いま感染力の強いバンド「フレデリック」。多種多彩な躍らせ方と繰り返しの中毒性
フレデリックという感染力の強いロックアーティストが日本には存在する。「オドループ」でその名を世に轟かせ、「オワラセナイト」「トウメイニンゲン」「ハローグッバイ」で幅の広さを見せつけ、「オンリーワンダー」「リリリピート」で王道、彼ららしさをマックスでぶつけてきた。彼らの魅力は”繰り返しの中毒性”この言葉に集約されると思っている。それは新しいミュージックビデオ「リリリピート」のタイトルにも現れているし、「オドループ」から一貫してつき抜かれている彼らのスタイルだ。今回はそんなフレデリックの楽曲の魅力をミュージックビデオとともに掘り下げていってみたいと思う。まずは「オドループ」から。
フレーズとダンス、繰り返しの中毒性―「オドループ」
フレデリックの名前が世に届くきっかけになったのが、もはや説明不要の楽曲「オドループ」。恐ろしい中毒性を持った楽曲で、その名の通り、何度も繰り返して聴きたくなるナンバーに仕上がっている。中毒性を引き起こしている要因はいくつかあるが、繰り返されるフレーズとダンスが大きい要因としてあるように思える。イントロの鉄琴らしき音(この音を聴くとフレデリックだ!と一瞬でわかるサウンド)とギターフレーズ、サビでの「踊ってない夜を~」の繰り返しなど、これが中毒性のフックになっている。もうひとつはダンス、アリスムカイデとうちだゆうほの二人のシンプルで真似したくなるようなダンスがこの楽曲の魅力をさらに盛り上げている。まるで、VINEで思わず何度もループしてしまう動画のよう、「オドループ」はそんな楽曲だ。
4つ打ちロックではない躍らせ方―「オワラセナイト」
「オドループ」現象が起きる中、続いて出されたミュージックビデオが「オワラセナイト」。この楽曲で「オドループ」から引き継がれたものと引き継がれなかったものがある、いったいなんだろうか。引き継がれたのはイントロの鉄琴の音色、女の子二人のダンス、そして引き継がれなかったものは”4つ打ちロック”だ。「オドループ」がこれだけブレイクして、定石なら次も4つ打ちロック! となるところをあえてはずしてきた、そしてしっかりと”踊れる楽曲”に仕上がっている。この楽曲は彼らなりの4つ打ちロックへのアンサー的な曲なのだろうと思う。「夜が終わるから新しい朝を迎えることができるように、今起きている出来事を終わらせないと前には進めない、はじめるために終わらせないと!」。
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大事なことは本人に言えよ 大事なことは本人に言えよ「トウメイニンゲン」
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