週刊夢アド総集編(前編)
2ヶ月半にわたる新メンバーオーディション『なれんの!?夢アド!?』を開催し、3人の新メンバーを迎えて第2章に入った夢みるアドレセンス。すでに『東京アイドル劇場プレミアム』や『TOKYO IDOL PROJECT×@JAMニューイヤープレミアムパーティ2018』などに7人体制で出演し、早くも順調な滑り出しを見せている。
しかし、あまりに熱いオーディション期間だったこともあり、ユメトモのみなさんのなかには”候補生ロス”に陥っている人もいるのでは? ちなみに筆者はかなりロスってます。どのくらいロスってるかというと、元候補生のインスタライブを見に行き、「またミーティアさん来てるよ〜」といじられるくらいロスってます。
そんなロスってるみなさん(と筆者)のために、いま一度、あのエモすぎる2ヶ月半を振り返ります。10回(+2回)にわたる『週刊夢アド』のまとめと、この企画のちょっとした裏側、そしていちライターがヲタクになるまでの軌跡などを織り交ぜながら、新メンバーや元候補生に思いを馳せる、物語風のエモいまとめ記事をお届けします。
Text_Sotaro Yamada
9月の終わり頃だった。ボス(ミーティア編集長)から、ふいにこんなことを聞かれた。
ボス「山田君、アイドル好き?」
それまでミーティアの編集長とアイドルの話をしたことはなかったし、自分も特にアイドルが好きなわけではなかった。ただ、ちょうどあるアイドルのインタビュー記事を書いた直後だったので、「もしかして何か問題あったのか?」という一抹の不安と、「新しい仕事のオファーかな?」という期待があった。返事に少し迷ったが、次のように正直に答えた。
山田「好きと言えるほど詳しくはないですけど、世界で一番かわいいのは生駒ちゃん(乃木坂46)だと思ってます」
ボス「……」
しばらく、気まずい沈黙があった。
……あれ、何か変なこと言ったかな。もしやボスは王道の白石麻衣派なのか? それとも西野七瀬派? いや、カルチャーメディア的には伊藤万理華って言うべき? むしろここはあえてアンダーの名前を出すべきだったか? そんなことを思い悶々としてると、こんな返事が来た。
ボス「いけるな……」
山田「(何が?)」
ボス「夢アドの新メンバーオーディションを取材しようと思うんだけど、やる?」
山田「やります(即答)! ぜひ!」
ボス「しあさってライブあるんだけど」
山田「空いてます!」
ボス「OK、じゃあよろしく。まだ決まってないけど、もしかしたら3ヶ月くらい毎週レポしてもらうことになるかも」
山田「かしこま……ファッ!? 3ヶ月!?」
こんな軽いノリでなんとなくはじまったのだった。
そのときは、細かいことはまだ何も決まっていなかった。どんな内容にするのか? ただ現場で起きていることをレポするだけでいいのか? インタビューなどの企画を挟むのか?
