2016年12月29日(木)から31日(土)にかけて、東京ビッグサイトにてコミックマーケット91が開催されます。すでにお伝えしていた通り、MEETIAでは、今回の出展者の中から独断と偏見で注目出展者を選び出し、事前インタビューを行いました。紹介するのは全13サークル。すでに著名な方から来年ブレイク間違いナシのアーティストまで、幅広く取材しました。「コミケには行ってみたいけど、どのブースに行けばいいのかわからない」というコミケ初心者から「誰出るかなんてとっくにチェック済みだけど?」というコミケ猛者まで、さらには「コミケって何?」という人も、とりあえずこの記事読んどけば、今回のコミケでどんな人が話題になってるのかわかります!ではいってみよー!
Interview_Milk Takanashi、Yui Usui、Anne Akagi、Kuju Arato
Edit_Sotaro Yamada
コミケ91(C91)注目出展者リスト
岸田教団&THE明星ロケッツ
MONICO
オメでたい頭でなにより
科楽特奏隊
石鹸屋
ジェーニャ
細江慎治
はるまきごはん
ナナヲアカリ
ぷにぷに電機
秋葉原重工
wavforme
Diverse System
岸田教団&THE明星ロケッツ(三日目 西れ-25a)
岸田(Ba.)、ichigo(Vo.)、はやぴ〜(Gt.)、みっちゃん(Dr.)からなるロックバンド、岸田教団&THE明星(あけぼし)ロケッツ。もともとはリーダーの岸田さんがゲーム音楽のアレンジなどを公開していたのですが、2007年よりバンド形態に。コミケでのCDリリースは2005年の冬コミから。2010年にTVアニメ『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』の主題歌でメジャーデビュー。今回はリーダーの岸田さんにお話を伺いました。
ーーコミケ特集の一環としてのインタビューですので、まずは、岸田さんがコミケに参加するようになったきっかけを教えていただけますでしょうか?
岸田:大昔の話になりますがメール系のTRPGみたいなものが盛んだった時代がありまして、主催者の方がサークル参加していてその流れで参加したのが初参加だと思います。
ーー岸田さんがお感じになるコミケの魅力とは何でしょうか?
岸田:あまりに普通に出ているせいで難しい質問ですね・・・。気付いたら15年くらい出続けているので改めて考えるとやはりあのお祭り感かなあ・・・。やっぱり特別な日だと思います。
ーー上の質問に関連して、メジャーと同人を並行して活動する理由は何でしょうか?また、同人音楽シーンには、メジャーと比較してどういった特性や良さがあると思いますか?
岸田:まず最初に自分は同人サークルの方がメイン、というイメージで生きているのがあります。特性としては間違いなくカオスなこと。それがそのまま良さだと思います。そんなんアリかよ!?ってものが普通にあってすごい・・・。
ーーシナリオライターである麻枝准さんが岸田さんにとってのカリスマだと、あるインタビューで読みました。岸田教団&THE明星ロケッツの音楽には、麻枝作品からの影響はあるのでしょうか?あるとしたら、どのような部分でしょう?(※麻枝准……まえだじゅん。ゲームシナリオライター、音楽プロデューサー。『key』を人気ブランドにした立役者の一人)
岸田:世界観。割と本気でKey行きたかったですね・・・。
ーー岸田さんは福岡在住とのことですが、コミケ当日は東京にいらっしゃいますか?
岸田:もちろんです。
ーーichigoさんも来ますか? 新曲『Blood on the EDGE』のMVでichigoさんが手ブラをしていたのには驚きましたが、コミケ当日、ichigoさんの手ブラはありますか?
