ロックでしか表現できない強さをパワフルに、ときには繊細に鳴らす等身大の4人組バンド・時速36km
メンバーは同じ大学で出会った、仲川慎之介(ボーカル&ギター)、オギノテツ(ベース)、松本ヒデアキ(ドラム)、石井”ウィル”開(ギター)の4人です。
年齢はまだ20代でありながらも、心の柔らかい部分に刺さる曲と熱量のあるライブで注目を集めています。
時速36kmとは?
時速36kmは東京江古田を拠点にライブ活動を行っています。
下北沢にあるライブハウスDaisyBarが設立したレーベル2DKrecordsに所属からCDデビューを果たしました。
メンバーは全員同じ大学で、オギノが2つの軽音楽のサークルに入っておりそれぞれ別のサークルで活動していた松本と仲川を引き合わせる形でバンドはスタート。その後、物販や製作のスタッフとしてバンド活動をサポートしてくれていた石井”ウィル”開が2018年の4月に加入し、現在の体制となりました。バンド名は松本が考案したもので名付けた当初は意味のない言葉でしたが、時速36kmとは人間が走ることができる最速のスピードということが後から発覚したというミラクルも。
2016年12月に結成され、2017年12月に1st EP「ドライビングフォース」を発売。翌年2018年7月8日には1stシングル「七月七日通り」を配信リリース、8月からは自身初のツアー「天上天下天地無双刀ツアー」を開催し、話題を集めました。
同年10月、下北沢DaisyBarにて自主企画「限りなくニビイロに近いブルー」を開催。その後11月には1stミニアルバム「まだ俺になる前の俺に。」を発売しました。
2019年1月13日に母校である武蔵大学4号館地下マルチスタジオにて初ワンマンライブ「健康」を開催。この公演を皮切りに全国ツアー「ヒーローなりきり変身セットツアー」を行いました。8月には同じレーベルメイトであるNOWEATHERとスプリット盤「door」、11月20日に2nd EP「最低のずっと手前の方で」と3rd EP「15才と文句」の2枚のEPを同時にリリースしました。12月17日、TSUTAYA O-Crestにて自主企画「エメラルド」開催。目まぐるしい早さで活動を続け時速36kmは世に広まっていきました。
2020年3月からは東名阪ツアー「信じたことが既に間違いでも」を開催する予定でしたが新型コロナウイルスの影響により中止に。そのためツアーファイナルを行う予定だった3月30日に急遽無観客ライブを配信しました。こちらの動画は期間限定でアーカイブにも残されていますので確認してみてください。
さらに6月3日にはこの無観客ライブでも披露された曲「優しい歌」が配信限定でリリースされます。これは3ヶ月連続リリースの第一弾となっており、8月まで嬉しいアナウンスは続きます。
ハヌマーンやeastern youth、bloodthirsty butchersから影響を受けており、メンバーは音源だけでなくライブがかっこいいバンドになりたいと語っています。
日々の早さで埋もれてしまいそうな鬱屈とした感情を歌に昇華する、繊細な歌詞も魅力的。こんなはずじゃないのにと今の生活を憂いながらも希望を捨てない人間味のある歌詞は聴く人の胸に響きます。歌詞を手掛けるのは仲川慎之介とオギノテツの2人。
カッコつけ過ぎず哀愁を誘い過ぎない等身大の歌詞は公式サイトでも公開されていて、このことから歌詞も大切にしているバンドだということが分かります。
YouTubeにあるおすすめの動画
素晴らしい日々
ベースオギノが作詞を手掛けた作品。
冒頭で”嫌なのは嫌になることがない事”と歌われている通り、大きな変化のない日常の憂鬱を元にした曲です。何者にも成れないまま少しずつ大人になってしまう悲しさや苦しみが、音となって心の柔らかいところまで浸透してきます。軽やかなギターのリフが少しずつ前に歩いている様子をイメージさせ、MVのような等身大のドラマを感じます。
動物的な暮らし
全力疾走をしているような力強い演奏が胸に刺さります。喉の振動だけで歌うのではなく、魂で歌う仲川の声が非常にエモーショナル。ロックでしか言い表せない儚さがあります。ライブに近い肉体感があり、イヤホンで聴いていても、ライブハウスで演奏してる姿が脳裏に浮かんできます。
銀河鉄道の夜明け
生身の人間の気配を感じる曲。心情描写が豊かで聴いている人の傷口を開き、その傷にまつわる思い出まで蘇らせます。傷付けるのも傷付けられるのも1人じゃないからこそだと痛感させられます。美学のあるメッセージに反して、流れるようなメロディが頭を空にしてくれる温度感の高い曲です。
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