAさん、頑張ってね!(笑)
e-ZUKA:俺か!(笑)
KISHOW:今回のセットリストは、個人的にもすごく好き。期待してほしいな。
GRANRODEO LIVE 2016 G11 ROCK☆SHOW -TRECAN ▶︎◉◀︎ PARTY-
日時:2016年9月19日(月・祝)
開場:16:30 開演:17:30
会場:国立代々木競技場 第一体育館
チケット料金:全席指定 7,980円(税込)
※3歳以上有料 ※営利目的の転売禁止 ※転売チケット入場不可 ※オークションへの出品禁止
詳細:http://www.granrodeo.net/live/
GRANRODEO
声優としても活躍する作詞家/ボーカリストのKISHOW(谷山紀章)と、声優アーティストを中心に多数の楽曲提供を行う作曲家/アレンジャー/ギタリストのe-ZUKA(飯塚昌明)によるロックユニット。
2005年、「Go For It!」でデビュー以来、多数のアニメ主題歌をリリース。高い歌唱力と演奏力、ハードなサウンド&キャッチーなメロディーが魅力の楽曲群で、アニメファンを中心に人気を博す。これまでオリジナルアルバム6枚、ベストアルバム3枚、シングル24枚を発表。11月23日には25枚目となるニューシングル「少年の果て」(TVアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』第2期エンディング主題歌)が発売となる。
GRANRODEOオフィシャルサイト
http://www.granrodeo.net/
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