X JAPAN入門 一般常識として知っておきたい6曲
Rock will be alive and well with @XJapanOfficial and @YoshikiOfficial 🤘 pic.twitter.com/nXeyK3Ns0B
— Coachella (@coachella) April 21, 2018
アメリカで開催された世界最大の音楽フェスのひとつである『Coachella 2018』(コーチェラ)に出演し、ふたたび世界から注目されているX JAPAN(エックス・ジャパン)。マリリン・マンソン、リチャード・フォータス(ガンズ・アンド・ローゼズ)、ウェス・ボーランド(リンプ・ビズキット)といったロック界のレジェンドと共演するなど話題を呼び、現地メディアでは、上のツイートのように「ロックはX JAPANとYOSHIKIとともに息を吹き返す」と報じられたり、二刀流で大リーグを席巻している大谷翔平と並べて語られたりしている(『Japanese super rock band discovers what it’s like playing opposite Beyoncé at Coachella』)。また、『Rolling Stone』はX JAPANを今年のCoachellaのベストアクトのひとつに選んでいる(『Coachella 2018: The 18 Best Things We Saw at Weekend One』)。
(X Japan Jade Live at Coachella 2018 Saturday, April 14th)
X JAPANは、1989年にメジャーデビューしたハードロックバンド。当時のメンバーはYOSHIKI(Dr. & Pf.)、TOSHI(Vo.)、HIDE(Gt.)、PATA(Gt.)、TAIJI(Ba.)。1992年にTAIJIが脱退し、HEATH(Ba.)が加入。2009年にLUNA SEAのSUGIZO(Gt. & Vn.)が加入。
1997年に一度解散するも、2007年に再結成。現在までに、東京ドーム公演だけでも18回成功させ、計100万人を動員している。HIDEが1998年に、TAIJIが2011年に死去し、TOSHIが洗脳騒動に巻き込まれるなど、様々な困難を経て日本のロックシーンの礎を築いた。音楽性だけでなく派手なビジュアルも注目され、「ヴィジュアル系」という言葉は彼らによって生まれたと言われている。
しかし、2007年の再結成以降は活動の軸を国外に移しているため、彼らの楽曲をあまり知らないという人もいるかもしれない。そこで、一般常識として知っておきたいX JAPANの代表曲を6曲ほど紹介したい。
なお、今回紹介する6曲は、再結成以前に作られた楽曲のみとする。
『紅』
X JAPANを聴いたことがない人でも、「くれないだぁぁぁぁぁぁ!!!」という叫びは聴いたことがあるかもしれない。あるいは、高校野球の応援歌として定番になっているので、ブラスバンドでの演奏を聴いたことがある人も多いだろう。
冒頭のアルペジオの切なさ、激しいメタルへの展開、悲しさと力強さの同居など、まさにXを代表する1曲。ビジュアル系ハードロックの楽曲が甲子園の応援歌として定着するのは不思議なことだが、それだけ多くの人に力を与えるメロディということなのだろう。
インディーズ時代より何度もリメイクされ繰り返し演奏されてきた曲で、英語ver.も存在する。HIDEとPATAによるツインギターは、今では涙なしには聴けない。
ちなみに、音楽ゲーム『太鼓の達人』がリリースされた際、最高難易度・最高コンボ数で収録されていたのはこの曲だった。
『X』
頭上で両手をクロスさせ、Xの字をつくって飛ぶ「Xジャンプ」を生んだ曲『X』。「エーックス!」というフレーズのたびに全観客がXジャンプをするため、一体感が半端ないうえ、ドーム全体が揺れる。1997年に東京ドームで開催された『LAST LIVE』では、オーディエンスのXジャンプにより文京区に震度3の地震が起きたとか……。Xはこうした伝説をたくさん持っている。
(ちなみに現在、安全性などの問題から、東京ドームはXジャンプを禁止にしている。これがネックで東京ドーム公演ができない、とYOSHIKIは嘆いている)。
