2軒目: 原宿「Lemontea」
「秘密にしておきたい古着屋」というのが、一軒や二軒あると思う。アンコマーシャルな感じとか、インディーズを思わせる雰囲気とか、本当にもう聖域なわけですよ。Lemonteaは住所こそ原宿なのだけれども、明治通りにもキャットストリートにも面していない。店舗が鎮座しているのは、閑静な路地裏である。近くにはやっぱり秘密にしておきたいレストランがある。
一見すると小綺麗に良質な古着が並ぶLemontea。整然としたディスプレイ、だがそこかしこに見える「パンク」。
さりげなく様々な感情が見え隠れする。真意の程は定かではないが、店内に置かれたギミックの数々を見る限りでは、Lemonteaはまだ反抗期の只中に居るような気がする。古着屋というベースがあるけれども、レディオヘッドやアーケイド・ファイアと何ら変わらない。個人的には、大人のフリをする大人よりずっとカッコイイと思います。
さて、トレモノの面々はここでどんな出会いを果たしたのか。追って行こう。
古着屋って、ランダム性が良いですよね。お店に行ったとしても、もしかしたら目当てのモノが見つからないかもしれないし。あるいは、今回のように予期せぬ出会いがあったりもする。そういう場に立ち会えただけで、なんだかラッキーな気分だ。メンバーから「似合いすぎてなんか腹立つな(笑)」なんて言われている狩俣の姿を見ていると、改めて古着屋で買い物する楽しさを知る。
やや童顔な仲間全慶。「アメリカンスクールっぽいteeが好きなので、これがほしいですね」と語る。手に取る品がそれぞれ腑に落ちるので、「だよねー」と言いたいところを我慢しながら様子を見ていた。
カジュアルにも、モードにも、ロックにも、あらゆるニーズに対応してみせるLemontea。今度行ったら、こっそり音楽の話題を振ってみよう。3倍ぐらいにして返してくれそうな気がする。
Lemontea
渋谷区神宮前6-11-8
<公式サイト>
https://www.lemontea-tokyo.net/
instagram
3軒目: 祐天寺「Varde77」
正直、トレモノのメンバーよりもはしゃいでしまった気がする。何せVarde77は、筆者が高校生の頃から背伸びしまくって通っていたお店だ。お年玉を全額つっ込む勢いで、古着を物色していた(Varde77はオリジナルも展開しているが、そちらは流石に高校生には手が出せなかった)。もちろん今も大好きなお店だけれども、今回はトレモノと一緒に回ることで「なぜVarde77は別格なのか?」を考えていた。
理由は至極単純なものだったように思う。あらゆる点におけるクオリティの高さ。当たり前なことを言っている気がするが、コレに尽きる。
「黒シャンブレーシャツの古着を忠実に再現している。これは〈varde77’〉のオリジナルなんだけど、ステッチの入れ方や猫目ボタンを使ってたりでこだわり満載。マチも赤耳を使っていて好き」と、木田龍良。さすが元・古着屋店員。
他のメンバーも、口々に商品を賞賛そして試着。
店員さんの知識も物凄い。その服が作られた時代まで把握していて、まるで一つの物語を聞かされている気分だった。一見、ちょっと話しかけづらい感じもいいんだよなあ。
高校生の頃、結構ビビりながらお店に入った記憶がある。あのとき冒険しておいて良かった。音楽にしろ、ファッションにしろ、当時は「大きな一歩」だらけだった。Varde77に入るのも、ちょっと年季の入ったレコード屋に入るのも、お洒落な美容室に行くのだって勇気が必要だった。いつの間にか忘れかけていたことを、トレモノとの古着屋巡りで再確認できた気がする。
Varde77
東京都目黒区祐天寺2丁目311 草薙ビル1F
<公式サイト>
https://varde77officialsite.com/
instagram
最後に、僕が今回ヒシヒシと感じていたことを、木田龍良がピュアな言葉で語ってくれた。
「改めて、古着は奥深いなと思いました。一つの古着に一つのストーリーがあるというのがすごい。古いものを知って今の解釈で新しい着方をするというのは、音楽も一緒かもしれないですよね。ルーツをしって、新しいものを作る。そういう楽しさを発見できました」
時計を見ると、もう既に23時を回っていた。トレモノのメンバーとはそのまま祐天寺でお別れしたのだが、やっぱりもう少しだけ一緒に回りたかったな。
Photography_RYUTARO IZAKI
Text_YUKI KAWASAKI
Edit_ADO ISHINO(E inc.)
<プロフィール>
トレモノ(とれもの)
様々な音楽エッセンスを南国育ちならではの感性でチャンプルーした自身のサウンドを”アイランド・ポップ”と表現し、
活動する石垣島出身の4人組バンド。 2009年、東京にて結成。
2013年に開催されたタワレコ主催オーディションにてグランプリを獲得し、
同年の夏にCDデビュー。その後3枚の作品をリリース。
【SUMMER SONIC】【GREENROOM FESTIVAL】【New Acoustic Camp】
など各地の大型フェスにも出演しライヴバンドとしての地位を築く。
2017年には、書き下ろし楽曲を提供した【富士通「ずっと、あなたと。FMV」】のWeb CMに100万再生回数を越える程に話題となる。
また石垣島マラソンのテーマソングを提供。3月には地元沖縄県八重山郡竹富町の観光大使に就任。
そして7月にはキャリア初となるフルアルバムをワーナーミュージック・ジャパンよりリリース。
■トレモノ 1st Full Album
『island island』 好評発売中
<アーティスト公式サイト>
【HP】 http://toremono.com/
【Facebook】 https://facebook.com/Toremono
【Twitter】 https://twitter.com/TOREMONO_INFO
【instagram】 https://instagram.com/toremonogram/
■古着屋リスト
Strato
東京都渋谷区神宮前 3-20-5iNOUEビル1F
<公式サイト>
http://strato-shopping.com/
Lemontea
渋谷区神宮前6-11-8
<公式サイト>
https://www.lemontea-tokyo.net/
Varde77
東京都目黒区祐天寺2丁目311 草薙ビル1F
<公式サイト>
https://varde77officialsite.com/
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