(『Blood on the EDGE』MV。ichigoさんのカッコ良い手ブラあります。)
岸田:ichigoさん、今年こないそうです(真顔
ーーえっ!……そうなんですか……。あっ、露骨に残念な顔してすみません。最後の質問ですが、今回のコミケで頒布する新譜、もしくはイチオシの作品について教えてください。
岸田:野音のブルーレイでます!またあの禍々しいさんかくさん(仮)がいつでも見れます。
岸田教団&THE明星ロケッツ(公式)
岸田教団&THE明星ロケッツ(ワーナー)
MONICO(一日目 東ケ24b)
アニメ、ゲーム、コスプレ、音楽、ファッション。様々なカルチャーをクロスするハイブリットガールのMONICO(もにこ)さん。ハードコアな楽曲とキュートなルックスのギャップがたまらないです。アートワークもカッコ良く、tofubeatsやでんぱ組.inc等のプロダクトデザインを担当するGraphersRockが参加するなど、豪華クリエイター陣がMONICOさんの元に集結。2017年ブレイク間違いナシのアーティストです。今回はなんと、写真集の内容をMEETIA限定で先行公開させていただくことになりました!超キュートなMONICOさんの魅力をいち早くお届けします!Tomgggさん作曲による新曲を聴きながらどうぞ!
ーーコミケに出展することになった経緯を教えてください。
MONICO:元々アニメや漫画が好きで、趣味でコスプレをしてコミケに遊びに行っていたのですが、コスプレを通してできたお友達にサークルの売り子を頼まれ、その際に私の写真集も一緒にだそう!とお誘いしていただいたのが始まりでした。
ーーコミケというイベントにはどういった印象がありますか?
MONICO:好きなものを求めて沢山の方が集まりますし、サークル側も好きなものを作って頒布する方がほとんどなので、とても楽しくて素晴らしい空間という印象があります。買いに来た側の方もサークル参加側の皆さんもみんな帰宅するとき幸せそうなのが毎回印象的です。
ーーコミケ、M3など同人音楽シーンはメジャーな音楽シーンと比較してどういった特性や良さがあると思われますか?
MONICO:今回M3に初参加をさせていただきましたが、たくさんのチャンスを感じられる空間であると思いました!たくさんのクリエイターさんと直接お会いしたりなど、その瞬間から始まる未来の音楽が存在するのでは!?と新発見が沢山ありました。アーティストやクリエイターさんにその場で直接お話しをしたり意見交換などできる場としては、M3などはすごく魅力的な場所のような感じがします。まだまだ他にもたくさんの魅力があると思いましたので、次回も新しいことを発見したいと思いました!もちろんお客さんとして参加してもすごく楽しいと思います!
ーーコミケでしか頒布しない作品や新譜などあれば教えてください。
MONICO:コスプレ写真集はコミケでしか頒布してないです!毎回新作しか頒布しないので、その時手に入れないともう手に入らない写真集となってます、是非コミケでゲットしていただけたら嬉しいです。
❄️冬コミ1日目!予約受付中
⚡️写真集+オリジナル楽曲+ステッカー「COLOR」⚡️
&
🎀サンシャイン‼︎コス写真集
「SUNSHINE IF」🎀予約特典は直筆メッセージ付きブロマイド⚡️⚡️
是非予約してね☺️https://t.co/R5JFXMQfwD pic.twitter.com/c0Fqur2f5x— モニ子@冬コミ1日目東ケ24b (@monico_PC) 2016年12月25日
ーー歌詞を思いつくのはどんな時でしょうか?
MONICO: 考え込むと思いつかなくなるので、普段は電車の中だったり 歩いてる時にふと思いついた何気ない言葉をメモ帳にどんどん書き留めています。いざ作詞するぞ!というときに、メモ帳の言葉を使って清書するように歌詞を書いてます。前作から少しずつ歌詞を書くようになりまだまだ勉強中ですが、がんばりたいと思います!
ーー読者にもできる、可愛く写真にうつるためのコツを教えてください!
MONICO:私の場合は、自分を人気アイドルや人気女優だと思い込むと可愛くうつる気がしています。本気で思い込まないと効果がないので本気で思い込んでください。
ーー音楽系に限らず、コミケで気になっているサークルさんなどあれば教えてください。
MONICO:冬コミ3日目 西れ20abのREDALiCEさんのサークルは絶対行かないとです!同人漫画やイラストはこっそり買いに行くので、見かけても見ないふりをしてください…(^-^)!
ーーコミケ参加への意気込みをお願いします!
