2014年のメジャーデビュー以来、各種フェスを席巻! キャッチーなメロディーとソリッドなサウンド、もがき苦しむ若者たちに希望を投げかける共感力の高いメッセージを、感情豊かに叩きつけるBLUE ENCOUNT。
今年は、第 94 回全国高校サッカー選手権大会応援歌となった『はじまり』を筆頭にスマッシュヒットを連発。10月には念願の日本武道館ワンマンに立ち見席含む11000人を動員し、今もっともエモくシーンを疾走するブルエンが、彼らの「熱血」にベストマッチな6thシングル『LAST HERO』をリリースする。大成功の武道館公演を経て、12年間のバンド活動の集大成でもあるニューシングルに込めた今の想いを、田邊駿一(Vo,&Gt.)、江口雄也(Gt.)、辻村勇太(Ba.)、高村佳秀(Dr.)、メンバー4人に聞いた。
Text_MIKA ABE
Phote_Mao Sugaya
ドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』への主題歌起用は、イントロ一発で決まった。
――みなさんはMEETIA初登場でもありますので、BLUE ENCOUNTをよく知るために、まずは大喜利的質問を一発。ブルエンを、動物に例えると何でしょう?
田邊:え? 初登場でいきなりハードル高くないですか!?(笑)
高村:うーん……馬ですかね? しゃかりき走り続けてるから。
田邊:なるほど、たしかに大喜利っぽい。俺は……オランウータンですね。なぜなら、ウホウホうるせぇから(笑)。自分たちここにいるぞアピールがハンパない、みたいな。
江口:たまにフン投げてくるぞ!的な。僕はイノシシですね。猪突猛進!
辻村:たしかに! 僕はニワトリかな。ニワトリは卵を毎日産み続けるじゃないですか。僕らも、毎日何かを産み続けないといけない……という意味を込めて。
全員:お~っ!(拍手)
――美しく決まったところで、ニューシングル『LAST HERO』について聞かせてください。この曲は現在、ドラマ『THE LAST COP/ラストコップ』の主題歌としてオンエア中ですね。
田邊:ドラマの主題歌は初めての経験なんですけど、お話をいただいたときは、とてつもなく光栄でした。僕は昔からドラマ大好き人間なので、青春期は『THE LAST COP/ラストコップ』と同じ日本テレビの土曜9時枠は『金田一少年の事件簿』、『家なき子』、マニアックなところでは『ハルモニア』、『僕らの勇気 未満都市』などなど、もう語り尽くせないほどのドラマを見続けてきたんです。
――生き字引ですね(笑)。
田邊:はい(笑)。さらに僕、小学生のときに、一緒に住んでたじいちゃんばあちゃんが大好きだった『あぶない刑事』もがっつり観てて。『THE LAST COP/ラストコップ』も「あぶデカ」と同じ横浜のバディ刑事ものなんで、僕の中では神がかり的な作品なんですよ。だからもう、5月末くらいに主題歌のオファーをいただいてからテンションは上がりっぱなし。そこから制作期間3ヵ月の間に、のべ50曲を書きまくり。最後の最後に作ってメンバー、スタッフ全員が満場一致で「これだ!」となったのが、『LAST HERO』だったんですよ。
高村:きっと4人全員思っただろうけど、田邊が作った『LAST HERO』は抜群のサビ。ドラマと離れず、寄り添いすぎてもいない感じもすごく良かったんですよね。
辻村:もちろんサビはすごくいいと思ったんですけど、自分としては、メロディーがキレイすぎて、楽曲としてシンプルになり過ぎないかな?という心配はちょっとありました。美メロ過ぎると、それを際立たせるために楽器隊がロック感やバンドの激しさを抑え気味になるから。でも、パートのアレンジをそれぞれが加えていったら、僕ららしい激しい曲になっていったし、田邊が考えた、一瞬「え?」と思う癖のあるイントロも良くてね。
江口:ほかにもっと耳なじみのいい曲もたくさんあったんですけど、『LAST HERO』は結構ソリッドにもできるし、サビの強さも際立つだろう。それで満場一致って感じでしたね。
田邊:でもそれも、いろんなジャンルで50曲書いたからこそ、できたことだと思うんです。ブルエンのスタッフさんうちの事務所の社長が、完成した曲をテレビ局の方々に聴いてもらった時の話もすごくて。『LAST HERO』を流したら、イントロで曲を止められて「これで行きましょう!」と即決だったと。ドラマ側から「ブルエンらしくお願いします」とだけ言われていて、「ドラマ主題歌らしさ」と「ブルエンらしさ」のすり合わせに悩みぬいた曲だっただけに、一瞬で気に入ってもらえて嬉しかったですね。
武道館ワンマンを成功させたから、「これが俺の道だ!!」と自信を持って歌える。
――エモーショナルなサウンド、キャッチーなメロディーもそうですが、さらに「ブルエンらしさ」を感じるのが歌詞ですね。だらだら過ぎる現状を「こんなんじゃ嫌だ」と壊そうともがき、「Wanna be the SUPER HERO」、「死ぬ気で生きろよ」と希望を歌う。古いタイプの熱血主人公が世に抗いながら活躍する『THE LAST COP/ラストコップ』と絶妙にリンクしながらも、自分たちの想いを全面に出した曲になっている。すごく幸せなコラボだなと思いました。
田邊:ほんとそうです。自分たちがやってきたことが、ちゃんと意味があるからこそ、この主題歌のお話がいただけたんだな、ドラマと意思疎通したんだなと。
――この歌詞自体が、今までブルエンが言い続けてきたことの集大成のようですよね。
田邊:そうなんです。今年は武道館もやらせていただいて、すごくいい状態でバンドが進んでる。でも僕らの中では、今までやってきたことに1回ピリオド打ちたいなという想いもあったんです。だから今年はこれも入れて4枚シングルを出しましたが、そこには全部、BLUE ENCOUNTの結成からの12年間を、全部詰め込みたかったんです。
――だから「これが俺の道だ!!」というフレーズが出てきたんでしょうね。
田邊:そうですね。今こそちゃんとそう言えるのは、約1ヵ月前の武道館があったからこそなんです。それまでの僕らは、大きなことから小さなことまで、「これで大丈夫なのかな?」と思ってた、ほんと自信のないバンドでした。でも武道館に11000人ものお客さんが来てくれて、みんなが曲を知っててくれてて、これは自信持ってていいんだなと思えたんです。だから今は、「ほんと、なんかすみません」から、むしろ「ブルエンはこういうころ言うバンドですけど、悪いすか?」ぐらいな感じになった(笑)。それが、この曲で表したことなんですよね。
――だから歌詞の熱さ、サウンドの熱さに説得力がある。正直、ここまで熱さを前面に出していく若いバンドって、今なかなかいないですよね?
辻村:まあ……そうですよね(苦笑)。
田邊:俺らも、昔からすごく言われてました。「なんでそんな感じなんですか? バンドマンが熱くてどうすんですか?」って。
辻村:ライブのMCで、田邊が泣きながら想いの丈を話してる時間があったら、もっと曲やればいいのに、とか。
田邊:でも、それはずっと変わらずやってきた僕らの本質だから、「うるせーよ!」って思いますよね。この『LAST HERO』を皮切りに、僕らもっともっと根深い痛みとか、ヒリヒリするものを歌っていかなきゃいけないんだな。
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