そもそも、夢アドが3ヶ月にわたって何をやろうとしているのか、それすらわかっていなかった。「新メンバーの最終候補が何人かいて、ライブと連動したオーディションをやるので、そのレポを」、これしか決まっていなかった。
やや不安を抱えながら3日後(10月2日)に訪れたAKIBAカルチャーズ劇場。当日のレポートがこちら。
このときはまだ『週刊夢アド』という言葉を使っていないし、これがオーディションの最後まで続く連載になると確定したわけではなかったので、あくまでも当日のライブレポにとどまっている。内容は、①夢アドとは? ②『なれんの!?夢アド!?』とは? ③当日のレポ ④最終候補生第一弾発表、の4つで、まあ、自分で言うのもアレだけど、無難な普通のレポートといったところ。
ちなみにこの日発表された最終候補生は、発表順に、内藤もゆの、望月朱音、水無瀬ゆき、永戸真優、山口はのん、岡村茉奈、若松来海の7名。本人の出演はなく、スクリーンに候補生の写真と名前と年齢だけが映し出されて、それ以外の情報はなかった。パッと見の感想をメンバーが軽く言い合って(「かわいい〜」「カラコン〜?」など)、平和というか、牧歌的な雰囲気があった。これがあんなエモくて激しいアイドルレースに変わっていくとは、まだこのときは想像もできなかった。
その後、webにて第二弾発表があり、全14名の最終候補生が発表された。そして迎えた翌週の定期公演。この日、ついに全候補生が一堂に会し、ユメトモの前でお披露目となった。
この日のライブから、正式に『週刊夢アド』というプロジェクトがスタートすることになった。というわけで、記事の内容が少しずつ候補生にフォーカスした内容になっていく。
自己紹介のコーナーは「初々しい」というより「素人っぽい」という言葉の方がふさわしくて、このなかから本当にアイドルが生まれるのか、ちょっと想像するのが難しかった。
2ページ目のショートインタビューは今読むとかなり新鮮。その後の展開をほのめかす発言あり、ちょっと意外な発言もあり。
この回(10月16日)より、定期公演に関東組の候補生が参加するようになる。
候補生が理想の告白の仕方をシミュレーションするコーナーが設けられ、少しずつ候補生のキャラが明らかになっていく。6人の告白の仕方を野球のピッチングにたとえてみたが、このときのイメージは終盤までそれほど変わらなかった。告白の仕方ってこんなにキャラが出るんだなあ。
ちなみに、こちらが記事の該当部分を引用したもの。
わりと納得感ありません?
そして、冗談めかしてピッチングにたとえられるほど、筆者にも余裕があった。
候補生によるライブパフォーマンスも初めて行われたが、そのときの感想を「率直に言って、かなり良い出来だったのではないだろうか」なんて上から目線で書いてしまっている。自分で読み返してみて、ちょっとイラっとする。ナメてんのかと。すんませんでした。
この時点ではまだレースは本格化しておらず、エモさもなかった。
しかしこのライブの直後に、永戸真優がマーキー祭への参加者として選出されたことで、全体の雰囲気が変わり始める。選出理由は「もっとも仕上がってる候補生」だから。
さらに2日後にLINE LIVEが行われ、メンバーと関東組候補生の目の前で、新メンバー賛成派と反対派のユメトモが議論を交わし、現時点での1位、3位、5位、7位が発表されたことで、一気にシビアな空気が流れる。
理想の告白の仕方とはいったい何だったのか、というくらい雰囲気が変わった。
正直に言うと、筆者の意識が変わり始めたのはこの回(10月23日)からだった。候補生たちが一週間前とは別人に思えるようなパフォーマンスをしたからだ。
この日のライブを見て、「これ、ひょっとすると、すごいことが起きるかも」と思った。この調子で候補生たちがレベルを上げていったら、定期公演、めちゃくちゃ面白いコンテンツになっちゃうんじゃないかと(そして実際、そうなった)。
最終的にぶっちぎりの1位で新メンバーになる水無瀬ゆきは、この日のライブから相当目立っていた(逆に言えば、それまでは、金髪ということ以外あまり強い印象がなかった)。
実はこのとき、どんなスタンスで『週刊夢アド』を書いていくのか、まだ方針が決まっていなかった。「こういうことを書いて欲しい・書かないで欲しい」というオーダーはまったくなく、完全にこちらの裁量に任されていたわけだけど、自由であることほど難しいことはない。
また、ファン投票で新メンバーが決まってしまうことから、個人にフォーカスしすぎることはあまり良くないのではないかという気もした。これはラストアイドルではないし、筆者は吉田豪ではない。書き手の主観をどれだけ入れたらいいのかという葛藤があった。
