今回の旅の目的地は、岐阜県養老町にあるアート建築「養老天命反転地」。
旅コラムを始めるにあたっては、最初からインパクト強めな題材をセレクトしました。
私、普通のことしたくなくて。だから、これからスタートするこの旅コラムも
美しいロケーションを訪れたり、オススメのグルメやホテルの紹介、みたいなみんなが知りたい旅情報、とはちょっと違った内容になっていくかもしれません。
私が気になったことを私の目線で、私の価値観で、私が思ったことを綴ろうと思っています。旅する先は日本各地から、たまに海も渡ったり。うちの近所だったり。多分、そんな感じになります。
ただ、一つだけ一貫してこの旅コラムの軸になってくることがあって、それは、私がワークウェアのお洋服を作っているということです。なんでワークウェアを作っている子が旅をするんだろう、と疑問に思われるかもしれません。その答えを少しづつ、コラムを重ねる中で、読んでいただいている方に伝えていけたらいいなあ、と心に抱きつつまず第一回目、始めます。
この場所を訪れることに至ったきっかけは、私がよくいる富ヶ谷のレストランで出会ったカップルでした。
二人はNYから来ていたとてもおしゃれなカップルで、彼女はイッセイ・ミヤケの大胆なプリーツドレスに身を包み、彼はデジタリカルなグラフィックが施されたコーチジャケットとビッグシルエットのハーフパンツというスタイル。実は彼らとは初めましてではなく、今年の2月頃にもレストランに食事に来てくれていました。日本のドメスティックブランドのドレスと足袋ブーツの彼女と、メープルソープの写真が背中にデザインされたロングコートを羽織った彼。その時の彼らの姿が私の印象に強く残っていたので、今回は少し話しかけてみたんです。二人は日本のアートや建築が好きで、年に二回、日本を訪れているアートデザイナーのカップルでした。草間彌生芸術や安藤忠雄建築が大好きで、東京に来てはそういったアートの街を訪れていると話してくれました。その二人から「知ってる?」っと聞かれ、おすすめされたのが、「養老天命反転地」。彼女のインスタグラムを見せてもらい、その写真に一気に興味を惹かれました。
後で調べてみると1995年に美術家の荒川修作とマドリン・ギンズにより造られたアート建築らしく、ただ、流行りの’’インスタグラム映え’’に肖り、インスタ世代のホットスポットとして最近注目されてるところでもあるようです。
私が興味を惹かれたその写真には、所謂インスタ映えするアートな建築物と彼女が写っていましたが、惹かれたポイントはそこではなくて。あるのは違和感。何か変。なんでそんな角度で立っててるの?
そして、今回、このコラムを始めるお話をいただいた頃に、タイミングよく仕事で愛知県に行くことになり(私はこれを引き寄せの法則と呼びます!)もちろん寄り道して養老天命反転地まで行くことができました。
愛知県の豊田市でイベントを終え、名古屋のホテルに宿泊し、翌日レンタカーを借りて岐阜県養老町に向けて出発しました。平日で道も空いていたので片道約2時間ほどで養老町に到着。車中では、イベントでご一緒した、名古屋を拠点に活動されている移動コーヒーやさん「MIROKU COFFEE」さんの焼き菓子を朝ごはん代わりに食べながら向かいました。ちょっと普通じゃないレベルで美味しいんです、MIROKUさんのお母様手作りの焼き菓子。
岐阜県に向かう道は急カーブだらけの山道で、グリーンのグラデーションがとても綺麗で、途中にこんな吊り橋が出現したけど、通行不可でした。橋の真ん中はもっと綺麗なグリーンが見られそう、、渡ってみたかった。
予定より早く養老町に入り、目的地の’’「養老天命反転地」’’がある養老公園に到着しました。
まず最初に、サイトを見ていて気になった、結構な規模感のフードコートに向かい、
一通りお店をチェックしてお昼ご飯を調達です。5店舗ほどのお店がずらり。
たこ焼き、鹿肉ソーセージ、五平餅、塩焼きそば、