デビュー時から現在に至るまでほとんどすべてのライブで演奏されている。もちろん『Coachella 2018』でも演奏され、終盤では、スクリーンに映し出されたHIDEが「飛べ飛べ飛べ〜」とオーディエンスをアオる20年以上前のシーンが再現された。涙。
『Forever Love』
Xの楽曲を2つに分けるとしたら、一方は激しいメタル調の曲、もう一方は美しいバラード調の曲になる。『紅』『X』が前者の代表だとすると、後者の代表が『Endless Rain』や『Tears』、そしてこの『Forever Love』(フォーエバー・ラブ)だろう。
1998年のHIDEの告別式にて、YOSHIKIによるピアノ伴奏でTOSHIが鎮魂歌として歌った曲。後年、X JAPANの熱狂的ファンである小泉純一郎元首相が自民党のCMに使用したことも話題になった。
この曲の途中でTOSHIとYOSHIKIが涙を流しながら抱擁する1997年の『LAST LIVE』は、今では(当時も)涙なしには見られない。
『Silent Jealousy』
『紅』のイントロを聴いてもわかるように、X JAPANの楽曲の根底にはクラシックの要素がある。それは音大への推薦を勝ち取るほど秀才だったYOSHIKIの影響だが(バンドに専念するため進学せず)、クラシックとハードロックの要素がもっとも見事に合わさった代表作が『Silent Jealousy』(サイレント・ジェラシー)。イントロのピアノが美しい。
本作でXは初めてNHK紅白歌合戦に出場。演奏がしんどすぎるという理由により、一時期ライブではあまり演奏されなかった。しかしファンの間では『紅』に続いて人気が高い。
愛を求めて彷徨う人の悲しい歌。涙なしには聴けない……。
『Rusty Nail』
1994年リリースの『Rusty Nail』(ラスティ・ネイル)でX JAPANは初のオリコン1位を獲得する。彼らにしては珍しいほどポップな曲で、当時のYOSHIKIはこれを「ポップすぎるかもしれない」と危惧していた。現在もライブでは定番曲として演奏され、彼らの代表曲となった。
シンセサイザーのシーケンスフレーズが使われているのが特徴。確かにポップかもしれないが、X JAPAN特有の哀愁が非常によく表れている。メロディの美しさ、アレンジの軽やかさ、そしてうまくハマったTOSHIの高音。笑顔でこの曲を演奏するHIDEの映像は現在もTVなどでよく使われ、涙なしには見られない。
ちなみに、同名のカクテルがある。ウイスキーがベースの甘くて強い酒。
『SADISTIC DESIRE』
インディーズ時代のアルバム『VANISHING VISION』に収録されている『SADISTIC DESIRE』(サディスティック・デザイアー)。同作は日本のインディーズ作品で初めてオリコンにランクインした作品となった(ウィークリーで19位)。
『SADISTIC DESIRE』は、X加入前のHIDEが所属していたバンドSAVER TIGER(サーベルタイガー)時代に作曲した『SADISTIC EMOTION』をリメイクした作品。本作をさらにリメイクした『Sadistic Desire』が『Silent Jealousy』のカップリングに収録されていた。Xの楽曲はYOSHIKIによるものが多いが、このようにHIDEによる楽曲もいくつかある(『SCARS』『DRAIN』『JOKER』『MISCAST』『CELEBRATION』など)。
なお、作詞はYOSHIKIで、デヴィッド・リンチによる映画『ブルーベルベッド』をイメージしたという。
当時のXには珍しく、BPMが爆速ではない。YOSHIKIの身体を破壊する変態的なスピードのバスドラムは抑えられ、ギターリフにHIDEらしいポップさが見られる。歌詞は過激だが、当時のXにとってはもっともポップな楽曲だった。間奏のTAIJIによるベースも渋い。TOSHIとHIDEによるサビのハモりは、今では涙なしには……(以下略)。
結論:X JAPANはクラシックな名曲ばかり
Xは4枚のスタジオアルバムをリリースしており(『ART OF LIFE』は29分の曲が1曲のみ収録という特殊なアルバムのため除外)、全アルバムからバランス良く選んだつもりだったが、ド定番の曲ばかりになってしまった。
名曲多すぎて6曲に絞るのとか無理すぎ。もっと詳しく知りたい人はこちらからどうぞ。
エーーーックス!!!
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