MONICO:コミケで2ndシングル販売スタートの「COLOR」は、今回全ての楽曲の歌詞をMONICOが挑戦させていただきました!さらに、前回に引き続きREDALiCEさん、Tomgggさんにも作曲いただいております!もう一つは、念願かなって禁断の多数決さんにも楽曲提供していただきました。3曲はどれもバリエーション豊かでいろんなMONICOの歌声と強力な制作陣のみなさまにバックアップしていただきましたので、最高の音源作品集になったと思います!そしてGraphersRockさんにデザインしていただいた写真集は、言葉にできないくらいかっこよく仕上げていただきました!今までの私にないクールなMONICOを表現できるように頑張りました! 是非ゲットしに来てくださいね!冬コミ寒いけど頑張ります(^_^)v
オメでたい頭でなにより(三日目 西-れ54ab 赤飯の種・まおぽん)
MEETIAで大プッシュ中のオメでたいバンド、オメでたい頭でなにより。今回は代表として赤飯(Vo.)さんにオメでたいインタビューを敢行!(参考:『オメでたい頭でなにより、骸骨祭り登場!オメでたいライブレポ』、『2017年ブレイク必至!オメでたい MVが公開!』)
ーー夏のコミケに引き続き、今回もコミックマーケットに出展される理由についてお聞かせください。メンバーの皆様の出展回数や、コミックマーケットならではのこだわり、大切にしている思いがあれば、あわせてお聞かせいただけると嬉しいです。
赤飯:コミケは…そうですね…元々自分たちの出身地に根付いたもので、多様化している文化の集合体の一つだと思います。実際界隈には長く居るものの、自分が参加し始めたのは2015年の夏からなので割と最近ですね。自分たちの作る音楽をその場で即売できるというのがとても大きなポイントだと感じています。ライブで毎回手売りするよりもたくさんの方に来ていただける機会なので。話しかけた海外の方がCDを試聴して、気に入って買っていってくれるのとかめちゃくちゃ嬉しいですよ(笑)。
ーーコミックマーケットというイベントにどのような印象をお持ちですか?
赤飯:ヲタク文化云々とステレオタイプな見方もされがちですが、自分たちの作品を売る機会があるならお邪魔させていただいた方が良いですし他のバンドさんも是非出展されてみてはいかがでしょうか?(笑) 垣根という垣根が昨今どんどんなくなってきていますし、いろんな偏見もとっぱらっていけると良いなと思っています。
ーー最近は同人音楽シーンから生まれ、第一線で活躍されているアーティストが増えてきているのかな、と感じます。それを踏まえ、皆さんが目標にされてきた、または今もしている同人音楽出身者のアーティストさんがいらっしゃれば、教えてください。
赤飯:米津玄師さん、ヒトリエさんの活躍は見ていて励みになりますね。
ーー今回のコミックマーケット頒布物についてお聞かせください。ブログ、チェックをさせていただきましたが、パッと見て気になるのが、ライブDVDの『VRメガネ&VRコンテンツ3曲(Mカード付き)』です。今年はVR元年ともいわれ、確かに「オメでたさ」が滲み出るグッズなのですが、これはどういったアイディアから生まれたのでしょう?
赤飯:今オメでたい頭でなによりに集まってきてくれている人たちはみんな熱い人たちばかりで、オメでたい光景を広げるために協力したいと心底応援してくれています。VRも8.29ワンマン前に出会ったVR Gatewayの根本さんとオメでたメンバーの熱い部分がリンクして実現したものです。この場を借りて改めてお礼を言わせてください。ありがとうございます!オメでたい頭でなによりはライブをとことん大事にしているバンドです。そしてそのライブを一緒に作り上げてくれるフロアの単幸暴(ファンの呼称)のみんなと一緒に汗だくで騒いでいるその空間こそが我々が発信したいものでパッケージとして伝え広げていきたい事象です。360度を一気に撮影できるVR技術のおかげでステージも客席も全てが同時に見られるように、正にライブ会場に足を運ぶような体験ができるようになりました。もちろんあくまで擬似体験ではあるのですが、本物に近い感覚は味わえるはずですし、それが本物のライブを肌で感じたいと思える大きなきっかけになってくれるのではないかと期待しています。
ーー2016年は皆さんにとって、激動の1年だったと思います。そんな1年の最後の日をコミックマーケットで締めることになりますが、その点の意気込みや気合・来場者の方へのメッセージなどをお願いできますでしょうか!
