7月28日(土)PM13:00 フジロックDAY2
BEAMSや東京藝術大学の大学院生チーム、いいちこカルチャーに新たな風を吹かせるキーパーソンがフジロックで大集合!
この日、いいちこ× BEAMSのコラボレーションを担当した BEAMS JAPANプロジェクトリーダーの佐野明政さんもブースにきており、お話を伺うことができました。
コラボレーションアイテムの制作や、試飲イベントなど今年からさまざまな取り組みを進めてきた佐野さん。国内外あらゆるブランドに精通するBEAMSの視点でみつめた、いいちこの魅力とは?
佐野「味がおいしいのはもちろんのこと、40年以上にわたり、一貫して築きあげてきたデザインやイメージがまずすばらしいのですが、知れば知るほど、BEAMSとの親和性を感じています。文化誌『季刊ichiko』を80年代から発行し続けていたり、文化をつくる、ひろめていくという姿勢が、BEAMSととても重なるところがあります」
『季刊iichiko』バックナンバー(iichiko公式サイトより)
今回スタッフの方々が着用しているキャップやTシャツも、BEAMSが制作したもの。
佐野「また、中山さんや幡手さんにはじめにお会いしたとき、熱量の高さに感銘を受けました。幡手さんからは、ぜひ振り切って、思い切ったものをつくってくださいと言っていただけて。これまでいいちこのデザインをすべて手がけてきた河北さんにデザインを提案する際も、”下町のナポレオン”を“新宿のナポレオン”に変えたいとか、町並みのデザインをこう変えたいなどと思い切ってご提案したところ、却下されるとおもいきや快諾していただけたんです。BEAMS自体を信頼しているから、とのことで、身が引き締まる思いでした」
永井博氏デザインの「いいちこ×BEAMS JAPAN」Tシャツ。夕暮れ時の空と、BEAMS JAPAN、高層ビル、奥には富士山が描かれている。
今年からの新たな動きとしてもうひとつ、東京藝術大学でもいいちことの取り組みを行うチームが発足しており、院生の小杉山岳人さんもブースを来訪。
小杉山「どんどん若い人がお酒を飲まなくなっているので、デザインや切り口、企画などでどのようにいいちこに興味をもってもらえるかを考えています。今はリサーチの段階で、10人ほどメンバーがいるので、それぞれの企画を練っています」
小杉山「自分が注目しているのは、いいちこの”香り”です。いいちこはもともとブランドイメージもいいし、飲んでみてもおいしい。興味をもってもらうきっかけをいかに作るかがポイントですね」
後日、藝大祭ではBarとArtを融合させた「iichikoBART(バート)」を出店。オリジナルデザインの手ぬぐいなど圧巻のクオリティでした。(※筆者撮影)
実際に大学の研究室内で練られた企画は、今後「いいちこ」サイドへ提案され、実現する可能性もあるそう。
いいちこチームが、フジロックへの出店で感じたこと、学んだこと
三和酒類株式会社で、主に環境活動の分野を担当している野村智則さんは、フジロック会場やお客さんたちを眺めて、ひときわ感銘をうけているようでした。
野村「はじめてこういった大型のフェスイベントに参加していますが、お客さんたちがフェス自体を大切にしているムードが伝わってきます。ゴミが散らからないようにするオペレーションの工夫もすばらしいですが、はじめて参加したひとにも伝わるような、共同意識のようなものは20年積み重ねてきた賜物だとおもいます」
いいちこが、あまり大々的に発信していないけれど、環境や地域に対して行っている取り組みについても教えてくれました。
野村「焼酎をつくると、副産物として、焼酎粕がでるんですよ。いわゆる酒粕ですね。むかしは海に廃棄していて、それが魚の餌になったりということはあって、それでもよかったのですが、環境にも配慮してもっと良い手はないかということで、肥料や飼料として活用する方法を編み出しました」
野村「大麦由来の身体にいい成分って、まるごと酒粕のほうに残っている上に、有機物なので、良質な肥料や餌になるんです。毎日230~40トン、年間だと7万2千トンもの膨大な量の酒粕が出るのですが、それを地域の農家や酪農家の方々に使っていただいて、地域でとれるお肉や野菜の質がよくなっていく、という循環を20年ほどまえから研究・実施しています」
今回の出店で、「おいしい!」と好評だったサワー、緑茶ハイなどレシピを開発したのが、商品開発担当の松本真一郎さん。実際にお客さんとやりとりをするなかで、今後のヒントになりそうな気づきを得たといいます。
松本「お客様とカウンターでやりとりをするなかで、サワーはドライがいいなどと要望があったときに、もとのレシピを調整して、すぐに対応ができるところが、焼酎のおもしろい部分なのかなとあらためて思いました」
要望に応じて調整ができることをうけ、これぞジャパニーズホスピタリティ!とアゲアゲなフジロッカーたち
松本「ちょい濃いめで!っていわれたら、はい濃いめで!って調整できる。ベースはこの3種類ですけど、甘さやアルコールの濃さは調整できるし、お湯割りつくってよーといわれたらだせますし、オペレーション的にも手間がかかわるわけではないというのが新しい発見でした」
また、海外から訪れた方々からの反響からも、手応えを感じたといいます。
松本「焼酎は、いわば日本の伝統的なスピリッツです。ウォッカやジンなどのあの香りとはちがう、麹からくる和の味わいがあります。フジロックという、日本を代表するロックフェスで、日本の味を体感してもらえたことは大きな収穫でした」
この日は台風の接近もあり、雨風が吹き荒れるシーンもありましたが、夕方のSuperorganism、夜のMGMTでRED MAQUEEステージは超満員!でした。
人混みをかいくぐり、いいちこを購買していく方々。ちなみにドリンク提供のオペレーションは初日の経験を経てめざましく改善され、オーダーから提供まで10秒ほどのスピード感(筆者の体感値)を実現していました。
MGMTのときはちょうど土砂降りだったのですが、屋外まで超満員の人だかりでした。
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