塩焼きそばは、通常は陶器のお皿に盛り付けられるシステムみたいで、
私はピクニック感を楽しみたかったので、パックをお願いしてチープなお祭りジャンクフードを完成させました。
飲み物は、ラムネじゃなくてこっちにしたけど、味はラムネ。
大きな敷地の中に11か所ものアートがあります。
最近、このアートの前や、中に入って携帯で撮影をしてインスタに投稿するのが流行っているみたいなんです。
みんな写真の撮り方をしっかりわかっているんです。
みんな迷うことなく建物の中でも外でもカメラマンと被写体が交代しながらバシバシ撮影が行われていく状況です。
私は、撮影の仕方を先に予習せず、アートを自分の目と肌で感じて理解してから撮影に入ろうと訪れたので、
最初は1つ1つ丁寧に見て、入って、感じて、写真を撮る、という流れをやってみたのだけれど、
それが、全然意味がわからない。要するに、天と地が逆転したアート、なんだと思うのだけど、
全くそれだけではない、それ以外の要素が強すぎてとても複雑な建築物ばかり。
なので、とりあえず、一通り回ってみることにしました。
天地が逆転して、この大きな敷地が仮に日本列島だとしたら、という設定で描かれた岐阜県が、この建造物の床に描かれていて、
床と天井が逆さまになり屋根となっています。そして、天地がひっくり返ったように視覚的に感じさせるように、床側(ここでは天井)にその上に乗っているかのように、その上の何枚もの板が重力に逆らって形成されている。ように見せているのは、相当大変な工程と作業で作り上げられたんだろうなあと感じました。これだけ入って、見て、感じたら、撮影できそうなのに、ただただ、意味がわからない。。。だから、写真の納め方もわからず、、、周囲のお客さんは分かってるように、パシャパシャシャッターを切ってる感じを醸し出してて。遠目で盗み見して真似しようとしても、結局画角と構図がわからない。
この写真は丘の上からの景観です。
緩やかな坂の盛り上がった小道を登りきったら少し開けた空間になっていて、そこに座って撮影しました。
ここでも、来た人はみんなHOW TO があるみたいで、この辺りに立ってここから撮影する、という流れをやっている人を数組かは見かけました。その人たちの様子を遠くから見ていても、やっぱり、、、わからず。。。
こんなアート建築が広い敷地内でたくさんあって、遊園地のアトラクションを巡っている感覚で楽しめます。
養老天命反転地記念館・養老天命反転地オフィス
ここは入れませんでした。建物の中では私は一番好きでした。
外壁の24色はすべて内部にも反映され、不規則に注ぐ自然光の効果とあいまって、不思議な空間を作り出しているそうです。
中、見てみたかったなあ。
左の大きな滑り台を背景に横での写真と、滑り台前の大きな落とし穴の前での写真はインスタ写真投稿数の多いホットスポットで、ここではみんなと同じ撮影をお決まりとしてやっておきました。
一番飲み込むのに時間がかかった、というより、未だによくわかっていないのかもしれません。
岐阜県の屋根の建物の中です。
『極限で似るものの家』というタイトルらしい。
キッチンやベットやソファ、テーブルなど、家の中の家具が空間が切り離されたように変に切断されています。
全然わかりませんでした。誰か、分かる人、教えて下さい!笑
最近、こちらのコラムを始めるにあたって、カメラを持って行動するようになりました。
カメラ小僧デビューです。まだ、新米ほやほやだからこその、感想なんだろうなと思うのだけれど、
‘’何か’’を撮影することにおいて、被写体の意味、存在を理解していないと、構図を画角もわからなくて写真に収められないんだということを強く実感した場所でした。たくさん写真を撮ることを目的に訪れたはずなのに、結局、シャッターが全然押せなかった。
例えば、もし、私がカメラを操り出して、’’だいたいこんな感じでしょ’’って撮り方をしてしまう時期が訪れたとしたら、
初心に帰るために訪れたいなあ。