赤飯:2016年自分たちの活動のスタート地点と言えるかもしれない自主企画2マンイベント『Free Mosh License(通称FML)』の手売りチケット販売をしたのが昨年の冬コミでした。そしてそこから丸1年。去年の自分に、来年の自分はこうなってるよって教えてあげても、絶対に信じないだろうなって思えるような状況が今、我々を取り巻いています。それぐらいとんでもないスピード感でいろんな物事や状況が変化していった1年でした。今まで生きてきた中で正直一番生きている実感がありますしワクワクしています。そんな最高かつ最幸な1年の始まりと終わりにきちんと自分たちの作品をたくさんの人に届けて、直接顔を見てお礼を言えるオメでたい機会です。しっかり声出して臨みます。風邪ひくなよ!寒さ対策しろよ!健康第一だぞ!来年もまた笑顔で会うために気合入れて年の瀬のあいさつしましょう(笑)。
オメでたい頭でなにより(公式)
オメでたい頭でなによりLINEブログ
科楽特奏隊(三日目 西ゆ22a)
「特撮を愛し、特撮を奏で、特撮を広める」をモットーに、幼少期より特撮を愛し続けてきた精鋭ミュージシャンたちによって2012年に結成されたバンド、科楽特奏隊。公式サイトによると、「正義と怪奇のダンスフロア対応型特撮リスペクトバンド」とのこと。メンバーは、ロックバンド・オワリカラのタカハシヒョウリ(Vo. & Gt.)、エンタメユニット・夏の魔物のリーダーであり大森靖子&THEピンクトカレフでの活動も有名な大内雷電(Ba.)、throwcurve、The Future Radioの中村遼(Gt.)、imamon、シガレットケースのマスダシン(Dr.)、THEラブ人間の元ベーシストで、特撮デザイナー/イラストレーター岡本英郎の娘であるおかもとえみ(Syn.)、兵器開発担当のイッチの谷博士(すべて地球名)。彼らのステージにはスーパーロボット・イッチバロンや、ナゾの怪人ダンサーやヒーローたちも出現する……意味がわからない人は調べてみてください。今回はバンドの発起人である大内雷電(おおうちらいでぃーん)さんにインタビューさせていただきました。
(科楽特奏隊『ウルトラマンの歌』MV。カッコ良すぎてスペシウム光線しちゃうヤツ。)
ーーまずは、コミケに出展することになった経緯を教えてください。
大内:ミュージシャンとして音楽活動を長年やっておりましたが、幼少期より特撮やアニメ、漫画、ゲームに慣れ親しんでいたこともあり、コミケにはずっと興味がありました。科楽特奏隊のコンセプトとして「特撮を愛し、特撮を奏で、特撮を広める」というものがあるのですが、これは一種の「同人活動」だと思い、コミケに出展するという長年の夢をこのバンドなら果たせるのではないかと思い、応募しました。周りのバンドマンやミュージシャンにそういった活動をしている人は当時いなかったので、ある種のチャレンジだったと思います。
ーーコミケというイベントにはどういった印象がありますか?
大内:一言で言えば「熱気」です。自分の好きなものに命を掛ける、とんでもない熱量を持った戦士が集結する空間。そもそも開催がお盆と年末ですから、生半可な覚悟がないと来れないと思います(笑)。僕らは出展が3日目なので毎回12月31日になるのですが、この日を「エクストリーム大晦日」と呼んでおります。
ーーコミケ、M3など同人音楽シーンはメジャーな音楽シーンと比較してどういった特性や良さがあると思われますか?
大内:ボーカルのタカハシヒョウリは「オワリカラ」として、大内雷電は「夏の魔物」としてバンドでメジャーデビューして活動しているのですが、制作としましてはやはり関わる人数が圧倒的に少なくなるので、小回りが利きます。もちろんメジャーのように一般の方に向けた大規模なプロモーションはできませんし予算もありませんが、その分、極一部のコアな趣味を持つ人に向けたものを作ることができると思います。
ーーコミケでしか頒布しない作品などあれば教えてください。
大内:生産数や予算、制作期間などがネックでCDショップなどで一般流通させることはできないライブDVDを作りました。また、超私的なムック本なども頒布しております。
ーーライブハウスとコミケを比較すると、客層はどのような違いがあると思われますか?
