1998年から韻シストというヒップホップバンドでラップを担当しているBASIと申します。レペゼンは大阪。血液型はO型。性格はおおらか。嘘です。BASIC MUSICという自身のレーベルもやっています。常にラップやリリックのことを考えているので、今回こうして書き物のお仕事を頂けることを嬉しく思います。
唐突ですが、リリックの書き方にはパターンが2つあります。まず1つ目はペンや鉛筆で書く。2つ目はPCやiPhoneに打つ。今日はこの2つについてお話します。
“振り返れば、大半のリリックが移動中に生まれた”
ペンや鉛筆は速度が強みです。思いついたと同時に手が書き終えてますし、次の言葉につながる速度が強みです。PCやiPhoneを打つ速度は遅いので、頭では浮かんでいるのに、入力してる手が追いついていない。脳みそを待たせてる。あいつを待たせてる!になります。ただ、PCやiPhoneの強みは、当たり前の話ですが、文字がキレイ。忘れた漢字も一瞬にして変換されます。その点、ペンや鉛筆は字が汚く、この漢字ぐらい書こうぜ的なヤツが、情けないひらがなファッションになっていたりします。なんとなくムードがない感じがしてきて、集中力がなくなっていきます。っていうことを考えると、今は8対2ぐらいでPCやiPhoneで打つことの方が多いです。海外のナウなラッパーを見ても、大半がiPhoneです。他にiPhoneのメリットとしては、移動の時なんかの利便性です。長時間かけて移動することが多いので、その時間を活用してリリックを書きます。この場合、ペンや鉛筆で書くと、揺れによって丁寧に書けないので、やっぱりPCやiPhoneになります。ここで無敵なのは、充電さしっぱなし書きです。メールやLINEなどと違って、膨大なリリックを書く場合、充電の減りが鬼早です。新幹線の時は、窓際コンセント有り席を取ってもらいます。振り返れば、大半のリリックが移動中に生まれたと思います。
では、レコーディングの時はどうしているか。
一番いい状態は、フル暗記で覚えて、何も見ずに挑むに尽きます。この場合、目で文字を追う行為がひとつ減るので、リズムを鬼コントロールすることができます。鬼コンです。二番目に、紙に書き起こして片手で持つ。もしくは譜面台に置く。この場合、気になるブレスの位置や被せ(ダブル)の位置などをペンや鉛筆で迅速に記すことができます。三番目は、iPhoneを片手に持つ。これは書き起こす時間を短縮できることが最大のメリットです。注意点は、指でヘンなところをタッチしてリリックを見失わないこと。メールが届いて画面が変わったり、着信あったらどうしようなど。そういう時は機内モードにして録ったりもします。あと、ノートPCで録ったこともありますが、重いなって途中で思い始めてしまいます。こういった端末タイプは気になってしゃあないことが多いです。みんなどうしてんねやろ?
あと、関係ないですけど、電気を消して録ります。この場合、紙タイプは電球別枠ピンポイントで照らして録ります。サッコンは、これでもかっていうくらい部屋を明るくします。普通のスイッチのやつは照りがオンリーですが、絞るタイプの電気。あれを「強」にします。細かいマイクリレーの時は、何度も何度も交代して録るので、「消す」対「強」の対決になります。お互い次の人のことを思って、強にしたり消したりしてあげないので、「消す」対「強」の対決になります。
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“自分たちでも感動する大きなトピックであります”
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