気になる方は、ぜひ、カメラ小僧スタイルで行かれることをお勧めします。
岐阜県養老市 養老天命反転地
営業時間:9:00~17:00(入場時間は9:00~16:30)
料金:大人750円/高校生500円/小中学生300円(小学生以下の乳幼児は無料)
休園日:毎週月曜日(月曜日が祝日の場合はその翌日)/年末年始(12月29日~1月3日)
小中学生、高校生のみの入場は出来ません。
【公共交通機関をご利用の場合】
養老鉄道をご利用いただき、養老駅で下車してください。養老駅から徒歩10分ほどの所にあります。
【お車をご利用の場合】
関ケ原ICから約25分、大垣ICから約20分です。
【駐車場料金】
普通車:300円
大型バス:840円
養老天命反転地サイトURL
http://www.yoro-park.com/facility-map/hantenchi/
名古屋から岐阜に入り、ふたたび名古屋に戻った翌日、帰りの夜の新幹線まで
名古屋を少し探索しました。
大須の商店街にある、お蕎麦屋さんでお昼ご飯。
ざるきし、という、きしめんをざるにしたメニューをいただいたのですが、
お蕎麦屋さんだけど、ざるきし、が気になりすぎてしまった。
とても美味しかったです。優しいお汁で、病み上がりだった私には本当に癒されるおうどんでした。
お蕎麦の蕎麦粉はおばあちゃん自ら食べ歩いて、選んだ蕎麦粉を調合して打っているそうです。
次は、かならず、お蕎麦いただく。。。
丁子屋
【営業日】
全日 11:00〜20:00
【住所】
愛知県名古屋市中区大須3-29-6
【アクセス】
■駅からのアクセス
名古屋市営地下鉄名城線 / 上前津駅(出入口8) 徒歩3分(190m)
名古屋市営地下鉄名城線 / 矢場町駅(出入口4) 徒歩8分(630m)
名古屋市営地下鉄鶴舞線 / 大須観音駅(出入口2) 徒歩9分(710m)
■バス停からのアクセス
名古屋市バス 中巡回 上前津 徒歩4分(250m)
名古屋市バス 栄21号 矢場町 徒歩5分(370m)
名鉄バス 基幹バス本地ヶ原線01 矢場町 徒歩5分(380m)
【サイト情報】
http://osu.co.jp/shop_search/shop_details.php?ac=S/s2906choji
お休みだったパン屋さん
お店の佇まいに心やられてしまい、ドアの下のカーテンの隙間からちらっと覗いちゃいました。
盗み見してごめんなさい。ただ、盗み見して、絶対、次名古屋くる機会には是非訪れたいと思いました。
SURIPU
【営業日】
8:00~19:00
定休日 月・火曜日
【住所】
名古屋市中区千代田2丁目16-20 安井ビル1階
TEL: 052-263-3371
【アクセス】
地下鉄鶴舞線 鶴舞駅1番出口より徒歩2分
【サイト情報】
https://crmcn1.wixsite.com/suripu3
名古屋・大須から少し離れた喫茶店
こちらの喫茶 クロカワさんは2年ほど前にこの場所で喫茶店を始められたそうです。
立地としてはあまり便利ではないところですが、建物自体が海外のアーティストさん(名前を忘れてしまいました。)デザインの物件だそうで、高い天井と程よいプレハブ感。ご自身で1年かけてD.I.Y.で作り上げた厨房とカウンターはとても素敵でした。ゆっくり落とす、ハンドドリップのコーヒーはもちろん美味しくて。ドリップされてるクロカワさんは、ドリップし終えた後、最後に、直接お湯を少し足していて、私はその所作を初めて見かけたので、これってクロカワさん流なのかな?帰ってやってみよう、と思いながらコーヒーの香りとともに今回の旅のことを思い返しました。
この旅の最後に、リラックスしながら旅を振り返るスキマをくれた喫茶時間。
美味しいコーヒーとこの時間を創るクロカワさんに感動、でした。
SNS等をやっておられないとのことなので、情報は控えます。
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