大内:ライブハウスではCDを買うとなると、ライブを見て、気に入ったバンドをチェックして、物販コーナーでCDを調べて…という流れがありますが、コミケでCDを売っていると、まず気になったらとりあえず買ってみて、内容は後から家でチェックするという方が多いです。これは「音楽を買う」という行為の上での大きな感覚の違いがあると感じます。
ーー音楽系に限らず、コミケで気になっているサークルさんなどあれば教えてください。
大内:昔からファンだった漫画家さんやイラストレーターさんが多く出展してらっしゃることが、私にとって高いモチベーションとなっております。漫画家の島本和彦先生、田中圭一先生、清水栄一先生と下口智裕先生。イラストレーターの開田裕治先生、西川伸司先生、大張正巳先生といった、自分が小さな頃から触れて、育てられてきたものに第一線で関わっていらした方がたくさんおられます。
ーーコミケ参加への意気込みをお願いします!
大内:大晦日は本来おやすみする日ではありますが(笑)人生はムチャクチャに動いた方が絶対楽しいですから、「エクストリーム大晦日」をビッグサイトで共に迎えましょう。今回は、今年夏にリリースしました新譜『ウルトラグレイトフルヒッツ2』のミュージックビデオのメイキングDVDを販売します。熱いシーンが多々あるMVですので、その裏側も面白いです。当日この会場で「このインタビューを見た」と言ってくれた方にはオマケも差し上げますので是非お越しください!
ーーおお!ナイス情報ありがとうございます!みなさんぜひ、当日は「ミーティアのインタビューを見た」と言って大内雷電さんからオマケもゲットし、「エクストリーム大晦日」をともに過ごしましょう!
石鹸屋(一日目 東4 シ-64ab)
2005年より、東方Projectの楽曲アレンジなどで継続的にコミケに出展してきた石鹸屋。2010年にはメジャーデビューし、同人音楽発のメジャーバンドとして注目を集めました。今回は、リーダーのhellnianさんにお話を伺うことができました!
ーー2005年からと、石鹸屋様は長くコミケに参加されていますが、コミケに出展することになった経緯はなんでしょう?
hellnian:同人活動されている友人に東方を勧めて頂いて、そこでハマり、東方は音楽で同人活動されている方も多いと言う話を聞きまして。当時の石鹸屋のメンバーとはコピーで曲を合わせるぐらいしかしていなかったので、この話をしたら興味を持ってくれて、やってみようって話になり同人作品を作りました。そこでやっぱり出すならコミケだなって参加しました。
ーーメジャーデビューされてから6年ほどになりますが、コミケ、M3など同人音楽シーンは、メジャーな音楽シーンと比較してどういった特性や良さがあるとお考えですか?
hellnian:どれほどメジャーの事を知っているのかと言うところは自信を持てないのですが…。作った作品を直接手に取って頂ける事、やりとりが出来る事って言うのは同人活動、自主制作の活動の醍醐味ではないかと。メジャーの作品は基本はお店に並ぶと思うので、受け取った人の顔と言うのはなかなかその場で見る事は叶わないと思います。勿論同人作品も同人ショップから購入する方もいらっしゃいますが、会場で直接やり取りを出来るって言うのは大変だけども同人の活動の中で楽しみにしている事の一つです。あとは楽曲や作品の出来の判断を自分達のみで行える事も大きいかと思います。これが良い事か悪い事かはまた話が変わってきますが大きな違いの一つだと思います。自分でプレス作業や入稿の手続きをする事も違いますよね。色々勉強になります。
(hellnianさんのソロ曲『ガンガンガガンガ!』MV。hellnian分身す!)
ーー今回の意気込みを教えてください。
hellnian:今回は手焼きCDということで作りとしては簡素なものになってしまっているのですが、楽しみの一つですね。一つ一つCD焼いたり、封入したりと、これを受け取ってもらえるかな、とか考えたりして楽しいです。プレスの作品を作るには今回はちょっと難しい時期だったなぁと言うのも勿論ありますがっ!コミケの日にはいつも思いますが、年に2度しか無い色んな人と会えるまたと無い機会って言うのもあって。個人的にはですけども。意気込みとは違うかもですが、みんな元気してるかなーとか楽しみにしてます。
ジェーニャ(三日目 西れ01b パパはスペツナズ!)