それに、関西組の候補生を見られる機会があるのかどうかもこの時点ではわからなかった。定期公演だけをレポしていたら、記事が関東組候補生に偏ることは避けられない。それによって、まるで関東組候補生だけが盛り上がっているような印象を与えてしまうことも良くないと思った。
とは言え、真の中立などというものはありえないし、そもそも記事として面白くなければ存在価値がない。色々迷い、手探りだったが、それでもこの日の水無瀬ゆきには圧倒的に存在感があったので、思い切って取り上げてみた。
結果的に、この記事が『週刊夢アド』のスタンスを決めた。
『週刊夢アド』の基本スタンス
・たとえ批判されても、主観で切り取り、主観で書ききる。
・個人にフォーカスしまくる。自分が感じた候補生の魅力を伝えることを第一に。
・その代わり、他のメディアには絶対にできないほど熱く詳しく書く。コストは度外視する。
10月30日の定期公演レポ。リリースイベントが増えてきて、候補生たちのSNSもかなり活発になってきた頃。この日は関東組候補生に加えて、北海道から山下彩耶、関西から永戸真優と岡村茉奈も参加。前日には先日のLINE LIVEで発表された4名の候補生(永戸真優、岡村茉奈、若松来海、内藤もゆの)が仙台に遠征していた。
山下彩耶、永戸真優、岡村茉奈についてはこの機会を逃すといつ書けるかわからなかったので、はじめから3人にフォーカスするつもりでライブを見た。そして3人とも目立って素晴らしかった。しかし結局、一番フォーカスしてしまったのは水無瀬ゆきだった。
いまにして思えば、水無瀬ゆきによる「板割り」は象徴的な出来事だったと思う。木の板に「打倒自分」と書いて正拳突きで割るパフォーマンスは、半分ギャグのような雰囲気もあった。しかし、13人のライバルを前にしながら敵を自分に設定するその意識と、それを言語化して繰り返し伝えようという姿勢は、他の候補生たちより一段も二段も高いところを見ている証のように思えた。
そして、彼女のこのスタンスは最後までブレることがなかった。
11月6日の定期公演レポ。初めて中間順位発表(1位~6位)が行われ、このオーディションの転換点となった日。
仙台遠征をした永戸真優、岡村茉奈、若松来海、内藤もゆのが順当にランクインし、残りの2席には山下彩耶と水無瀬ゆきが入った。山下彩耶の名前が呼ばれたときには長い拍手が起き、水無瀬ゆきの名前が呼ばれたときにはどよめきが起きた。
しかし個人的にもっとも気になったのは、上杉らん。
中間発表のあと、みんなが下を向いたり健気に客席に笑いかけたりするなか、ひとりだけ、順位発表されたスクリーンをずっと見続けていたのが強く印象に残った。
後ろを向いているのが上杉らん。この写真、よくぞこのタイミングで撮ってくれたなあと思う。
上杉らんはおそらくこのとき、自分のなかに何かをしっかりと刻みつけたのだと思う。泣きながら笑い、泣きながら『20xx』を踊る様にはさすがに心を動かされた。
本人も認めるように、関東組候補生のなかで一番ダンスが下手だったと思う。しかし、彼女には、うまいへたを越えた何かがあるような気がした。見る人を強烈に感情移入させる何かが。それは才能だと思う。
そして、このとき上杉らんの才能に気付けたことが、候補生たちをもっとよく見たいと思わせるドライブにもなった。そういう意味で、『週刊夢アド』にとってもこの日のライブは転換点だった。
ちなみに、この頃にはすでに、候補生のSHOWROOMを毎日何時間も見るのが日課になっていた。そのために夜は予定をあけ、家に早く帰るようになっていた。パソコンを開き、ウィンドウとタブを何個も開いて、複数の候補生のSRを同時に視聴するのが当たり前だった。
もはやSRなしに一日が終わることはありえないという気持ちになっていたーー多くのユメトモと同じように。
……気付いたら、完全に候補生ヲタクになっている自分がいた。しかも、相当チョロいタイプのヲタク。
結論:ライターがチョロヲタになるまでに要する期間=1ヶ月。
『週刊夢アド』の基本スタンス
・たとえ批判されても、主観で切り取り、主観で書ききる。
・個人にフォーカスしまくる。自分が感じた候補生の魅力を伝えることを第一に。
・その代わり、他のメディアには絶対にできないほど熱く詳しく書く。コストは度外視する。
・お前自身が熱いユメトモであれ。(←new)
(後編へつづく……)
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