日本で声優、歌手、タレントとして活動しているジェーニャさん。ロシア人としてロシアで育ちながら、日本のアニメが好きすぎて声優を目指すようになり、日本に来たのだそう。もしかすると、日本人よりも日本を愛している方かもしれません。NHK・Eテレの番組『テレビでロシア語』などにも出演しているので、見たことがある人も多いのではないでしょうか?また、お父様が軍人で、過去には特殊部隊・スペツナズの中佐であったことなど、興味深いプロフィールの持ち主です。そんなジェーニャさんもコミケを楽しんでいる一人。出展するとの情報を聞き、インタビューさせていただきました!
ーーまずは、ジェーニャさんがコミケに出展するにいたった経緯を教えてください。
ジェーニャ:初めてサークルとしてコミケに出展したのは、2005年だったかな。7月に日本に引っ越して、8月に夏コミで「未来のワタシ」というシングルを出しました。2年間ほどサークル参加してシングルやミニアルバムを出していましたが、その後は、しばらくサークル参加もコスプレも控えてました。「同人ではなく、プロの声優としてお仕事したい」という気持ちが強くて、一人前になってからまたコミケに戻ろうと決心しました。キャリアを積みつつ、声優や歌手活動をしていて、6年ほどコミケを休みました。ですが、やっぱり、コミケが大好きで、ここ数年また行くようになって、まずはコスプレ参加から。『艦これ』の愛宕や『ラブライブ!』の綾瀬絵里のコスプレをして、楽しくなってきちゃって、今度は完全にセルフプロデュースで新しくサークルを立ち上げることにしました。事務的な手続きも全て自分でやっていて、日本語が難しくて大変でした(笑)。例えば、駐車場の申し込みのやり方を読み落としたり、締め切りを忘れちゃったり。今回はついに駐車場も取れました。自分でやっていると言いつつ、心強い仲間が周りに集まって、「パパスペ」(パパはスペツナズ!)の皆さんに支えてもらっています。
ーー上の質問に関連して、ジェーニャさんにとってコミケの魅力とは何でしょうか?
ジェーニャ:一言で言えないと思うけど、やっぱり、コミケはたくさんの人の「好き」が集まっているからこそ、出来た現象だと思います。日本以外で同じようなことをやろうとしても、すぐには出来ないし、一生出来ないかもしれません。自由に自分の表現をして、自由に物を作って、その自由度がとても魅力的です。同人誌を出したり、コスプレしたり、お客さんとして買い物を楽しんだり、私自身も色んなコミケの経験をしていますが、いつも楽しいです!だけど、やっぱり、サークル参加が一番好き。今回は3回目なのですが、新刊を楽しみに待っているお客さんがたくさんいて、期待に応えなきゃなと、頑張りました!作品もですが、みんなと出会う場所でもあって、皆さんの嬉しい顔を見るのも楽しみの一つですね。
ーージェーニャさんの一番好きな日本のアニソンは何ですか?オールタイムベスト3曲と、できればその思い出について少し聞かせていただきたいです。
ジェーニャ:3曲とか、とても無理です(笑)。作曲家さんでしたら、菅野よう子さんの曲が好きですね。または、ラブライブ!の歌も大好きです。声優さんの曲もよく聴きます。例えば、林原めぐみさん、堀江由衣さん、桃井はるこさん、坂本真綾さんなどなど!アーティストすら3人に絞れないので、3曲はやっぱり難しいです。
ーー日本ではあまり知られていないロシアのおすすめアーティストがいたら、お聞きしたいです。
ジェーニャ:ちょうど今、2014年からMC&歌で参加しているゲーム音楽をオーケストラでやるコンサート「Game Symphony Japan」のロシア公演が終わって、帰りの飛行機の中でこのインタビューの回答を書いていますが、ロシアにいる間、久々に音楽チャンネルを見る機会がありました。最近のロシアの音楽は、「格好付ける」ことに精一杯で、PVなどはこっているけれど、音楽はあまり面白くないなと。きっと、今はそういう時期だな~と。クールでちょっと暗めの音楽が多い印象です。だけど、日本の音楽とはちょっと違うし、日本人にとっては新鮮だと思います。個人的に特に勧めたいアーティストはいないけれど、最近のロシアの音楽を調べてみると好みのアーティストに出会うかもしれません。ネットにあるチャートなどで聴けると思います。例えば、こちらです。
ーーお父様が軍人だそうですね。幼少の頃はお父様のいる軍の基地でタンクに入ったりガスマスクをつけたりして遊んでいたと聞きました。これは日本人にとっては非常に新鮮でユニークなエピソードです。この頃の経験で、今のジェーニャさんの活動に活かされていると感じることがあれば教えていただきたいです。
ジェーニャ:ガスマスクは一度も被ったことがありません!というか、絶対に嫌です(笑)。知っている方が知っていますが、私のお父さんは元軍人で、空挺軍のスペツナズ中佐で、チェチェン戦争にも行っていました。皆さん、私よりお父さんのことが気になるくらい、人気なお父さんなので、ツイッターで募集した質問を元に作ったビデオインタビューもあります(笑)。お父さんやお父さんの友達がみんな軍人で、私にとってミリタリーが日常なので、あまり萌えて来なかったけれど、日本でミリタリー好きが多いので、自分に出来ることなら、皆さんにロシアの軍隊の魅力を伝えて行きたいなと思います。声優としてもクラーラ役で出演している「ガールズ&パンツァー劇場版」や「THE NEXT GENERATION パトレイバー」など、多くの日本のアニメや映画の作品でロシア語監修・発音指導をしていますが、どうしてもミリタリーネタが多く、お父さんにもよく軍事用語や言い回しを確認しています。お父さん自身「何でも聞いてこい!」と、私のお仕事を楽しみにしているみたいです。何となくキャッチーでちょっとふざけた感じのサークル名が多いので、サークル名を考えた時「パパはスペツナズ!」が浮かびました。実際、その名前を日本で使えるのは、私くらいなんじゃないかな?^^
(ジェーニャさんがスペツナズのイヴァン中佐(ジェーニャさんのお父様)を質問攻め。……これって相当貴重な資料なのでは……?)
ーーガスマスクは被ってないんですね!すみません、勘違いしてました(笑)。では、今回のコミケで頒布する作品について教えてください。
ジェーニャ:今回のCDは、SPNTZ-003という番号で、「パパスペ」の3回目のCDです。今までは、CDシングル&ボイスドラマ『ねこのきもち』とベストアルバム『My Fight My Best』を出しましたが、今回は、全曲新曲、それも5曲も入ったCD『君と僕の季節』がメイン作品になっています。
もともと、1曲自分で作曲した曲があって、もう1曲友達が用意してくれた曲もあったので、2曲でシングルにしようと思っていたけれど、アルバクロウの稲垣さんというプロデューサーさんが更に3曲を用意してくださって、気がついたら、アルバムになっちゃいました(笑)。収録の時も大変助けてもらいました。おかげで限られた時間の中でなかなかいいものが出来たと思います。それがプロなりのコミケの楽しみ方なんじゃないかなと思いますね(笑)。
曲が揃ったとは言え、色んなところから来た曲なので、バラバラでした。そのまま並べちゃうのは嫌で、5曲をどうしても繋げたくて、悩みましたね。その中で、3曲の作詞が完成していて、まだ歌詞が付いていない2曲がありました。その2曲も私が作詞したのですが、キーワードやテーマを合わせて、曲に統一感を持たせました。「一緒に季節を巡る」というテーマです。各曲が色んな季節を表しています。
完成したCDを聞いてみると、最初から全ての曲が繋がっていたかのような出来になって、プロデューサーとして、大満足です!もの創りって、本当に楽しいなって改めて実感出来ました!
デザインもいつも自分でしているのですが、デザインでもテーマを表現したり、ジャケットのイラストを頼むにあたって、曲のヒントを入れたり、実は色んなギミックが詰まっています。
今回は5曲とちょっと少なめですが、お客さんに色んな楽しみ方をしていただきたいですね。一足早く新曲を聴ける試聴動画もあるので、よかったら聞いてみてください!
今年の冬も私自身も売り子をするので、皆さんにお会いすることを楽しみにしています!
(C91で頒布するジェーニャさんの新作『君と僕の季節』)
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